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第1章
マリア婦人の要求
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少し古いながらも、かなり作りのいいソファと机に向かい合って二人は座った。
メイドは香りのいい紅茶を持ってきてくれた
「フランシス、まずはここで暮らす上で守ってもらわないといけないことが3つあります」
マリア婦人は紅茶を一口飲み、真剣な顔で話しだした。
「1つ目は、自分のことは自分で行ってください。我が家にはメイドが二人と執事が一人しかいません。あなたのみの周りの世話をさせる人手がないのです。」
確かにこの屋敷は広いが、ガランとしている。まさか3人しかいないとは思わなかった。
「2つ目は、2階の東奥側の3部屋には近づかないでください。近づくと大変危険だからです。」
要領が得ないが、何か危険な物を保管しているのかもしれない。
「そして、3つ目はこれは酷なことなのですが、今後一切、東の帝国とは繋がりをもたないでください」
マリア婦人は厳しい顔で言った。
「手紙などもだめです。もちろん顔を出すようなことも禁止します。」
重い空気が流れている。でも当然のことのように思える。養女にきたのだ。昔の家など忘れなければならないのだ。
「‥でも、もし本当にあいたいのでしたら」
マリア婦人が黙るフランシスを見て、悩みながら言おうとすると。
「っぶふ」
フランシスは思わず、苦笑いも漏らしてしまった。
メイドは香りのいい紅茶を持ってきてくれた
「フランシス、まずはここで暮らす上で守ってもらわないといけないことが3つあります」
マリア婦人は紅茶を一口飲み、真剣な顔で話しだした。
「1つ目は、自分のことは自分で行ってください。我が家にはメイドが二人と執事が一人しかいません。あなたのみの周りの世話をさせる人手がないのです。」
確かにこの屋敷は広いが、ガランとしている。まさか3人しかいないとは思わなかった。
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「そして、3つ目はこれは酷なことなのですが、今後一切、東の帝国とは繋がりをもたないでください」
マリア婦人は厳しい顔で言った。
「手紙などもだめです。もちろん顔を出すようなことも禁止します。」
重い空気が流れている。でも当然のことのように思える。養女にきたのだ。昔の家など忘れなければならないのだ。
「‥でも、もし本当にあいたいのでしたら」
マリア婦人が黙るフランシスを見て、悩みながら言おうとすると。
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