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9月

119.助けて、千代ちゃん  (side千代丸)

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「千代ちゃん、それじゃあ頑張ってきてね?
……でも寂しいな、またお手紙書くからね」

「うん、俺も寂しい…、でもあと半年もしたら卒業だから
俺!頑張ってくるね?」


二学期に入って、またしばらくあえないから恋人が学校の校門まで送ってくれて、しばしの別れを惜しんでいると


学園長のバカ長い車が急に止まり、黒服たちで俺たちを囲んできた。


「学園長、なんなんですか?この方々は…」

「千代丸君だよね?
こちらの女性は…あぁ…、ははっ、失礼ですが!
ここから学園内部なので、外部の方はお見せできないのですよ?
暗闇ブラインド…」

「キャアア!!何?見えない…!!
何?千代ちゃん!
助けて!目がぁ……!」

「なっ!ふざけないでください!!
今すぐに魔法を解いてください…
この人に危害を加えるなんて…
許しませんからね!」


僕の恋人に目が見えなくなる暗闇ブラインドをかけるなんて!
魔法慣れしていない彼女はパニックを起こしてガタガタ可愛そうなほど震えて、見えない目で必死に俺に助けを求めてすがってくる。


「そんなことを言われてもなぁ…
千代丸君?そういえば…君は生徒会役員だよね?
アキラと特別に誰か親しい人物は知らないかい?」

「はぁ?そんなん知るわけないし…、それよりこの人の魔法を解いてください!
早く…なんでこんなこと!」


アキラの情報が目当てか!
ガタガタ震えて怯える彼女を、大丈夫っと優しく抱きしめて
落ちつかせるが、突然の暗闇に過呼吸を起こしそうなほど怯えている


「はぁ…、そうか知らないか…
それなら仕方ない、学園内部には聞かれてほしくない情報もありますからね?
静寂サイレント

「何?キャアアア…、聞こえない?
千代ちゃん助けて!千代ちゃん、千代ちゃん!!
どこ?わからない、あぁあぁ!!」

「なんてことを!
やめてください!!大丈夫たがら
ここにいる、側にいるから!
ふざけるなよ!いい加減にしてください…こんなことして許されると?」


視覚だけでなく聴覚まで奪われて、突然の暗闇と静寂の中、彼女の恐怖はどれほどか計り知れない!


「反対に許されないとでも?
私を誰だと思っているのかね?
君みたいな一般的な生徒の行末など容易に潰せるのだよ…、私はね?
さぁ、次は触覚を遮ってあげようかな?
ははっ…ここまで感覚を遮られると狂うのも時間の問題だよ?
さぁ……、どうするかね?」

「千代ちゃん、どこ?
わからないよぅ、千代ちゃん!!
怖いぃぃ、あぁあぁ!!」


泣き叫びながら俺の名前を呼んで、必死に目をこすり、手探りで俺にすがりつく彼女を抱きしめながら…
この窮地を脱しようと頭をフル回転するが


「ははっ、残念だよ……可哀想にねぇ
狂ってくれたま……」

「ジョン君です!
……アキラが、今、一番仲がいいのはジョン君です。
だから、お願いします。やめてください!」


耐えられなかった、これ以上彼女を傷つけられるのを見ていられなかった。
例え仲間を売ることになろうとも……





≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈≈


「本当に申し訳ない、どれだけ謝っても許されないよね?
でも…耐えられなかった、彼女を番を傷つけられるのを見ていられなかった!」

千代丸さんの話に言葉を失った。
学園長は、アキラさんの弱みを探るためにそこまでやるのか?
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