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5月
17.悲しい帰り道
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「本当はもっと綺麗なんだ、小さい弱い光の星とか、いっぱいあって
空ももっと暗いけど吸い込まれそうな感じで…
また見たいな
でも……
無理だよね………」
もう、僕が暮らしていた場所には戻れない
僕の体にはGPSがあって、僕の魔獣であることが移動すら制限されていて
たぶん僕の将来は決まっている、牙狼の地位向上に、学園長にいいように使われるんだ…
自分の置かれている状況なんてずっとわかってたのに、それでもまだ前の生活が懐かしくて
焦がれてしまって………
プラネタリウムのリクライニングしている椅子に座りながら呟く声は、ひどく弱々しくて
自分の声じゃないようだった…
「はぁ、ジョン君も……
本当にαってなんで皆そうなの?」
僕の弱々しい言葉に盛大に溜め息をついて、アキラさんは僕を見下ろしている
まるで嫌気が差したような物言いにサッと血の気が引いた
やばい、せっかくアキラさんが僕のためにプラネタリウムに連れてきてくれたのに…
僕は本当の星空とは違うなんて文句ばかり言って
怒らせてしまったんだ
「あの、ごめんなさい、僕、あの……」
「もういいよ、寮に帰るよ、急いで」
アキラさんは何か考えているように、僕の方なんて見ないで言い捨てた
僕はやってしまったんだ…
その後は来たときとは違って、まったく楽しくない帰り道で、握られてる手がなかったら、僕の気持ちはどこまでも沈んでいってしまいそうで…
僕は命綱のようにアキラさんの手を握りしめていた
寮に着くと無言で部屋に戻ってしまったアキラさんの所に行けるわけもなく
僕はただ部屋で俯いていた
きっとあの物言いが正にαっという感じに聞こえたんだ
傲慢で、高飛車で…
せっかく喜ぶと思って連れてきたのに、違うって文句を言われたら
……そりゃ嫌な気持ちになるだろう
どうやって謝ろうっと泣きそうな気持ちで考えていると
バタンッ!
っと扉が開いて
アキラさんが入ってきた、さっきまでの可愛らしい雰囲気の服ではなくて
カーキ色のズボンにしっかり目の明るい茶色のブーツ
焦げ茶とクリーム色のツートンウィンドブレーカー、頭にはなぜか灰色のニット帽…
ちょっとさっきよりは地味な出で立ちのアキラさんは、なんだか大きめなリュックを持っている
「はい!ジョン君、時間ないから行くよ!!」
えっ?どこに!?
驚いて固まる僕を尻目に、アキラさんは早く早く!っと急かしてくる
そこから言われるがまま準備をさせられて、アレヨアレヨと電車からのバスに乗せられて
来た先は山の中で……ここはどこ?状態!
えっ?でも僕は牙狼で魔獣で移動するのには許可とかいるし
たぶんこの移動距離はアウトだ!
寮や学校の外出許可は?
明らかに今から帰っても寮の門限やぶることになるよね?っとオロオロする僕に……
「大丈夫!僕の生徒会役員権限をフルに活用して全部とりました!!」
うぇ~アキラさん頼もしぃ~
まさかここまで行動力がすごい人だとは思っていなかった…
薄暗い山道をアキラさんと登っていく、はぐれないようにしっかりと手を握りながら…
アキラさんの手の温もりが、今度は道標みたいに僕を安心させてくれた。
空ももっと暗いけど吸い込まれそうな感じで…
また見たいな
でも……
無理だよね………」
もう、僕が暮らしていた場所には戻れない
僕の体にはGPSがあって、僕の魔獣であることが移動すら制限されていて
たぶん僕の将来は決まっている、牙狼の地位向上に、学園長にいいように使われるんだ…
自分の置かれている状況なんてずっとわかってたのに、それでもまだ前の生活が懐かしくて
焦がれてしまって………
プラネタリウムのリクライニングしている椅子に座りながら呟く声は、ひどく弱々しくて
自分の声じゃないようだった…
「はぁ、ジョン君も……
本当にαってなんで皆そうなの?」
僕の弱々しい言葉に盛大に溜め息をついて、アキラさんは僕を見下ろしている
まるで嫌気が差したような物言いにサッと血の気が引いた
やばい、せっかくアキラさんが僕のためにプラネタリウムに連れてきてくれたのに…
僕は本当の星空とは違うなんて文句ばかり言って
怒らせてしまったんだ
「あの、ごめんなさい、僕、あの……」
「もういいよ、寮に帰るよ、急いで」
アキラさんは何か考えているように、僕の方なんて見ないで言い捨てた
僕はやってしまったんだ…
その後は来たときとは違って、まったく楽しくない帰り道で、握られてる手がなかったら、僕の気持ちはどこまでも沈んでいってしまいそうで…
僕は命綱のようにアキラさんの手を握りしめていた
寮に着くと無言で部屋に戻ってしまったアキラさんの所に行けるわけもなく
僕はただ部屋で俯いていた
きっとあの物言いが正にαっという感じに聞こえたんだ
傲慢で、高飛車で…
せっかく喜ぶと思って連れてきたのに、違うって文句を言われたら
……そりゃ嫌な気持ちになるだろう
どうやって謝ろうっと泣きそうな気持ちで考えていると
バタンッ!
っと扉が開いて
アキラさんが入ってきた、さっきまでの可愛らしい雰囲気の服ではなくて
カーキ色のズボンにしっかり目の明るい茶色のブーツ
焦げ茶とクリーム色のツートンウィンドブレーカー、頭にはなぜか灰色のニット帽…
ちょっとさっきよりは地味な出で立ちのアキラさんは、なんだか大きめなリュックを持っている
「はい!ジョン君、時間ないから行くよ!!」
えっ?どこに!?
驚いて固まる僕を尻目に、アキラさんは早く早く!っと急かしてくる
そこから言われるがまま準備をさせられて、アレヨアレヨと電車からのバスに乗せられて
来た先は山の中で……ここはどこ?状態!
えっ?でも僕は牙狼で魔獣で移動するのには許可とかいるし
たぶんこの移動距離はアウトだ!
寮や学校の外出許可は?
明らかに今から帰っても寮の門限やぶることになるよね?っとオロオロする僕に……
「大丈夫!僕の生徒会役員権限をフルに活用して全部とりました!!」
うぇ~アキラさん頼もしぃ~
まさかここまで行動力がすごい人だとは思っていなかった…
薄暗い山道をアキラさんと登っていく、はぐれないようにしっかりと手を握りながら…
アキラさんの手の温もりが、今度は道標みたいに僕を安心させてくれた。
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