上 下
9 / 207
4月

8.初日に護衛の仕事が

しおりを挟む
アキラさんは3年Aクラス
カズマさんとダークさんと一緒のクラスのはずだ


あの体でAクラスはすごいと思う
クラス判定は体育の成績も含まれる。
とても運動が得意そうには見えなかった。下手したら授業に出られているかも怪しい



千代丸さんは三年生に上がる時にBクラスに落ちたらしい…
あの人は頭もどうやら筋肉寄りらしい…





そのクラスでアキラさんが囲まれている、険悪なムードで…


「無視してんじゃねぇぞ?
今日はカズマ様もお守りのダークさんもいないもんな?
はっ、この際だから言わせてもらうけどムカつくんだよ!

なんでお前みたいなΩオメガ風情が偉そうにカズマ様を注意してんだ?
実の兄だからって調子のんなよ!」



アキラの机を叩きながら体格のいい男が吠える、あまりに大きな声で廊下の外まで聞こえた、僕は扉が壊れる勢いで開けるが
机の両脇にも取り囲むように男が二人いてアキラさんの姿が見えない!


驚いた表情でクラス中がこっちを見てくるが知ったことではない…
アキラさんは怯えていないだろうか?
泣いていないだろうか?



クソッ、長いホームルームなんてブッチして早く迎えに来るべきだった…


「通してくれないかな?
ジョン君が迎えにきてくれたんだけど…これじゃあ通れないよ?」


ものすごく冷静な声がした…
たぶんここにいる中で一番冷静だ…


「クソが、いいか!お前なんか誰も生徒会として認めてないからな!
生徒会のお荷物か、カズマ様のペットとしてしか見られてないんだからな?」


その言葉に冷たい視線がその一角に注がれる…
なんなの?肯定だっていうの?


「それは貴重なご意見どうも!
悪いけど午後からの活動があるんだよ…邪魔しないでもらえる?」


どこまでも冷静な物言いに、真ん中の男がついに切れて拳を振り上げたが…


「この腕はどうするつもりですか?
アキラさんを殴る気じゃないですよね?
さすがの先輩でもそれは許せませんねぇ…」


振り上げた腕を掴んで握りしめる、骨がギシギシ言ってるが知ったことじゃない…
ヒィィっと無様な悲鳴を上げてるが、どうしよう?このまま折るか?
さっきの威勢から比べて、無様すぎてイラッとする…


「ジョン君、やめて!生徒会活動が遅くなる
ほら、離してあげてよ…君達もいい加減に僕に絡むのやめてくれ…」


溜息をつきながら、大変に迷惑そうにアキラさんが言う…
もちろん従うさ!僕の中でアキラさんへの返事はハイかYESしかないのだ


憎々しげに睨む男達の脇を通り過ぎて、アキラさんは僕を連れて教室を出た






「すいません、僕が迎えが遅くなったばかりに…
あんなやつに絡まれて」

「何言ってるの?
ホームルームやってからすぐに来てくれたんでしょ?
ジョン君が謝ることじゃないよ?」


でも朝よりアキラさんの雰囲気がピリピリしている


「次からホームルームさぼって…」


「駄目でしょ?生徒会は生徒の模範にならないといけないよ!
サボるなんて以ての外!!」


「じゃあ終わり次第走ってきます!僕すごく足が早いから!!」


「廊下は走っちゃだめなんだよ?
転んだら怪我するし、人とぶつかると危ないからね?」


うぅ…どうしろと……
飛び級か?めちゃくちゃ勉強してまさかの入学早々の飛び級を狙うのか?
できるのかな?


「ふふっ何か無謀なこと考えてる?
あんなのに絡まれるのは慣れてるから大丈夫だよ

それより最後のはダメ!手を掴むまではいいけど握り締めて………ちょっと折ろうとか考えてなかった?」


………バレてた、だってムカついたから
でもちょっと笑ってくれた
ピリピリしていた雰囲気が和んだ


「絶対に駄目だよ!掴むまでは危険回避で正当防衛だけど、あそこで折ったら過剰防衛だ!
ジョン君が処罰されちゃう…
処罰対象者になったらジョン君は生徒会にいられなくなるよ?」


「はい、すいませんでした……」


生徒会にいられないのは困る、アキラさんにお近付きなれない…
アキラさんに怒られてしまった…


後日ダークさんにも話が言って更に説教をされてしまった。

「バカなんですか?何を公然でやってるのですか?
いいですか?痛めつけるのは裏でやるんですよ!
一度紳士的に退いて、裏でボコボコにしてやるんです!
まったく、腹立たしい…
どいつ等でしたか?しっかり教えなさい


