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7月前半

49.終業式

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アイスはとりあえず小さな氷瀑結界をかけておいたら


「えっすごい…今の無演唱だったよね?
結界を無演唱ってすごいよ…
ジョン君って魔法もかなりの腕前なの?」


「でもこんなに小さな結界ですよ?
これくらいなら普段から使ってたから…
ほらっ僕が暮らしていたところは電気とかないし、冷蔵庫とかもなかったから
日常魔法みたいなものですよ
反対に闇系の魔法は使えませんよ、あんまり使い所ないから」


驚いた顔のままアキラさんが食い気味に僕の手をガシりっと掴まれた…
えっ?何?怖い……襲われそう


「ちょっと待って、闇系ってなに?他のもはいける感じなの?
あっでも……くっわかったとりあえず、これも……うぅ気になる」


とりあえず火と水と土と電と光はイケる…風は演唱がいる、夏の暑い時期に風を起こすくらいしか使ってなかったから


でもアキラさんが辛そうにしながら、手をストップという感じに出している。
これも明日の夜までお預けですか?




僕はとりあえず自分の服を畳んでカバンに詰めていった。
ちょっとカッチリした黒ズボンと白シャツは行くときに着ていくとして
他のは本当にラフなものにしたけど……
いいのかな?





次の日の終業式
アキラさんはまだ熱が下がってないのに、きっちりと生徒会役員の制服に身を包み壇上に座っている。


背筋を伸ばし無表情のその様子からは、体調の悪さなど感じられないけど…
本当は直前まで生徒会室のソファで横になっていた。


学園長の長い話にイラつく
意味のない話は早く終わって欲しい
アキラさんを横にさせてあげたい……


結局は昨日のご飯はアイス以外はお昼に野菜スープを少しと、夜はゼリーを食べただけで

今日の朝なんて白湯を飲んだだけ……
白湯って!カロリー零の極みだよ?

そんなフラフラの状態なのにアキラさんは終業式を休むななんて選択肢にもなくて

「生徒会役員が終業式に出ないなんてダメでしょ?
僕は座ってるだけだから平気だよ?」


っていうけど……僕は寝ててほしい!
僕の手の中で抱きしめられながら寝ててほしい!!


早く終われ~っと念を送りながら睨んでいると、やっと無意味に長い話が終わって
生徒会長カズマさんが終業式の締めの言葉を述べる。


「聖マルクス学園生徒として、節度ある夏休みを送るように!以上!!」


さすがですカズマさん!
絶対にアキラさんのために秒で終わらせたんだ
アキラさんを立ち上がらせるのにも手を引いてる。


それにしても二人とも見た目がいいからすごく絵になる。
あの二人の普段の様子を知っている僕ですらちょっと妬けるほどに絵になるのだ


……そりゃアキラさんがカズマさんの遊び相手に恨まれるよね


でもカズマさんは僕とアキラさんの関係を応援してくれてる気がする。
昨日の夜も僕の部屋にアキラさんを送ってくれたし…僕をアキラさんの護衛にと推したのもカズマさんだ


カズマさんがアキラさんを思っていることは確かで、それはブラコンって言われてもおかしくないレベルなのに……
カズマさんは僕に何を期待してるんだろう?



終業式が終わり生徒会室に着くと


「はいっこれ、アキラとジョン君の荷物ね?
悪いけど勝手に部屋から持ってきといた、なんか終業式が終わったらあの人が迎えにくるって言ってたからさ

家族皆で食事をしましょうってさ…
何を企んでるんだか……、嫌だろ?
早くおじいちゃんとこに行っちゃいなよ…急いで!来ちゃったら面倒だから

おじいちゃんには伝達魔法で連絡いれて裏門で待ってもらってるから」


カズマさんの言葉に、アキラさんの体が強張ったのを感じた。
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