上 下
34 / 89
第3章

草刈り大会

しおりを挟む
「まさか1つの塊を80バーツにしてくれるなんて、ドレッティには驚きです。
本当にやり手の商人のようでした!」

フランシスに貸した服を返してもらいながら、ドレッティを褒めている。

「そんな、お塩が本当にいい商品でしたし、
このお洋服もですが、全てが上手く進んだからです。
私の力だけではありません」


ドレッティは謙遜しつつも、気持ちの高揚感が拭えない。
また、あのような機会があれば…きっと…



「お母様、草刈り大会のルールですが、このように決めたいと思います。」



草刈り大会ルール

①2人1組のチーム戦
②1人はクワを、1人はカゴを持つこと
③クワの人は草をクワで耕し抜き取る
④カゴの人は草を拾い、所定の場所まで運ぶ
⑤草の量で順位が決まる


「フランシス、確か前はクワではなくカマだったわよね?
それに掘り起こす係が、根っこが残ると減点ルールはなくなったの?」

いろいろとルールの変更が見られる。これはいったい?

「そうなんです。実はこれは生命の湖での、採掘をする人の選抜も兼ねたいと思うのです。

せっかく雇うなら領土内での方が有益です。

出稼ぎに行ってない女性や高齢の方でも、アンのように力持ちの方はいますわ。

そんな方を見つけるいい機会にしたいのです。」

「なるほどさすがだわ、クワをツルハシに変えれば採掘はできますし、カゴで運ぶのも石を運べるかの判断になるわね」

フランシスは本当に頭がいいと、マリア婦人は頭を撫でながら言う。

嬉しそうにフランシスはいう。

「更に賞品も考えましたの!ぜひ領民の方々は、こぞって参加していただきたいですわ」
しおりを挟む

処理中です...