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未来へ
146.虚無感に囚われて (sideアキラ)
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ジョン君と別れてから
ほとんどベッドの上か、裁判所にいた。
拘置所に入れられるかな?っと心配してたけど
おじいちゃんのつけてくれた弁護士が上手にやってくれたみたいで
僕の体の弱さを理由に在宅起訴にしてもらえたみたいだ
本当にそれには助かった。
実際にジョン君と別れて、数日すると体にひどい不調が現れだしたのだ。
食べられないし寝れない、ジョン君に出会う前に戻ったような体調の悪さに数ヶ月苦しんでいた。
それと同時に、ひたすらひどい虚無感に襲われた。
全てがどうでもよくなった。燃え尽き症候群かとも思ったけど…前みたいに好奇心も知識欲も何も湧いてこない
ただただ生きてるのが虚しかった
「アキラ君…確実にα消失不安症だよ…
Ωが番のαを失うと起こる精神疾患だ
ジョン君を呼ぼう…これは発狂すらありえる恐ろしい病気だよ?」
シノダ教授が何回も説得してくれたけど僕はその提案に決して頷かなかった。
ジョン君の重荷になるなんてゴメンだ…
ジョン君は優しいから僕がこんな状態何で知ったら絶対に駆けつけてくれるけど………
そんな価値は今の僕にはない
それに…そんな離れている僕でもジョン君は守ってくれているから
一週間に一通くらいのペースでおじいちゃん経由でジョン君が手紙をくれる。
それに左腕にはジョン君がくれたブレスレットが着けている。
手紙の内容は今週のテストのことだったり…生徒会運営の愚痴だったり他愛のないことだけど…
この手紙を読むことだけが虚しさを和らげてくれる。何度も何度も読み返して、ブレスレットを日の光にかざしたりして、ただただ一日の長い時間が過ぎていくのを耐えていた。
手紙の返事は書かなかった。もしも僕のことを待てなくなった時に…負担になるだろうから
今や犯罪者の僕が前途あるジョン君を、縛り付けていいとはどうしても思えなかったから…
それでも毎週手紙は届いてくる。
最後に必ず、
『愛しています。ずっと待っています』の言葉と共に
半年もすると、体の不調も落ちついてきたけど虚無感は拭えない
それでも今の僕のできることを考えて、ジョン君に言われていたことをすることにした。
少しでもご飯を食べて、日の光を窓際でもいいから浴びて、15分も歩けなかったから、とりあえず廊下をうろうろしていたらカズマに心配されてしまった。
「とうとう頭がおかしくなったかと思ったよ!
そっか、散歩か…ふふっよかった
ちょっとは前向きになってきたんだね?」
すごく嬉しそうにしているカズマに、心配させていたんだなっと申し訳なさを感じてしまった。
ほぼ毎日、カズマが手を引いて散歩につれていってくれるようになった。
別に手は繋がなくていいって言っても、心配だからっと言われたら仕方がないから繋いでいたら
「もっと俺を頼ってよ…
俺はアキラの運命の番にはなれないけど、半身だろ?
ジョン君の穴は埋められないけど…、アキラの側にはいられるからね
絶対に一人になんてしないから!」
握られた手は温かくて、虚無感が拭えないけど……
この手はずっと握っていたいって思えた。
ほとんどベッドの上か、裁判所にいた。
拘置所に入れられるかな?っと心配してたけど
おじいちゃんのつけてくれた弁護士が上手にやってくれたみたいで
僕の体の弱さを理由に在宅起訴にしてもらえたみたいだ
本当にそれには助かった。
実際にジョン君と別れて、数日すると体にひどい不調が現れだしたのだ。
食べられないし寝れない、ジョン君に出会う前に戻ったような体調の悪さに数ヶ月苦しんでいた。
それと同時に、ひたすらひどい虚無感に襲われた。
全てがどうでもよくなった。燃え尽き症候群かとも思ったけど…前みたいに好奇心も知識欲も何も湧いてこない
ただただ生きてるのが虚しかった
「アキラ君…確実にα消失不安症だよ…
Ωが番のαを失うと起こる精神疾患だ
ジョン君を呼ぼう…これは発狂すらありえる恐ろしい病気だよ?」
シノダ教授が何回も説得してくれたけど僕はその提案に決して頷かなかった。
ジョン君の重荷になるなんてゴメンだ…
ジョン君は優しいから僕がこんな状態何で知ったら絶対に駆けつけてくれるけど………
そんな価値は今の僕にはない
それに…そんな離れている僕でもジョン君は守ってくれているから
一週間に一通くらいのペースでおじいちゃん経由でジョン君が手紙をくれる。
それに左腕にはジョン君がくれたブレスレットが着けている。
手紙の内容は今週のテストのことだったり…生徒会運営の愚痴だったり他愛のないことだけど…
この手紙を読むことだけが虚しさを和らげてくれる。何度も何度も読み返して、ブレスレットを日の光にかざしたりして、ただただ一日の長い時間が過ぎていくのを耐えていた。
手紙の返事は書かなかった。もしも僕のことを待てなくなった時に…負担になるだろうから
今や犯罪者の僕が前途あるジョン君を、縛り付けていいとはどうしても思えなかったから…
それでも毎週手紙は届いてくる。
最後に必ず、
『愛しています。ずっと待っています』の言葉と共に
半年もすると、体の不調も落ちついてきたけど虚無感は拭えない
それでも今の僕のできることを考えて、ジョン君に言われていたことをすることにした。
少しでもご飯を食べて、日の光を窓際でもいいから浴びて、15分も歩けなかったから、とりあえず廊下をうろうろしていたらカズマに心配されてしまった。
「とうとう頭がおかしくなったかと思ったよ!
そっか、散歩か…ふふっよかった
ちょっとは前向きになってきたんだね?」
すごく嬉しそうにしているカズマに、心配させていたんだなっと申し訳なさを感じてしまった。
ほぼ毎日、カズマが手を引いて散歩につれていってくれるようになった。
別に手は繋がなくていいって言っても、心配だからっと言われたら仕方がないから繋いでいたら
「もっと俺を頼ってよ…
俺はアキラの運命の番にはなれないけど、半身だろ?
ジョン君の穴は埋められないけど…、アキラの側にはいられるからね
絶対に一人になんてしないから!」
握られた手は温かくて、虚無感が拭えないけど……
この手はずっと握っていたいって思えた。
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