白いワンコ系αなのに運命の番は、虐待されてる優秀すぎるΩで、なかなか溺愛させてもらえません

8月

113.ホワイト雇い主

「1～3月は働ける匹数が減るんじゃな？なるほど…人間と違って産休と育休が一斉に来るわけか
うん、ゆっくりと体を休めて、元気な子供を産んでおくれ？
何なら産む雌だけじゃなくて、番の雄も育休とればいいじゃろう
こっちの手伝いなんぞ単身者だけでいいわい！」

「えっ？いいんですか？その期間はたぶん討伐数も落ち込みますよ
番の雄達が食料確保に専念できるのは助かりますけど
だいたいその時期は動ける個体数が減るから、いつも群れの食料もジリ貧なんですよ」


おじいちゃんが、ん～っと悩みだして、片手で電卓をカタカタとやりだした。


「その時期が過ぎれば赤子が生まれて個体数は増えていくんじゃよな？
増えれば自ずと討伐数も増えるわな…

よしっ！一つ冷凍倉庫を牙狼達用に作ることにしてやるわい、そこに夏からその時期用にコツコツと備蓄すればいいじゃろう？
それならジリ貧にはならないじゃろうし、子供も安心して育てられるじゃろう？

あとアイテムバッグも一つ貸し出してやるわい、これがあれば獲物も持ち運びやすいじゃろ？
ただし…狩りで獲物が捕れた時は一日に一匹はワシの方に納めるって契約でどうじゃ？

これは投資じゃよ？今はワシが完璧に赤字になるが、今後の牙狼達の働きにワシは期待して金だす。
…どうじゃろうか？」


うわっこれは牙狼達にとって、めちゃくちゃいい契約だ！
冷凍倉庫もアイテムバッグも絶対に小屋を建てるような価格では手に入らない


でもリーダーさんの顔を見ると、ちょっと理解ができないっという顔をしている。
たぶん冷凍倉庫とアイテムバッグの意味がわかっていないのだろう…


僕はとりあえずリーダーさんにアイテムバッグの説明のために、一緒に狩りに同行して使ってみせると


『すごいは、狩りのたびに持って帰れなくて捨て置く獲物もいたのよ、これならしっかりと持って帰れるわね！』



そして冷凍倉庫はおじいちゃんの家の倉庫を見せてもらった。

『寒っ！話には聞いたことあったけど、なるほどここなら食料が傷まなくてすむのね
これがあれば確かに出産の時期も安心して過ごせるは…
狩りのたびに一匹納めても、アイテムバッグがあれば持って帰れる量も増えるし、備蓄もできればトータル的にはすごいプラスだわ！』

うん、このリーダーさんはやっぱり頭がいい牙狼だな！
すぐに理解をしてくれて、契約に同意をしてくれた。


これはもしかして、アレが起きるかもしれないから、おじいちゃんに先に打診しとかないとヤバイかもしれない。


「おじいちゃん、もしかしたら匹数が増えるかもしれないんだけど大丈夫かな？
仲間を呼ぶ遠吠えが始まるかもしれないんだよ…」

「はっ？何じゃそれは？
とりあえず土地はまだあまっとるし、問題はないが…群れはあれだけで終わりなんじゃないのか？」

「群れはあれだけだろうけど、牙狼同士のネットワークがあるんです。
そこで、すごくいい雇い主さんに当たると、遠吠えをして周りの牙狼に知らせるんですよ
そうすると雇い主を探してる牙狼が集まってくるんです。たぶんあのリーダーさんの様子だと…」

ウワォォォ………ウワォォォ……


「あぁ、ほら始まった！
あれは牙狼の本能的になものもあって、喜びの雄叫びと、すごくいい主を見つけたって自慢みたいなものなんですよ
だから止めるわけにもいかないし、これによって群れを大きくさせていくってこともあるんです。」


すごい声量だやぬ！よっぽどおじいちゃんのこと気に入ったんだろうな…