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7月後半
77.毒出しの始まり
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「なんでこんなんになったんじゃろうなぁ?
今までワシがしてきたことは……いやイイ…そうじゃな、仕方のないことなんじゃろ……」
おじいちゃんの顔が居たたまれなくて見れない
机に頭を抱えて突っ伏すしかなくて…
アキラさん…なんであなたはそんなに…
あの日の午後からシノダ教授が、緑色の絶対に飲みたくないってくらいドロッとした臭い液体を用意して
アキラさんがめちゃくちゃ嫌そうな、でも諦めた顔でそれを一気に飲み干した。
すぐにシノダ教授がアキラさんの腕に点滴を入れて、アキラさんはその間にも青白い顔になっていき息が荒くなっていく…
その後はひたすらに嘔吐していた。
見てて辛くなるくらいに吐いて、もうとっくに出すものもないのに胃液すらでないのに吐き気だけがあるようで…
「………ごめんね…こんな姿……見苦しいでしょ?」
「そんなこと言わないでくださいよ…
あなたは必死に戦ってるんじゃないですか?
見苦しくなんかないですよ」
弱々しくてもこのときまでは、なんとか笑顔が作れてた…
でも吐き気が治まると額に汗が吹き出て呻き声を噛み殺しだす。
「よし、第二段階まで問題なくいけたね…関節とか骨や筋肉から薬を引き剥がしているから…全身に激痛が走ってるんだよ
今晩はひたすらこんな感じだから…
悪いけど僕は今後のために休ませてもらうね?
ジョン君がアキラ君を看てくれるんだよね?何かあったらこれですぐに連絡入れてね!
どんな小さなことでも必ず入れてね!
ジョン君が辛くなったらギルマスにすぐに代わってもらうんだよ?
いいかい?長丁場だからね、無理はしないこと!」
トランシーバーを渡されて、シノダ教授とおじいちゃんはアキラさんを痛々しい目線を送りながら部屋から出ていった。
部屋にはもう辛そうに呻くアキラさんと僕だけで、僕はアキラさんのベッドの横に膝をついてアキラさんと同じ高さになるように顔をベッドにつける。
「アキラさん……ちゃんと僕はココにいますからね?」
耐えるように目を閉じていたアキラさんがうっすら目を開けて、ゆるりと瞬きをする
何かを話そうとしたようで、唇を動かして息を吸うけど呻き声になっていった…
「今はしゃべらないでください、……抱きしめていいんですか?
今は体中が痛いんでしょう?」
アキラさんの瞳がゆるりっと嬉しそうに垂れていく…
僕は肯定と受け止めて、最大限優しくアキラさんを抱きしめていく。
重くならないように…きつくならないように……
アキラさんが身じろぐような動きをしたので、腕が重かったかと浮かせると…更にモゾリっとちいさく身じろぐ
あぁ違った……腕を戻して、抱きしめる力を強くしていく。
はぁっと嬉しそうな安堵のため息を漏らして、僕の胸の中で小さく身じろぐ…
これは、アキラさんが僕にすり寄ろうとしてくれてるんだ……
「あなたはこんな時でも僕を喜ばせてくれるんですね?
大丈夫ですよ…ちゃんと、側にいますからね?」
今までワシがしてきたことは……いやイイ…そうじゃな、仕方のないことなんじゃろ……」
おじいちゃんの顔が居たたまれなくて見れない
机に頭を抱えて突っ伏すしかなくて…
アキラさん…なんであなたはそんなに…
あの日の午後からシノダ教授が、緑色の絶対に飲みたくないってくらいドロッとした臭い液体を用意して
アキラさんがめちゃくちゃ嫌そうな、でも諦めた顔でそれを一気に飲み干した。
すぐにシノダ教授がアキラさんの腕に点滴を入れて、アキラさんはその間にも青白い顔になっていき息が荒くなっていく…
その後はひたすらに嘔吐していた。
見てて辛くなるくらいに吐いて、もうとっくに出すものもないのに胃液すらでないのに吐き気だけがあるようで…
「………ごめんね…こんな姿……見苦しいでしょ?」
「そんなこと言わないでくださいよ…
あなたは必死に戦ってるんじゃないですか?
見苦しくなんかないですよ」
弱々しくてもこのときまでは、なんとか笑顔が作れてた…
でも吐き気が治まると額に汗が吹き出て呻き声を噛み殺しだす。
「よし、第二段階まで問題なくいけたね…関節とか骨や筋肉から薬を引き剥がしているから…全身に激痛が走ってるんだよ
今晩はひたすらこんな感じだから…
悪いけど僕は今後のために休ませてもらうね?
ジョン君がアキラ君を看てくれるんだよね?何かあったらこれですぐに連絡入れてね!
どんな小さなことでも必ず入れてね!
ジョン君が辛くなったらギルマスにすぐに代わってもらうんだよ?
いいかい?長丁場だからね、無理はしないこと!」
トランシーバーを渡されて、シノダ教授とおじいちゃんはアキラさんを痛々しい目線を送りながら部屋から出ていった。
部屋にはもう辛そうに呻くアキラさんと僕だけで、僕はアキラさんのベッドの横に膝をついてアキラさんと同じ高さになるように顔をベッドにつける。
「アキラさん……ちゃんと僕はココにいますからね?」
耐えるように目を閉じていたアキラさんがうっすら目を開けて、ゆるりと瞬きをする
何かを話そうとしたようで、唇を動かして息を吸うけど呻き声になっていった…
「今はしゃべらないでください、……抱きしめていいんですか?
今は体中が痛いんでしょう?」
アキラさんの瞳がゆるりっと嬉しそうに垂れていく…
僕は肯定と受け止めて、最大限優しくアキラさんを抱きしめていく。
重くならないように…きつくならないように……
アキラさんが身じろぐような動きをしたので、腕が重かったかと浮かせると…更にモゾリっとちいさく身じろぐ
あぁ違った……腕を戻して、抱きしめる力を強くしていく。
はぁっと嬉しそうな安堵のため息を漏らして、僕の胸の中で小さく身じろぐ…
これは、アキラさんが僕にすり寄ろうとしてくれてるんだ……
「あなたはこんな時でも僕を喜ばせてくれるんですね?
大丈夫ですよ…ちゃんと、側にいますからね?」
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