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9月
127.消えた (sideカズマ)
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アキラが消えた……
俺がジョン君への質問文やあの人の弱みを探している間に、病室から忽然と消えていた。
病室の引き出しに残されていたのは、生徒会の退会届と学校の退学届で
財布も携帯も何も持たずにアキラは消えていた。
「すいません!あちらの患者の身内の者です。
アキラはどこに?なんでいないんですか?」
病院内をくまなく探してもらって、防犯カメラもチェックしてもらえば信じられない人物がそこにはいて
「ちょっと!なんでこの人が面会に来てるんですか?
誰もとめなかったんですか?アキラに無茶な抑制剤を投与した張本人ですよ?」
俺の抗議に看護婦や責任者と思われるスーツの男性の顔色が青くなる。
「いえ……、あのっ、しかしこの方はあの聖マルクス学園の学園長婦人で……」
「そうですよ!その学園長婦人が自分の息子に致死量になり得る抑制剤を投与したんですよ!
くそっ…どこに連れてかれたんだよ
これっ…無理矢理に書かされたんじゃないよな?
あの人、アキラをどうするつもりだよ!」
俺にできることは、声も聞きたくもないあの男に電話をしてアキラの所在を問いただせば
「俺も今電話をしようと思っていたところだ、彼女は…母さんをどこへ連れて行った?
アキラに会いに行くっと言って病室に行ったっきり帰ってこない
今日夜は大事な会食があるんだ…、彼女がいないと困るんだよ!」
必死な様子からアキラを隠しているとは思えなくて、アキラ……もしかして、お前がやったのか?
「おじいちゃん!アキラとあの女が消えた…あの人も所在がわからないみたいなんだ……
もしも…アキラが母さんを道連れに死ぬなんて考えてたら、どうしたらいい?もう、俺にはどうしたらいいか……」
「カズマ君、落ち着きなさい!
ジョン君はまだ生きてるんじゃよな?
アキラ君はジョン君が生きてる限りは自殺はせんよ……
じゃが、万が一がありえるのう
クソッバカ娘が…、とりあえずカズマ君は足取りを少しでも追ってくれ
ワシはあの役立たずな旦那を締め上げるわい!」
もう泣きたい気持ちで、防犯カメラを見ても病室から出た形跡はないし
転移魔法はあの女もアキラも使えないはずだ
魔力を追跡とかできたらいいけど、そこまでの力は俺にはまだなくて
「クソッ、アキラに言われる通りにもっと勉強してればよかった。
なんで病室から誰もでてこないのに、二人はいなくなったんだよ!」
結局、警察が介入することになっても二人の所在はわからなくて
「本当にわからないんです。私としても大変に困っているんですよ
なぜ、妻と息子はどこかに行ってしまったのでしょうか?
二人は少し揉めていましたが…いえ、些細なことですよ!
あの年頃の反抗期みたいなもので……」
どこがだ!反抗期の息子に致死量の抑制剤を投与することが些細なこと?
アキラはひたすら不眠と食欲不振で苦しんできたことを、あんたは知ってるだろう?
成長も成熟も止まって、ずっとあんたらから逃げることしか考えてなかったアキラが…
そんなアキラがジョン君と恋をしただけじゃないか!
それをあんたらは、反抗だって言うのかよ!!
俺は我慢できずに、刑事と喋るあの男の胸ぐらを掴みかかろうとしたところ、おじいちゃんに肩を掴まれて止められていた。
俺がジョン君への質問文やあの人の弱みを探している間に、病室から忽然と消えていた。
病室の引き出しに残されていたのは、生徒会の退会届と学校の退学届で
財布も携帯も何も持たずにアキラは消えていた。
「すいません!あちらの患者の身内の者です。
アキラはどこに?なんでいないんですか?」
病院内をくまなく探してもらって、防犯カメラもチェックしてもらえば信じられない人物がそこにはいて
「ちょっと!なんでこの人が面会に来てるんですか?
誰もとめなかったんですか?アキラに無茶な抑制剤を投与した張本人ですよ?」
俺の抗議に看護婦や責任者と思われるスーツの男性の顔色が青くなる。
「いえ……、あのっ、しかしこの方はあの聖マルクス学園の学園長婦人で……」
「そうですよ!その学園長婦人が自分の息子に致死量になり得る抑制剤を投与したんですよ!
くそっ…どこに連れてかれたんだよ
これっ…無理矢理に書かされたんじゃないよな?
あの人、アキラをどうするつもりだよ!」
俺にできることは、声も聞きたくもないあの男に電話をしてアキラの所在を問いただせば
「俺も今電話をしようと思っていたところだ、彼女は…母さんをどこへ連れて行った?
アキラに会いに行くっと言って病室に行ったっきり帰ってこない
今日夜は大事な会食があるんだ…、彼女がいないと困るんだよ!」
必死な様子からアキラを隠しているとは思えなくて、アキラ……もしかして、お前がやったのか?
「おじいちゃん!アキラとあの女が消えた…あの人も所在がわからないみたいなんだ……
もしも…アキラが母さんを道連れに死ぬなんて考えてたら、どうしたらいい?もう、俺にはどうしたらいいか……」
「カズマ君、落ち着きなさい!
ジョン君はまだ生きてるんじゃよな?
アキラ君はジョン君が生きてる限りは自殺はせんよ……
じゃが、万が一がありえるのう
クソッバカ娘が…、とりあえずカズマ君は足取りを少しでも追ってくれ
ワシはあの役立たずな旦那を締め上げるわい!」
もう泣きたい気持ちで、防犯カメラを見ても病室から出た形跡はないし
転移魔法はあの女もアキラも使えないはずだ
魔力を追跡とかできたらいいけど、そこまでの力は俺にはまだなくて
「クソッ、アキラに言われる通りにもっと勉強してればよかった。
なんで病室から誰もでてこないのに、二人はいなくなったんだよ!」
結局、警察が介入することになっても二人の所在はわからなくて
「本当にわからないんです。私としても大変に困っているんですよ
なぜ、妻と息子はどこかに行ってしまったのでしょうか?
二人は少し揉めていましたが…いえ、些細なことですよ!
あの年頃の反抗期みたいなもので……」
どこがだ!反抗期の息子に致死量の抑制剤を投与することが些細なこと?
アキラはひたすら不眠と食欲不振で苦しんできたことを、あんたは知ってるだろう?
成長も成熟も止まって、ずっとあんたらから逃げることしか考えてなかったアキラが…
そんなアキラがジョン君と恋をしただけじゃないか!
それをあんたらは、反抗だって言うのかよ!!
俺は我慢できずに、刑事と喋るあの男の胸ぐらを掴みかかろうとしたところ、おじいちゃんに肩を掴まれて止められていた。
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