あとアキラの前でもいけません!
アキラが怖がります、体調に触ったら大変です!
熱出したらどうするんですか?」


うん、このダークさんもかなりどうかと思う人だけど仲良くなれそう…
しおりを挟む

あなたにおすすめの小説

白い部屋で愛を囁いて

氷魚彰人
BL
幼馴染でありお腹の子の父親であるαの雪路に「赤ちゃんができた」と告げるが、不機嫌に「誰の子だ」と問われ、ショックのあまりもう一人の幼馴染の名前を出し嘘を吐いた葵だったが……。 シリアスな内容です。Hはないのでお求めの方、すみません。 ※某BL小説投稿サイトのオメガバースコンテストにて入賞した作品です。

運命の息吹

梅川 ノン
BL
ルシアは、国王とオメガの番の間に生まれるが、オメガのため王子とは認められず、密やかに育つ。 美しく育ったルシアは、父王亡きあと国王になった兄王の番になる。 兄王に溺愛されたルシアは、兄王の庇護のもと穏やかに暮らしていたが、運命のアルファと出会う。 ルシアの運命のアルファとは……。 西洋の中世を想定とした、オメガバースですが、かなりの独自視点、想定が入ります。あくまでも私独自の創作オメガバースと思ってください。楽しんでいただければ幸いです。

つがいの薔薇 オメガは傲慢伯爵の溺愛に濡れる

沖田弥子
BL
大須賀伯爵家の庭師である澪は、秘かに御曹司の晃久に憧れを抱いている。幼なじみの晃久に子どもの頃、花嫁になれと告げられたことが胸の奥に刻まれているからだ。しかし愛人の子である澪は日陰の身で、晃久は正妻の嫡男。異母兄弟で男同士なので叶わぬ夢と諦めていた。ある日、突然の体の疼きを感じた澪は、ふとしたことから晃久に抱かれてしまう。医師の長沢から、澪はオメガであり妊娠可能な体だと知らされて衝撃を受ける。オメガの運命と晃久への想いに揺れるが、パーティーで晃久に婚約者がいると知らされて――◆BL合戦夏の陣・ダリア文庫賞最終候補作品。◆スピンオフ「椿小路公爵家の秘めごと」椿小路公爵家の唯一の嫡男である安珠は、自身がオメガと知り苦悩していた。ある夜、自慰を行っている最中に下男の鴇に発見されて――

花開かぬオメガの花嫁

朏猫(ミカヅキネコ)
BL
帝国には献上されたΩが住むΩ宮という建物がある。その中の蕾宮には、発情を迎えていない若いΩや皇帝のお渡りを受けていないΩが住んでいた。異国から来た金髪緑眼のΩ・キーシュも蕾宮に住む一人だ。三十になり皇帝のお渡りも望めないなか、あるαに下賜されることが決まる。しかしキーシュには密かに思う相手がいて……。※他サイトにも掲載 [高級官吏の息子α × 異国から来た金髪緑眼Ω / BL / R18]

公爵に買われた妻Ωの愛と孤独

金剛@キット
BL
オメガバースです。  ベント子爵家長男、フロルはオメガ男性というだけで、実の父に嫌われ使用人以下の扱いを受ける。  そんなフロルにオウロ公爵ディアマンテが、契約結婚を持ちかける。  跡継ぎの子供を1人産めば後は離婚してその後の生活を保障するという条件で。  フロルは迷わず受け入れ、公爵と秘密の結婚をし、公爵家の別邸… 白亜の邸へと囲われる。  契約結婚のはずなのに、なぜか公爵はフロルを運命の番のように扱い、心も身体もトロトロに溶かされてゆく。 後半からハードな展開アリ。  オメガバース初挑戦作なので、あちこち物語に都合の良い、ゆるゆる設定です。イチャイチャとエロを多めに書きたくて始めました♡ 苦手な方はスルーして下さい。

安心快適!監禁生活

キザキ ケイ
BL
ぼくは監禁されている。痛みも苦しみもないこの安全な部屋に────。   気がつくと知らない部屋にいたオメガの御影。 部屋の主であるアルファの響己は優しくて、親切で、なんの役にも立たない御影をたくさん甘やかしてくれる。 どうしてこんなに良くしてくれるんだろう。ふしぎに思いながらも、少しずつ平穏な生活に馴染んでいく御影が、幸せになるまでのお話。

きょうもオメガはワンオぺです

トノサキミツル
BL
ツガイになっても、子育てはべつ。 アルファである夫こと、東雲 雅也(しののめ まさや)が交通事故で急死し、ワンオペ育児に奮闘しながらオメガ、こと東雲 裕(しののめ ゆう)が運命の番い(年収そこそこ)と出会います。

毒/同級生×同級生/オメガバース(α×β)

ハタセ
BL
βに強い執着を向けるαと、そんなαから「俺はお前の運命にはなれない」と言って逃げようとするβのオメガバースのお話です。

処理中です...