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未来へ

149.長い夜を抱きしめて 18? (sideアキラ)

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眠ろうと目を閉じても、どうしても下半身がもぞもぞする。
上にかかっている布団や太ももにちょっと当たるだけで、ピクンッと腰が跳ねるほど敏感で……


これはどうしまらいいんだろう?
カズマに聞けばいいかな?
でも、もう夜中だし…カズマにも迷惑だろうし
目を閉じて、ジョン君に抱かれていたときのことを思い出す。


包むように抱きしめて、いっぱい頬や首筋にキスをくれて……
温かくて、でも心臓が破裂しそうな程にドキドキして、苦しくて泣きそうな気持になって…

自分のパジャマと下着の中に手を差し入れて、自分のふにゃふにゃちんちんをムギュムギュっと揉んでみる。
そこは驚くくらいに熱いけど…
どうしたらいいのかわからない、揉んでも引っ張っても、体がビクンってなるくらい敏感なのに気持ちよくはなれなくて
ジョン君がしてくれていたことがわからない……

『気持ちよくなりましょうね……』

そうやってジョン君が呟いてくれたら、すぐに気持ちよくなれたのに
自分でやってもピリピリっと痛みにも似た感覚しか拾えなくて


「ジョン…君……」


助けを求めるように呟いた自分の声が、ちんちんを触るのよりずっと僕の気持ちを昂ぶる。


「ジョン君……ジョン君……」


何回もジョン君の名前を呼んで、ちんちんから手を離して自分の体を自分の腕で抱きしめるようにして


「ジョン君……ジョン君……」


自然に腰がゆるゆると動いてしまう、目をきつく閉じてジョン君のことを思い出して…


『アキラさん……可愛い……』

『ずっと側にいさせてくださいよ……』

『……離れませんからね』


会いたいな…会って抱きしめて、チューして欲しい…


『アキラさん…アキラさん…』


きっと名前を呼んでもらって、あの甘いキスをくれたらすぐにでも達してしまいそうだけど
今はどうすることもできない熱をひたすら抱えて、自分自身を抱きしめていた。


「ジョン君…ジョン君……会いたいよ、ジョン君……」


早くあと二年過ぎればいい、一層このまま二年間寝ていたら過ぎていてくれたら、どんなにありがたいか…
ポロポロっと枕に涙が落ちていった。


病室でジョン君と別れたときから、涙なんて出てこなくて…
ただぼんやりとした日常が過ぎていくだけで


早く過ぎればいい…あのひとに執着されていたときよりずっと強く、そう思ってしまった。
永遠のように感じるほど長い夜を
自分の体を抱きしめて、ただただ涙を流して震えながら耐えるしかできなかった。




数日後、また新たな不調が出だした。
足や腕が酷く痛い……
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