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第3章
行商人side
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行商人は警戒している。
週末の露店の後で話があると屋敷に招待されたのだ
本来なら貴族の屋敷など来られるところではない、いい話ではないと考える
売上に応じて税金を納めろと求められるか
それならまだいいが、近隣の国のスパイをしろなんて言われたらどう逃げるか
考えれば考えるほど嫌な汗がでてくる
「こんにちは、わざわざご足労ありがとうございます。私はこちらで勤めているドレッティといいます」
地味だか、清楚な服装をした20代ほどの女性が現れた。
さすが公爵家、こんな田舎の貧乏公爵でも交渉役がでてきた。
「いえ、ご招待ありがとうございます。私は行商をしております、トーマスといいます。本日はどのようなご要件でしたでしょうか?」
ドレッティはゆっくりと話し出す。
「はい、実はトーマス様が、このエレメント地区でほぼお塩を専売状態と聞いたのですが、これからは、販売をやめていただきたいのです。」
「それは公爵家が販売を禁止するということですか?」
しかし塩の供給が滞れば困るのはエレメント地区の住民だ
「えぇ、こちらのアリファント公爵家が今後、お塩の専売を持つことにしますので」
「それは塩の供給先を得たということですか?」
塩の供給先を得るのは難しい、遠い海のある地域から買い付けるか、そこまでに買いに行く中売り業者から買うしかないのだ
「えぇ、エレメント地区の住民で消費する分は、十分すぎる量を確保できる予定です」
十分にということは、余裕があるということか
週末の露店の後で話があると屋敷に招待されたのだ
本来なら貴族の屋敷など来られるところではない、いい話ではないと考える
売上に応じて税金を納めろと求められるか
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考えれば考えるほど嫌な汗がでてくる
「こんにちは、わざわざご足労ありがとうございます。私はこちらで勤めているドレッティといいます」
地味だか、清楚な服装をした20代ほどの女性が現れた。
さすが公爵家、こんな田舎の貧乏公爵でも交渉役がでてきた。
「いえ、ご招待ありがとうございます。私は行商をしております、トーマスといいます。本日はどのようなご要件でしたでしょうか?」
ドレッティはゆっくりと話し出す。
「はい、実はトーマス様が、このエレメント地区でほぼお塩を専売状態と聞いたのですが、これからは、販売をやめていただきたいのです。」
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十分にということは、余裕があるということか
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