上 下
36 / 89
第3章

草刈り大会当日

しおりを挟む
「今日はよく晴れたわねぇ」

ドレッティとアンは十数本のクワを大きなカゴに入れて、草刈り大会の会場へ向かっている。

アンの方が明らかに本数が多いが、足取りは変わらない。



「たくさん参加してくださるといいですね、かなりの量を聖女の砂用意しましたし」

「そうだねぇ、フランシス様はここ数日ずっと、日干貝殻を潰し続けていたからねぇ」

その努力が報われることを願っていると、広場は大勢の人だかりが

「大丈夫ですじゃ、順番に並んでくだされ、当日受付はまだまだ間に合います」

セバスチャンが大きな声を張り上げている。

アンとドレッティも急いで順番にの整理を手伝う。
参加人数は後から後から増えていく。

「セバスチャンさん、今回は楽しい企画をしてくださったね!しかも参加賞まで、ありがとうございます」

「本当に上位者は雇ってもらえるのかい?うちの旦那も出稼ぎから帰らせたらよかったかねぇ」

「わしはぁぁ、このスペシャルクワを使うのじゃあ、若いもんには負けんぞうぅぅ」

「じいちゃんとペアで、僕でもでていいのかな?かあちゃんがお腹に赤ん坊がいるんだよ」



本当に老若男女問わず、参加するようだ。



「それじゃあ、マリア様とフランシス様を迎えに行ってきますじゃ」

セバスチャンは大会始まる前から、もう疲れているようだ。アンとドレッティに受付を任せ、迎えに屋敷へ向かった。

参加受付は、大会開始ギリギリまで途絶えることはなかった。
しおりを挟む

処理中です...