呪われた地の聖女〜聖女認定を外され婚約破棄に、呪われた地にて継母と同居、イジメられると思えば溺愛、呪いの魔術師にも、私はここで幸せになります

第4章

マリア婦人の秘密

屋敷では大騒ぎになっていた。

「本当に、呪われたいかぁって、本当にっ怖くて、怖くて、ごめんなさいぃぃ」

サップが、湖の黒い影に怯えて逃げ帰ったことを泣いて詫ている。
その話を聞いて、誰一人として採掘に行けずに、屋敷に報告にきたのだ。

マリア婦人とフランシスは驚いてその報告を聞いた。

「本当じゃ！本当じゃ！情けないわい！
わしはわかる。ありゃ普通の人じゃ、しかも大した力などない！
だからわしのスペシャルツルハシでボッコボコじゃったのに！」
そんなボブじいさんの声は人々には入ってこない。

「サップ、大丈夫ですよ、誰もあなたを咎めることなどありません」

マリア婦人は。泣くサップに優しく慰める。



「この地を呪っていた魔術師が、呪いを解こうとしたから怒ったんじゃないか？」

「そうよ、きっと、死の湖を荒らしたから怒っているのよ、呪われたら死んでしまうかもしれない」

「あぁどうしよう、せっかく俺たちの領土が豊かになりかけてたのに」

人々は口々に恐怖を増幅させる。


「落ち着きなさい！
あそこは死の湖ではありません、生命の湖に生まれ変わったのです。
せっかく皆が開拓をし始めたのに。
何人たりとも、邪魔はさせませんよ」

「お母様、でも我が領地には戦えるようなものは居ません、他の地よりだれか呼ばなければ…」

フランシスは領民の手前上、落ち着いてはいるが、恐怖で顔は真っ青だ

「問題はありません。セバスチャン、アン、用意をしてください、私が立ちます」

フランシスはなんのことかわからなかった。