呪われた地の聖女〜聖女認定を外され婚約破棄に、呪われた地にて継母と同居、イジメられると思えば溺愛、呪いの魔術師にも、私はここで幸せになります

モスマンの娘

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第2章

髪飾りの約束

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メイドがお夕食を呼びにくると
フランシスの顔を見るなりギョっとし、プルブルと震えてだす。

「ぐっふ、お夕食ができました。どうぞこちらに‥」
明らかに笑いを堪えている。やっぱり髪型がおかしいんだろうなぁ

なんとかモシャモシャの頭をまとめようとしたが、細くてなめらかな髪質が災いしてか、まとめようとすると絡まり、解こうとすると絡まり、悪循環の末、なんとか一本に結んだのだ。

食堂につきマリア婦人はもうすでに席についていた。
フランシスの顔をみるなり

「あはははっ、すごい頭ねぇ、でもえらいは自分でなんとかしようとしたのね。」
涙を浮かべるほどの爆笑である。

褒められてうれしいが、笑われて恥ずかしくてモジモジしてしまう。

「お夕食の前に、少し私の部屋にきていただけるかしら?」
そう言われてマリア婦人の部屋に通された。 

マリア婦人の部屋はフランシスとそうかわらず、机に本が数冊ある程度だった。

フランシスを鏡台の前に座らせると、マリア婦人は優しくモジャモジャの髪をときだした。
モジャモジャの髪がすぐに綺麗になっていく。

「フランシスの髪は綺麗な金髪ね、すごく細いから気をつけないとすぐ切れてしまいそう。
そうだは、今日から朝は私が髪を結んであげましょう」
そういいながら、フランシスの髪を三編みに仕上げていく。

「素敵な髪飾りの一つでもあればいいけど、ここにあるのはどれもあなたみたいな若い子向けじゃないわね、そうだは今週末に市場に行って買いましょう」
すっかり綺麗に整った髪を撫でながらマリア婦人は微笑みかけた。

フランシスは嬉しかった、毎日マリア婦人に髪を結ってもらえるのも、週末のも
これからの生活を明るいのだという約束のようだ。

「嬉しいです。すごくすごく嬉しいです」
フランシスは生きてきて、一番ではないかと思う笑顔で。答えた。

そして夕食を食べるために、食堂にいくが
そこでフランシスはこの家の問題に気づいてしまった。
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