118 / 207
9月
117.最悪な日
しおりを挟む
9月の初日は最悪な日だった。
前日におじいちゃんの屋敷から送ってもらって
寮の部屋では、静かに静かにくっつき合ってキスをして、甘い話は耳元でして…
こんな日々だったら、楽勝だし!
密着度が高くて、反対にイイかも!!
なんて楽観的な気分でご機嫌で過ごしてたのに
「始業式が終わったら、ちょっと行ってくるね?
なるべく早く帰ってくるから、あっちになんていたくもないから…
だから、お願い起きて待っててくれるかな?」
そんなことを言って、行ってしまったから…
一緒に行くカズマさんにもお願いしたし、絶対に帰ってくるはずなのに
アキラさんはその日、帰ってこなかった………
「ジョン君!ごめんよ、今すぐ出れるようにして!
アキラが……アキラが、ショック状態になって病院に運ばれた!」
朝方にアキラさんにお願いされたから寝れもしないし、でも帰ってくるわけないしっと
ベッドで不貞腐れ気味にゴロゴロしいたら
カズマさんが突然に部屋に転移魔法で現れて、真っ青な顔でそんなことをまくし立てた。
僕はパジャマを脱ぎ捨てて、適当な服と適当な物をとってカズマさんの転移魔法で病院まで駆けつければ
アキラさんはベッドの上で、酸素吸入器にいくつもの管や機械に繋がれていて、苦しそうに必死に息をしていた。
「なんで?なんでこんなことに?
うぅぅ…、だって朝はあんなに元気だったじゃない!
何をされたの?一体何を入れられたの?」
僕は必死にアキラさんの冷たい手を震える手握って、少しでも温かくなってほしかった…
「おじいちゃんにも聯絡を入れたから、もう少し距離が近くなったら僕の転移魔法で呼びに行くから
ごめんね…、俺じゃアキラを守りきれなかった。
まさか、こんなことになるなんて…」
カズマさんは実家に帰ると、父親である学園長の仕事の手伝いをさせられるらしい
その間はアキラさんは薬を投与されるのだが
今回も普段と変わらず投与されていたのに、バタバタと騒がしい音がするので心配になり駆けつけると
心臓マッサージをされているアキラさんが目に飛び込んできた。
「慌てている医師や看護師に、真っ青な顔で立ち尽くすあの人の顔が忘れられない。
誰一人、救急車を呼んでいなかったんだよ?
バレるからって、違法な投与がバレるからって!
アキラは心臓が止まって死にかけてるのに!!」
いつものカズマさんより感情的で、泣き出しそうな様子から、その切迫感と憤りが伝わってくる。
アキラさんの名前を何度呼んでも、アキラさんからの返事はなくて
僕ができるのはアキラさんの手をひたすらに温めて、ずっと呼びかけるだけで
お願いだよ……アキラさん、死なないで
僕を一人にしないでよ
やっと二人の未来が見えてきたのに、消えてしまわないで……
ずっと体を震わせながら、アキラさんの手を握りしめていた。
前日におじいちゃんの屋敷から送ってもらって
寮の部屋では、静かに静かにくっつき合ってキスをして、甘い話は耳元でして…
こんな日々だったら、楽勝だし!
密着度が高くて、反対にイイかも!!
なんて楽観的な気分でご機嫌で過ごしてたのに
「始業式が終わったら、ちょっと行ってくるね?
なるべく早く帰ってくるから、あっちになんていたくもないから…
だから、お願い起きて待っててくれるかな?」
そんなことを言って、行ってしまったから…
一緒に行くカズマさんにもお願いしたし、絶対に帰ってくるはずなのに
アキラさんはその日、帰ってこなかった………
「ジョン君!ごめんよ、今すぐ出れるようにして!
アキラが……アキラが、ショック状態になって病院に運ばれた!」
朝方にアキラさんにお願いされたから寝れもしないし、でも帰ってくるわけないしっと
ベッドで不貞腐れ気味にゴロゴロしいたら
カズマさんが突然に部屋に転移魔法で現れて、真っ青な顔でそんなことをまくし立てた。
僕はパジャマを脱ぎ捨てて、適当な服と適当な物をとってカズマさんの転移魔法で病院まで駆けつければ
アキラさんはベッドの上で、酸素吸入器にいくつもの管や機械に繋がれていて、苦しそうに必死に息をしていた。
「なんで?なんでこんなことに?
うぅぅ…、だって朝はあんなに元気だったじゃない!
何をされたの?一体何を入れられたの?」
僕は必死にアキラさんの冷たい手を震える手握って、少しでも温かくなってほしかった…
「おじいちゃんにも聯絡を入れたから、もう少し距離が近くなったら僕の転移魔法で呼びに行くから
ごめんね…、俺じゃアキラを守りきれなかった。
まさか、こんなことになるなんて…」
カズマさんは実家に帰ると、父親である学園長の仕事の手伝いをさせられるらしい
その間はアキラさんは薬を投与されるのだが
今回も普段と変わらず投与されていたのに、バタバタと騒がしい音がするので心配になり駆けつけると
心臓マッサージをされているアキラさんが目に飛び込んできた。
「慌てている医師や看護師に、真っ青な顔で立ち尽くすあの人の顔が忘れられない。
誰一人、救急車を呼んでいなかったんだよ?
