白いワンコ系αなのに運命の番は、虐待されてる優秀すぎるΩで、なかなか溺愛させてもらえません

モスマンの娘

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再会

170.そして動き出す

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あれから半年が経ち
我が社は二十人の社員に増えて、ダークさんのビルのワンフロアを借りることになった。
講習室が二つと事務所と休憩室になっている。

五人の社員が講師ができるようにまでなって、七人が顧客管理を五人が営業を三人は経理と事務作業を行ってもらっている。

結局シバは講師にはなれず、顧客管理のマネージャーを行っている
牙狼語はペラペラなんだけど…教えるのが壊滅的に下手くそだったから…

マネージャーとしては大変に優秀で、顧客管理の社員を上手にまとめてくれるし、気兼ねなく相談できる良い上司となっている。

ただ心配なのは…大学は大丈夫だよね?
単位足りてるよね?
入り浸ってるけど、そこらへんは自己管理でお願いしますね?


清子さんは講師として上級牙狼講座の講師をしている。
まだダークさんとは番っていないらしい…毎日のように甲斐甲斐しく送り迎えされてるけど

『まだまだ我が社は発展途上だからね!
それに半年やそこらで……こんな楽しいし時期を終わらせるのは惜しいでしょ?』

っと言い切られてしまったら、そうですか……っとしか言えない

ダークさんはすぐにでも番たそうにしてるみたいだけど、完全に清子さんに主導権はあるみたいだ



そして僕は、先日司法試験を受けてきたところだ!
手応えはあったし、自己採点からいっても受かっていると思うから!
僕は一通の手紙を持っておじいちゃんの前に座っている。


「はぁ……その顔は、もう心に決めたって顔じゃな?
もうアキラ君のことは待てんか?」

「僕は待ちました。アキラさんの罪も償われたのでしょう?
本来ならそのときに迎えに行ってもよかったのに…
僕が気づかなかったから……僕がアキラさんを待たせてしまっていたんですよね?

司法試験が合格していたら、僕はアキラさんを迎えに行きますから
僕は強くなりました。これからもアキラさんとの未来を守るために強くなることを約束します。

だから……アキラさんに会わせてください!」


僕は言い切って、アキラさんへの手紙を渡した。
中には僕の思いの丈が書き示されている。

『僕はもう待てません、貴方を迎えにいきます。
毛布でもぬいぐるみでも構いません、貴方の側にいられないのなら、僕の人生など無意味なものになってしまうから……』


っという内容が便箋三枚に渡ってギッチリっと書いてある。


僕の言葉に最初は難しい顔をしていたおじいちゃんが、諦めたように苦笑いをした。


「そうじゃったな…ジョン君はどこまでも、アキラ君を中心に考える子じゃったな……
あいわかった。しっかりとこの手紙はアキラ君に渡させてもらうよ?

返事は追って連絡をするから、ははっ、ワシも駄目じゃな……
αアルファとしての悪い性質が出てたみたいじゃな?
Ωオメガのアキラ君の気持ちばかりに目が行っていたわい

大丈夫じゃよ……お前さんらの未来は明るいわい」

おじいちゃんの優しい笑顔に、僕の気持ちは高揚していった。
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