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第5章
黒フードの正体
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屋敷に帰り、屋敷の広い庭にて領民が周りを囲む中、取調が始まった。
「さぁその黒フードを取らせていただきますね」
セバスチャンの手によって次々にフードは取られていく。
そして重要人物と思われたもののフードをとったとき、フランシスは息をのんだ。
金色の軽くカールが入ったような、髪質。水色の湖を思わせるような瞳、整った顔立ちに通った鼻筋
領民の何人かがどよめく中
「えっ?西の帝国の第1王子ではありませんか?」
フランシスは記憶を辿りその人物を見やった。
「間違いありませんは、東の第1王子との婚約の際に来賓としていらっしゃいましたよね?
なぜこのようなところに?」
黒フードの男は答える
「それはお互い様ではありませんか?
あの場所におられたのならばそれなりの身分の方だと思われますが、なぜこのようなところに?」
それは皮肉たっぷりな言い方だ。
「…なんて言い方」
アンが言い返そうとしたが、マリア婦人に止められる。
「娘が失礼いたしました。
しかし、西の帝国の第1王子ともあられる方が、我が領地に勝手に入り
しかも我が領地や領民に対して呪うなどと物騒なことを言われては、こちらとしても不審でなりません」
丁寧な口調ではあるが、マリア婦人の皮肉では負けていない
「どうぞ、その真意を教えていただけませんか?
こちらとしても、第1王子とはいへ処遇に困ってしまいます。」
そうあなたたちの処遇に関わるのだと、あなた達は私たちの手のひらの上なのだと
丁寧な口調で言うマリア婦人の笑みは恐ろしく見えた。
「さぁその黒フードを取らせていただきますね」
セバスチャンの手によって次々にフードは取られていく。
そして重要人物と思われたもののフードをとったとき、フランシスは息をのんだ。
金色の軽くカールが入ったような、髪質。水色の湖を思わせるような瞳、整った顔立ちに通った鼻筋
領民の何人かがどよめく中
「えっ?西の帝国の第1王子ではありませんか?」
フランシスは記憶を辿りその人物を見やった。
「間違いありませんは、東の第1王子との婚約の際に来賓としていらっしゃいましたよね?
なぜこのようなところに?」
黒フードの男は答える
「それはお互い様ではありませんか?
あの場所におられたのならばそれなりの身分の方だと思われますが、なぜこのようなところに?」
それは皮肉たっぷりな言い方だ。
「…なんて言い方」
アンが言い返そうとしたが、マリア婦人に止められる。
「娘が失礼いたしました。
しかし、西の帝国の第1王子ともあられる方が、我が領地に勝手に入り
しかも我が領地や領民に対して呪うなどと物騒なことを言われては、こちらとしても不審でなりません」
丁寧な口調ではあるが、マリア婦人の皮肉では負けていない
「どうぞ、その真意を教えていただけませんか?
こちらとしても、第1王子とはいへ処遇に困ってしまいます。」
そうあなたたちの処遇に関わるのだと、あなた達は私たちの手のひらの上なのだと
丁寧な口調で言うマリア婦人の笑みは恐ろしく見えた。
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