144 / 207
9月
142.そして別れの日
しおりを挟む
病室で二人っきりにしてもらえた。
二時間後にはお別れなの?
これは現実なの?本当のことなの?
「アキラさん、アキラさん
ふわあぁぁ…嫌だぁ、離れたくない!側にいたい!!ふわあぁぁ」
もう泣き言しか口から出てこなくて、もっと伝えれることがあるはずなのに…
「ごめんね、ジョン君……ごめんなさい、これ以外は考えられなかった。
あのときジョン君を失うかもって考えたときに…僕はどうしても我慢できなかったんだ」
アキラさんは悪くない、必死になって僕を助けようとしてくれたんだ
僕が諦めたから?僕が牙狼だから?僕が…僕が……弱いから
いくら考えても離れる未来しか見えなくて、それでもこの腕の中のアキラさんがいなくなるのが恐ろしくて
「ジョン君……、もし許してくれるなら……待っててくれる?
僕、迎えにくるから、ちゃんと罪を償ったら帰ってくるから
僕のことまた、愛してくれる?」
アキラさんの言葉に体が震える
アキラさんはもう前を向いてる…僕も向かないといけないのに
離れるのが恐ろしい、手を放すのが恐ろしい
このままアキラさんが消えてしまいそうで……
「いやだぁ……離れたくない、
ずっとずっとずっと………
うわあぁぁぁ、いやだよぅ」
苦しい、嫌だ、離れていく、僕の番が離れていく……
耐えられない!!
でも…でも…でも……
「迎えにくるから、ごめんね…
本当にごめん、必ず来るから……」
アキラさんもポロポロ泣いていて、細い体が可哀想なほど震えていて
アキラさんを強く抱きしめてこのまま拐って逃げ出してしまいたいけど
逃げ出しても、僕にはアキラさんを守る力なんてなくて……
「強っく、なるから……僕っ今度こそっ強くなって、待ってるから
ふわあぁぁ……ずっと、ずっと待ってるからぁぁ」
鼻水も涙もくしゃくしゃになって、やっと絞り出した返事に
アキラさんは僕を抱きしめ返してくれる。
「迎えにくるよ、必ず来るから…
それまでに強くなってて、そして僕を守って?
もう絶対に離れないように…今度こそ、僕を全てから守ってね?」
きつく抱き合ってキスをして、アキラさんのキスは相変わらず甘いのに、アキラさんの匂いはどこまでも僕を惹きつけるのに
僕達は離れないといけなくて
「好きだよジョン君…大好き
待っててね……約束だよ?
僕のこと待っててね…」
「うん…待ってる……ずっとずっと、待っでるぅぅ……
アキラさんのこと、ずっとずっと待ってるから……ずっと、好きだから
ずっと、愛してるからぁぁ」
もうずっと泣きながら抱き合ってた、1分でも1秒でもアキラさんを長く感じてたかった。
アキラの感触も匂いも声もキスの味も全部、全部…
忘れないように、記憶に少しでも残るように
それでも無情に時間は過ぎていって……
ガチャリ
僕達を引き裂く音が部屋に響いた
二時間後にはお別れなの?
これは現実なの?本当のことなの?
「アキラさん、アキラさん
ふわあぁぁ…嫌だぁ、離れたくない!側にいたい!!ふわあぁぁ」
もう泣き言しか口から出てこなくて、もっと伝えれることがあるはずなのに…
「ごめんね、ジョン君……ごめんなさい、これ以外は考えられなかった。
あのときジョン君を失うかもって考えたときに…僕はどうしても我慢できなかったんだ」
アキラさんは悪くない、必死になって僕を助けようとしてくれたんだ
僕が諦めたから?僕が牙狼だから?僕が…僕が……弱いから
いくら考えても離れる未来しか見えなくて、それでもこの腕の中のアキラさんがいなくなるのが恐ろしくて
「ジョン君……、もし許してくれるなら……待っててくれる?
僕、迎えにくるから、ちゃんと罪を償ったら帰ってくるから
僕のことまた、愛してくれる?」
アキラさんの言葉に体が震える
アキラさんはもう前を向いてる…僕も向かないといけないのに
離れるのが恐ろしい、手を放すのが恐ろしい
このままアキラさんが消えてしまいそうで……
「いやだぁ……離れたくない、
ずっとずっとずっと………
うわあぁぁぁ、いやだよぅ」
苦しい、嫌だ、離れていく、僕の番が離れていく……
耐えられない!!
でも…でも…でも……
「迎えにくるから、ごめんね…
本当にごめん、必ず来るから……」
アキラさんもポロポロ泣いていて、細い体が可哀想なほど震えていて
アキラさんを強く抱きしめてこのまま拐って逃げ出してしまいたいけど
逃げ出しても、僕にはアキラさんを守る力なんてなくて……
「強っく、なるから……僕っ今度こそっ強くなって、待ってるから
ふわあぁぁ……ずっと、ずっと待ってるからぁぁ」
鼻水も涙もくしゃくしゃになって、やっと絞り出した返事に
アキラさんは僕を抱きしめ返してくれる。
「迎えにくるよ、必ず来るから…
それまでに強くなってて、そして僕を守って?
