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第3章

セバスチャンの受難3

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午後からは、フランシスは書庫から新しい本を借りよみふける。

マリア婦人は、書類の整理と更に川辺の領民へ貝殻の採取の要請などを行う。

二人は実によく働いている。

しかしセバスチャンの悩みは更に広がる




次の日の朝食後

「今日こそは、お母様たちをねじ伏せ、この庭の頂点に立ってみせますは」

ビシッと指差しキメポーズをするフランシスの横には、なぜか同じポーズのドレッティ

「やれるものならやってみなさい、あなた達みたいな小娘には、私達はまだまだ負けませんわよ」

仁王立ちに腕組みをしながら受けるマリア婦人の横には、また同じポーズのアン

この茶番劇の前に、

「セバスチャンは判定役してくださいね」

と可愛らしく4人の女性にお願いされたのだ。

昨日の楽しそうな2人をみて、メイド二人もぜひ参加したいと言い出したのだ。

マリア婦人は使用してない、部屋の掃除は後回しにすることで、草取りの手伝いを了承した。

メイドの手にはそれぞれカマが、マリア婦人とフランシスは手袋がつけられている。

メイドがスパスパと草を刈り取り、フランシスとマリア婦人は土の根っこを掘り返していく

大変地味な役回りなのに

「まだまだねフランシス、その草の根にそんなに時間をかけているようじゃ」

「くっ、お母様こそ、そこの根が残ってますはよ、判定に響きましてよ」

いったいどんな判定基準があるのかわからないが、大変楽しそうだ

そして、そんな楽しそうな様子になんだ?なんだ?と領民達が柵の外から気にしだしている。

頭が痛い、とセバスチャンの悩みが広がる
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