バレるからって、違法な投与がバレるからって!
アキラは心臓が止まって死にかけてるのに!!」
いつものカズマさんより感情的で、泣き出しそうな様子から、その切迫感と憤りが伝わってくる。
アキラさんの名前を何度呼んでも、アキラさんからの返事はなくて
僕ができるのはアキラさんの手をひたすらに温めて、ずっと呼びかけるだけで
お願いだよ……アキラさん、死なないで
僕を一人にしないでよ
やっと二人の未来が見えてきたのに、消えてしまわないで……
ずっと体を震わせながら、アキラさんの手を握りしめていた。
0
お気に入りに追加
182
あなたにおすすめの小説
【本編完結】溺愛してくる敵国兵士から逃げたのに、数年後、××になった彼に捕まりそうです
萌於カク
BL
この世界には、男女性のほかに第二性、獣人(α)、純人(β)、妖人(Ω)がある。
戦火から逃れて一人で草原に暮らす妖人のエミーユは、ある日、怪我をした獣人兵士のマリウスを拾った。エミーユはマリウスを手当てするも、マリウスの目に包帯を巻き視界を奪い、行動を制限して用心していた。しかし、マリウスは、「人を殺すのが怖いから戦場から逃げてきた」と泣きながら訴える心の優しい少年だった。
エミーユは、マリウスが自分に心を寄せているのがわかるも、貴族の子らしいマリウスにみすぼらしい自分は不似合いだと思い詰めて、マリウスを置き去りにして、草原から姿を消した。
数年後、大陸に平和が戻り、王宮で宮廷楽長として働くエミーユの前にマリウスが現われたが、マリウスには、エミーユの姿形がわからなかった。
※攻めはクズではありませんが、残念なイケメンです。
※戦争表現、あります。
※表紙は商用可AI
運命の息吹
梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。
美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。
兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。
ルシアの運命のアルファとは……。
西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。
白い部屋で愛を囁いて
氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。
シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。
※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。
つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる
沖田弥子
BL
大須賀伯爵家の庭師である澪は、秘かに御曹司の晃久に憧れを抱いている。幼なじみの晃久に子どもの頃、花嫁になれと告げられたことが胸の奥に刻まれているからだ。しかし愛人の子である澪は日陰の身で、晃久は正妻の嫡男。異母兄弟で男同士なので叶わぬ夢と諦めていた。ある日、突然の体の疼きを感じた澪は、ふとしたことから晃久に抱かれてしまう。医師の長沢から、澪はオメガであり妊娠可能な体だと知らされて衝撃を受ける。オメガの運命と晃久への想いに揺れるが、パーティーで晃久に婚約者がいると知らされて――◆BL合戦夏の陣・ダリア文庫賞最終候補作品。◆スピンオフ「椿小路公爵家の秘めごと」椿小路公爵家の唯一の嫡男である安珠は、自身がオメガと知り苦悩していた。ある夜、自慰を行っている最中に下男の鴇に発見されて――
花開かぬオメガの花嫁
朏猫(ミカヅキネコ)
BL
帝国には献上されたΩが住むΩ宮という建物がある。その中の蕾宮には、発情を迎えていない若いΩや皇帝のお渡りを受けていないΩが住んでいた。異国から来た金髪緑眼のΩ・キーシュも蕾宮に住む一人だ。三十になり皇帝のお渡りも望めないなか、あるαに下賜されることが決まる。しかしキーシュには密かに思う相手がいて……。※他サイトにも掲載
[高級官吏の息子α × 異国から来た金髪緑眼Ω / BL / R18]
安心快適!監禁生活
キザキ ケイ
BL
ぼくは監禁されている。痛みも苦しみもないこの安全な部屋に────。
気がつくと知らない部屋にいたオメガの御影。
部屋の主であるアルファの響己は優しくて、親切で、なんの役にも立たない御影をたくさん甘やかしてくれる。
どうしてこんなに良くしてくれるんだろう。ふしぎに思いながらも、少しずつ平穏な生活に馴染んでいく御影が、幸せになるまでのお話。
公爵に買われた妻Ωの愛と孤独
金剛@キット
BL
オメガバースです。
ベント子爵家長男、フロルはオメガ男性というだけで、実の父に嫌われ使用人以下の扱いを受ける。
そんなフロルにオウロ公爵ディアマンテが、契約結婚を持ちかける。
跡継ぎの子供を1人産めば後は離婚してその後の生活を保障するという条件で。
フロルは迷わず受け入れ、公爵と秘密の結婚をし、公爵家の別邸… 白亜の邸へと囲われる。
契約結婚のはずなのに、なぜか公爵はフロルを運命の番のように扱い、心も身体もトロトロに溶かされてゆく。 後半からハードな展開アリ。
オメガバース初挑戦作なので、あちこち物語に都合の良い、ゆるゆる設定です。イチャイチャとエロを多めに書きたくて始めました♡ 苦手な方はスルーして下さい。
きょうもオメガはワンオぺです
トノサキミツル
BL
ツガイになっても、子育てはべつ。
アルファである夫こと、東雲 雅也(しののめ まさや)が交通事故で急死し、ワンオペ育児に奮闘しながらオメガ、こと東雲 裕(しののめ ゆう)が運命の番い(年収そこそこ)と出会います。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる