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第3章

未知なる湖

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「お母様、地図を見ていたのですが、山の方に湖があるのですよね?」

いつもの髪をセットする幸せタイムにフランシスがたずねる。
しかし、マリア婦人は困った顔をしている、

「えぇ、でもあそこは死の湖といって、前に私も視察に行ったけど…」

「死の湖ですか?それは恐ろしい名前ですね、どのような所なんですか?」

本で読んだとおり、魚も一匹もおらず、山の動物も寄り付かない死の湖

「とても美しいけど、生命を感じない湖だったは」

「それは、ぜひ行ってみたいです」

マリア婦人はため息を漏らすと、

「しかたないわね、でもそこに行くには馬を一人で乗れないとだめよ、馬車は通れないの」

「お母様はじゃあ馬に乗れるんですね!すごい、教えてください」

確かにあまり女性で乗馬ができる者は少ない

フランシスにこう乞われると悪い気はしない

「わかりました。庭もだいぶ綺麗になったし、少しのずつ教えてあげますね」

馬に乗るのはかなり難しい、1年ほどは無理だろうと、マリア婦人は思っていた




マリア婦人が要請していた貝殻が、屋敷に届いた。

ありがとう、と手間賃を農夫にわたす。

麻袋いっぱいの貝殻をフランシスは井戸水で洗い出す

「それはいったい何になるの?」

不思議なものを見るようにマリア婦人はたずねる

「石灰にしたいのです。貝殻を日に干し、砕いて畑にまくと実りが良くなるかもしれません」

マリア婦人は驚いた、そんな方法聞いたことがなかった

ここの土地は呪われているから、実りが悪いと信じていたのだ。

「フランシス、あなたは本当にすごいわねぇ」

マリア婦人もできるだけ手助けをする

一緒に洗い、貝を庭に並べる、そして風化した貝殻を砕いて粉にする

その合間に乗馬の練習をして、庭がいっぱいになれば草刈りをする

一夏はあっと言う間にに過ぎていった。


※※※※※※

今回は薄味回になりました。
お気に入り登録ありがとうございます。
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よろしければ、作品の感想お待ちしています。
コメディ色強くなってきていますが、楽しんでいただけているか、少し心配です

よろしくお願いします。
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