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9月

128.5お千代さん2 (sideカズマ)  追記

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「本当に優しい人なんだよ、年は20歳違うけど…
ずっと仕事一筋で生きてきたからあんまり恋愛慣れとかしてなくて
昔から働いてる俺の母さんの手助けとかしてくれて、小さい俺が風邪を引いたときとかも見てくれたり、寂しいときとか遊んでくれたりして…

もう家族みたいな感じで、親同士も家族ぐるみの付き合いだから、もう結婚しちゃえばいいんじゃない?って許嫁な感じで……
でも俺の前では可愛いところ見せてくれたりって
わあぁぁぁ!今のなし!!
とにかく、俺は早く学校を卒業して、医師免許取って彼女の病院を手伝いたいんだよ!

それに…子供も欲しいし…
お祖父様から医大合格したら結婚と子作りの許可が出たんだよ!
だからどうしても医大合格したいんだ!!」


っと以前に大変に真面目な惚気け話をされたことがある。
周りは財産目当てなのではっと勘ぐる者もかなりいたらしいが、本人達は至って純愛だ
そんなことから、アキラも必死にお千代さんの医大推薦のために奮闘していたのに…


「まさか、お千代さんの血筋のこと知らなかったなんて……、信じられない!
生徒会役員に選ばれるんだから、それなりのバックがあると思わなかったのですか?
しかも次期院長になる本人に手を出すなんて……あの病院の院長は医師会にもかなりの影響力がありますからね?」


真っ青になって、カタカタと震えている目の前の男に目をやる。
お千代さんが従えて来たのは病院の直属の弁護士二人と彼女さんの秘書だった。


「副院長への暴行の証拠として、こちらの千代丸さんの記憶を読み取らせていただきました。
しっかりと証拠能力があるほど鮮明に覚えておりました!
こちらとしては、正式な謝罪と事実の公表、学園長の退任、相応の慰謝料を求めます。
お受けできない場合は裁判に出させていただきますので」


記憶の読みたりって……お千代さんやるなぁ


魔法で記憶を読み取れば、鮮明記憶の場合は裁判などでも証拠として扱われる。

ただ記憶の読み取れる時期は曖昧なので、その場面だけを読み取れずに、見られたくないプライベートのことも見られてしまうのだ
それこそオナニーの回数からトイレの中まで…
そのため刑事事件ではもちろん被疑者のプライバシーから行われないし、ほとんどの人間が躊躇する。
それをお千代さんはやったわけだ、かなりの覚悟が見える。


「あの状況じゃ、目撃者も望めなかったし、いても学園長が相手なんて証言してもらえないだろう?
俺のプライバシーで彼女の仇が打てるなら安いものだよ!」


おぉ……お千代さん…本当にカッコいいなぁ


「まぁ、カッコいいですね……
副院長の前で赤ちゃん言葉を使って甘えている姿とは大違いですよ!
ははっ…私は許したわけじゃないですからね?
妹がお前がいながら、また傷つけられるようなことがあれば、お前のその首は胴体とさよならになるからな?」


「ふわぁ…ちょっと、お義兄さん……
今はその話は簡便してくださいよ!
カッコつけてるところなんですから……はぁ、恥ずかしいったりありゃしない」


しっかりと見られたくないところは見られたんだね
秘書さんは彼女さんのお兄さんだったか、ご愁傷さまです。
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