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8月

110.あなたの独占欲

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僕が嫌な緊張で、背中に汗を伝わせて固まっていると


「ジョン君は、僕の恋人だから!手を出さないでください!!
絶対に渡さないんだから!」


アキラさんが声高らかに叫んでくれた。


堅い表情で、真剣な顔で僕に必死に飛びつくように首に手を回して抱きつくと、あらん限りの大きな声で、叫んでくれた。


もうっ僕は驚くし、嬉しいし、可愛いし、毛がブワってなって
そのまま抱き締め返して、尻尾を振りまくっちゃうよね!!!


『はぁ……何よ、そのΩオメガが受け入れてないのかと思って、もしかしたらって思ったけど
一番楽しい時期ってとこなのね?ハイハイ、さっさと番いなさいよ…紛らわしい』


うん、リーダー牙狼さんが吐き捨てるようにそっぽを向いていく。周りの取り巻き達もハイハイって感じでリーダーを慰めている。
すいませんねぇ、そうなんです!幸せで楽しい時期なんですよ!!


「ん~?なんか別に牙狼達って戦意が有るわけじゃないのかの?
なんかワイワイ言っとるが、通訳をお願いできんかの?」


僕が皆さんに大体の内容を話していくと…、アキラさんは真っ赤になってうずくまっちゃうし
カズマさんは真っ赤になって口を抑えて笑うの堪えてるし
おじいちゃんと田中さんはアキラさんをそれはそれは温かい目で見つめていた。


「くっ…ぷっ……アキラが勘違いして、渡さないんだから!って……ぷぷっ
よかったね、ジョン君!
アキラが…あのアキラが……独占欲丸出し…プハァ、アハハッ!ムリ!!笑えるしぃ」

「カズマ!煩いなぁ!!
もう……黙ってて、今恥ずかしくて死んじゃいそうなの!
うわぁ…もう、僕はジョン君を力尽くでも連れてくのかと思って
だって、そんな親戚の野次みたいなこと言ってるとか思わなかったんだよ!!」


「エヘヘッ、僕は嬉しぃです。
たぶん、あのリーダー牙狼さんも僕自身にそれほど固執してる感じは見えないから
本当は別件で来たんじゃないかな?ですよね?」


伏せの状態で待ってくれているリーダーさんに話しかければ、ぐるるっと返事をしてくれる。
僕が話を聞いてみると…あぁなるほどね


「おじいちゃん、この牙狼達は雇ってほしいみたいですよ?
リーダーさんは人語は話せないけど、聞くことはできるみたいです。
最近ここら辺に来たみたいで、働き口を探してて、それでおじいちゃんの屋敷を見つけたって
僕には交渉役してほしいみたいです」


「牙狼を雇うじゃと?
ワシは牙狼は使役したことないじゃが…どんな感じなんじゃ?
とりあえず話だけ聞かせてもらっていいかのう?」


牙狼は昔から人間に使役されてきたけど、使役されていないと討伐対象になってしまって冒険者達に狙われてしまう
牙狼にとって、一番恐ろしいのは冒険者だから、誰かに使役されているっという状況が欲しいのだ


「なるほど、必要なものは住む場所の提供と使役してるっという証なのじゃな?」


「そうです。場所は小屋みたいなのを建ててあげれば大丈夫ですけど、働きのいい牙狼とかには専用の小屋とか他にもご褒美をあげるとやる気が上がったりします
まぁ、野宿とかも普通にするので最初は掘っ立て小屋で様子を見たらいいかと
証は首輪が一般的かな?

牙狼は魔石とかはいらないから取ってきますし、討伐部位とかも言っておけば持ってきます。
前の雇い主は服とかと交換してくれたり、いるものを言えば用意して交換してくれたから助かりました。
力があるから荷物の運搬とか、畑仕事は果実の収穫とかなら手伝えますよ。」


おじいちゃんが、少し難しい顔をして考えだした。何かまずいことがあったかな?
双方か悪い話ではないと思うんだけど
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