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7月前半
51.後生じゃから
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「運命の番か……
その匂いはずっとしとるのか?
今もしとるで間違いないのか?」
「体調が悪いときとかは匂いが薄くなります。
一昨日のアキラさんが帰省した夜なんてまったくしなくて、すごく焦りました…
今も少ししかしないかな?一昨日よりはずっとマシだけど」
あれ?蹴り出されないのかな?
もしかして信じてもらえたの?
女学生が私達は運命の番~っとか言ってすぐに別れるみたいなお決まりのフレーズなのに?
信じてもらえたことに驚いてしまう…
「ははっこれは…奇跡に近い幸運じゃな……
ジョン君や!お前さんを信じるし、お前さんを全面的にバックアップする!
アキラくんは…この子は本当に大変な子じゃが……
頼むから、幸せにしてやって欲しい……
アキラ君はお前さんを運命の番だとは認識できんかもしれんが…」
おじいちゃんは僕の膝で寝息をたてるアキラを哀れそうな、痛ましそうな目で見下ろす。
「信じてもらえるんですか?運命の番なんて、突拍子もない言葉を…」
「こうやってジョン君の膝ならこの子は寝られるのじゃろう?
今までは危ないことも不安もないはずのワシの屋敷ですら、アキラ君はまともに寝られなかったんじゃよ…
それが十分すぎる証拠じゃよ
たぶん認識はできなくても、体は求めてるんじゅろうな…」
求めてくれてるの?僕を?
よく寝れるのは、僕の毛とかのせいじゃないの?
体温高いから電気毛布の替わりかと思ってた……
「僕はずっと側にいるつもりです
どんなことをしても、でも僕にはアキラさんの気持ちがわからない……
一昨日の夜にアキラさんが好きだって言ってくれたけど
でも実感も何も感じられない……
こんな不安ばかり募って
僕も初めてなんです。
こんな気持ち……」
今までの人達からは、僕への欲求が確かに感じられた
αの僕は何もしなくても求められたし、それに僕は何も考えずに応えるだけだった…
これはそんな付き合いしかしてこなかった僕への報いなのかな……
「僕は初めて本気で人を好きになったんだと思います。
最初はすぐに受け入れられるって、僕から離れられないようにしてやるって思ってた。
そんな馬鹿みたいな自信ばかりあったのに…
今はアキラさんの側にいることに必死な僕がいる。
アキラさんの一言で気分がジェットコースターみたいに上下する……
今の僕はすごく情けない」
「そうじゃな、αとしては情けない姿かもしれんな
じゃがワシの立場から見て、アキラ君の相手としては望ましい姿じゃよ!
この子がジョン君を受け入れるのは難しいかもしれない
じゃが側にいてやってくれ……
たぶん、アキラ君が恋愛感情として人を好きになれる可能性があるのは…
ジョン君…お前さんが最初で最後じゃと思うんじゃよ
お前さんには苦労をかけるじゃろうし、酷なことかもしれんが…
後生じゃから…この子の側にいてやってくれ……」
おじいちゃんが深々と頭を下げた。
「えっ……ちょっとやめてください!
僕はそんなにお願いされなくても、アキラさんから離れる気はないし…
アキラさんが逃げない限りずっと付きまとうつもりですし
そんなこと言ったら僕だって牙狼だし…いろいろ生きていく上で制限があるし…
アキラさんをそんなに…卑下するのはやめてください!」
「そうじゃな、すまなかった、ジョン君は本当にアキラ君のことを思ってくれてるんじゃな……」
「それに僕…アキラさん以外に勃たなくなっちゃったし…」
おじいちゃんは僕の言葉に、絶望的な心底哀れ!っという顔で見つめてきた……
その匂いはずっとしとるのか?
今もしとるで間違いないのか?」
「体調が悪いときとかは匂いが薄くなります。
一昨日のアキラさんが帰省した夜なんてまったくしなくて、すごく焦りました…
今も少ししかしないかな?一昨日よりはずっとマシだけど」
あれ?蹴り出されないのかな?
もしかして信じてもらえたの?
女学生が私達は運命の番~っとか言ってすぐに別れるみたいなお決まりのフレーズなのに?
信じてもらえたことに驚いてしまう…
「ははっこれは…奇跡に近い幸運じゃな……
ジョン君や!お前さんを信じるし、お前さんを全面的にバックアップする!
アキラくんは…この子は本当に大変な子じゃが……
頼むから、幸せにしてやって欲しい……
アキラ君はお前さんを運命の番だとは認識できんかもしれんが…」
おじいちゃんは僕の膝で寝息をたてるアキラを哀れそうな、痛ましそうな目で見下ろす。
「信じてもらえるんですか?運命の番なんて、突拍子もない言葉を…」
「こうやってジョン君の膝ならこの子は寝られるのじゃろう?
今までは危ないことも不安もないはずのワシの屋敷ですら、アキラ君はまともに寝られなかったんじゃよ…
それが十分すぎる証拠じゃよ
たぶん認識はできなくても、体は求めてるんじゅろうな…」
求めてくれてるの?僕を?
よく寝れるのは、僕の毛とかのせいじゃないの?
体温高いから電気毛布の替わりかと思ってた……
「僕はずっと側にいるつもりです
どんなことをしても、でも僕にはアキラさんの気持ちがわからない……
一昨日の夜にアキラさんが好きだって言ってくれたけど
でも実感も何も感じられない……
こんな不安ばかり募って
僕も初めてなんです。
こんな気持ち……」
今までの人達からは、僕への欲求が確かに感じられた
αの僕は何もしなくても求められたし、それに僕は何も考えずに応えるだけだった…
これはそんな付き合いしかしてこなかった僕への報いなのかな……
「僕は初めて本気で人を好きになったんだと思います。
最初はすぐに受け入れられるって、僕から離れられないようにしてやるって思ってた。
そんな馬鹿みたいな自信ばかりあったのに…
今はアキラさんの側にいることに必死な僕がいる。
アキラさんの一言で気分がジェットコースターみたいに上下する……
今の僕はすごく情けない」
「そうじゃな、αとしては情けない姿かもしれんな
じゃがワシの立場から見て、アキラ君の相手としては望ましい姿じゃよ!
この子がジョン君を受け入れるのは難しいかもしれない
じゃが側にいてやってくれ……
たぶん、アキラ君が恋愛感情として人を好きになれる可能性があるのは…
ジョン君…お前さんが最初で最後じゃと思うんじゃよ
お前さんには苦労をかけるじゃろうし、酷なことかもしれんが…
後生じゃから…この子の側にいてやってくれ……」
おじいちゃんが深々と頭を下げた。
「えっ……ちょっとやめてください!
僕はそんなにお願いされなくても、アキラさんから離れる気はないし…
アキラさんが逃げない限りずっと付きまとうつもりですし
そんなこと言ったら僕だって牙狼だし…いろいろ生きていく上で制限があるし…
アキラさんをそんなに…卑下するのはやめてください!」
「そうじゃな、すまなかった、ジョン君は本当にアキラ君のことを思ってくれてるんじゃな……」
「それに僕…アキラさん以外に勃たなくなっちゃったし…」
おじいちゃんは僕の言葉に、絶望的な心底哀れ!っという顔で見つめてきた……
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