もう絶対に離れないように…今度こそ、僕を全てから守ってね?」
きつく抱き合ってキスをして、アキラさんのキスは相変わらず甘いのに、アキラさんの匂いはどこまでも僕を惹きつけるのに
僕達は離れないといけなくて
「好きだよジョン君…大好き
待っててね……約束だよ?
僕のこと待っててね…」
「うん…待ってる……ずっとずっと、待っでるぅぅ……
アキラさんのこと、ずっとずっと待ってるから……ずっと、好きだから
ずっと、愛してるからぁぁ」
もうずっと泣きながら抱き合ってた、1分でも1秒でもアキラさんを長く感じてたかった。
アキラの感触も匂いも声もキスの味も全部、全部…
忘れないように、記憶に少しでも残るように
それでも無情に時間は過ぎていって……
ガチャリ
僕達を引き裂く音が部屋に響いた
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
45歳のおっさん、異世界召喚に巻き込まれる
よっしぃ
ファンタジー
2月26日から29日現在まで4日間、アルファポリスのファンタジー部門1位達成!感謝です!
小説家になろうでも10位獲得しました!
そして、カクヨムでもランクイン中です!
●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●
スキルを強奪する為に異世界召喚を実行した欲望まみれの権力者から逃げるおっさん。
いつものように電車通勤をしていたわけだが、気が付けばまさかの異世界召喚に巻き込まれる。
欲望者から逃げ切って反撃をするか、隠れて地味に暮らすか・・・・
●●●●●●●●●●●●●●●
小説家になろうで執筆中の作品です。
アルファポリス、、カクヨムでも公開中です。
現在見直し作業中です。
変換ミス、打ちミス等が多い作品です。申し訳ありません。
ふしだらオメガ王子の嫁入り
金剛@キット
BL
初恋の騎士の気を引くために、ふしだらなフリをして、嫁ぎ先が無くなったペルデルセ王子Ωは、10番目の側妃として、隣国へ嫁ぐコトが決まった。孤独が染みる冷たい後宮で、王子は何を思い生きるのか?
お話に都合の良い、ユルユル設定のオメガバースです。
【完結】運命さんこんにちは、さようなら
ハリネズミ
BL
Ωである神楽 咲(かぐら さき)は『運命』と出会ったが、知らない間に番になっていたのは別の人物、影山 燐(かげやま りん)だった。
とある誤解から思うように優しくできない燐と、番=家族だと考え、家族が欲しかったことから簡単に受け入れてしまったマイペースな咲とのちぐはぐでピュアなラブストーリー。
==========
完結しました。ありがとうございました。
巣作りΩと優しいα
伊達きよ
BL
αとΩの結婚が国によって推奨されている時代。Ωの進は自分の夢を叶えるために、流行りの「愛なしお見合い結婚」をする事にした。相手は、穏やかで優しい杵崎というαの男。好きになるつもりなんてなかったのに、気が付けば杵崎に惹かれていた進。しかし「愛なし結婚」ゆえにその気持ちを伝えられない。
そんなある日、Ωの本能行為である「巣作り」を杵崎に見られてしまい……
身代わり婚~暴君と呼ばれる辺境伯に拒絶された仮初の花嫁
結城芙由奈
恋愛
【決してご迷惑はお掛けしません。どうか私をここに置いて頂けませんか?】
妾腹の娘として厄介者扱いを受けていたアリアドネは姉の身代わりとして暴君として名高い辺境伯に嫁がされる。結婚すれば幸せになれるかもしれないと淡い期待を抱いていたのも束の間。望まぬ花嫁を押し付けられたとして夫となるべく辺境伯に初対面で冷たい言葉を投げつけらた。さらに城から追い出されそうになるものの、ある人物に救われて下働きとして置いてもらえる事になるのだった―。
溺愛オメガバース
暁 紅蓮
BL
Ωである呉羽皐月(クレハサツキ)とαである新垣翔(アラガキショウ)の運命の番の出会い物語。
高校1年入学式の時に運命の番である翔と目が合い、発情してしまう。それから番となり、αである翔はΩの皐月を溺愛していく。
もう人気者とは付き合っていられません
花果唯
BL
僕の恋人は頭も良くて、顔も良くておまけに優しい。
モテるのは当然だ。でも――。
『たまには二人だけで過ごしたい』
そう願うのは、贅沢なのだろうか。
いや、そんな人を好きになった僕の方が間違っていたのだ。
「好きなのは君だ」なんて言葉に縋って耐えてきたけど、それが間違いだったってことに、ようやく気がついた。さようなら。
ちょうど生徒会の補佐をしないかと誘われたし、そっちの方に専念します。
生徒会長が格好いいから見ていて癒やされるし、一石二鳥です。
※ライトBL学園モノ ※2024再公開・改稿中
夫の色のドレスを着るのをやめた結果、夫が我慢をやめてしまいました
氷雨そら
恋愛
夫の色のドレスは私には似合わない。
ある夜会、夫と一緒にいたのは夫の愛人だという噂が流れている令嬢だった。彼女は夫の瞳の色のドレスを私とは違い完璧に着こなしていた。噂が事実なのだと確信した私は、もう夫の色のドレスは着ないことに決めた。
小説家になろう様にも掲載中です
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる