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7月前半

54.二人の答え

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「とりあえず二人とも落ち着きなさい!
ジョン君はちゃんとアキラ君に自分達のこと話したか?
先に説明せんと、アキラ君もお前さんがなんで自分に執着するかわからんじゃろう?
アキラ君もそう頭から無理だって決めつけてないで、少しは考えてみたらどうじゃ?
初めて好きになれたんじゃろう?
この機会を大事にしなさい!」


そうだった…受け入れられない理由がびっくりしすぎて説明してなかった。
アキラさんを見ると、バツが悪そうにこっちを見ている。




「アキラさん、僕にはアキラさんから甘い花のようないい匂いするんですよ
その匂いを嗅ぐと堪らない気持ちなるんです……
入学式のときからそうなんです。

あなたのことを初めて会ったときからずっと好きだった。
あなたは僕の運命の番なんです!
僕はもうあなたしか愛せないし、あなたしかいらない」


僕の言葉にアキラさんが限界なほど目を見開いて驚いている。


「えっ?運命の番って……アレだよね?UMAユーマレベルのアレだよね?
えっ?っというか本当にいるの?」


さすがにUMAユーマレベルよりはいると思いますよ?
アキラさんの中で運命の番は、ツチノコとかと同じレベルに信じてなかったんですね


「えっ?だって、僕の運命の番なんて…本当に?その匂いはアレとかじゃないの?
ジョン君が蓄膿症とか、僕がなんか独特の臭いを発してるワキガとか、直前に甘いもの食べて体から糖分でてたとかじゃないの?」


アキラさん…僕は鼻がめちゃくちゃいいですし、ワキガでその匂いしてたらびっくりです。
あと糖分でてたらすぐに病院行ってください!糖尿病です。


「だって…だって…僕なんかの運命の番なんて、そんなっ……ジョン君が……可哀想すぎる……」


見るも哀れな者のような目で見てきた!
あなたは自分をなんだと思ってるの?化け物かなんかだと思ってるの?


「可哀想じゃないですよ!アキラさんは優しいし、頭いいし、素敵な人ですよ!
なんか・・・なんて……
そんな風に僕の好きなアキラさんのこと言わないでくださいよ!!」


ついカッとなって出た言葉に、アキラさんが顔を真っ赤にしながら困った顔をしてくる。
あぁ……うぅ……って言葉に詰まりながら何かをすごく悩んでいる。
 

「アキラ君や……もうこれは、お前さんの負けじゃないか?
好きな相手に、ここまで真っ直ぐ口説かれたら断れんじゃろう?

アキラ君はジョン君に危険が及ぶかもとか、ジョン君の血を絶やすかもとか、どうせ考えてるんじゃろう?

はっ無駄じゃよ!ジョン君はそんなこと気にもしないし、反対にお前さんのために首を突っ込んでくるぞ?
それよりお互い少しでも分かり合う努力したらどうじゃ?」


アキラさんが諦めたように、はぁぁっと大きな溜め息をついて、僕を苦笑いの表情で見てくる。


これはもしかして……付き合ってくれるの?


もう僕の中でファンファーレが鳴り響いている!
尻尾なんてバッサバッサ振れているし!
もう止める気もありませんから!!


「っっっはぁ…本当にジョン君は可愛いから、困る……
はぁ………でもジョン君の全部を受け入れたら僕は……死ぬだろうなぁ」


アキラさんの呟きにおじいちゃんが固まったのを感じた!
アキラさんいいですからね?
無理に受け入れないでいいですからね?
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