上 下
1,062 / 1,164
34.二人の家に

1054.俺達の番式 (sideシバ)

しおりを挟む
バスターさんに渡された組合報を読めば、『ベストカップルついに番に!!』のデカデカとした見出しに顔がニヤけてしまう

番届けを出しに行った俺達の幸せそうな写真が何枚も載っていて、記事の大半が俺達への祝福とバスターさんの賛美で…
これは絶対に保存しとこう!もう家宝レベルで保存しなければ!!

それでもバスターさんをみれば、ちょっとシュンとしてて口を尖らせて何か不満顔で…
なんだろう?と読み進めていけば…なるほど、コレか…


「あぁ…組が番式をバックアップって…組が番式を執り行うのは、それこそ組長レベルですよ?あぁ…でもこれってダーク様まで話がいってそうですね…」

「そうなんだよ、組に執り行われると…さすがに私達が好きにはできないだろう?はぁ~かなりビジネス関係者が来ることになるだろうし…」


そう記事には俺達の番式を組が全力でバックアップする予定だとしっかりと書いてある。…しっかりとダーク様の写真も乗っているからきっと組での確約までされているのだろう。

それでも向かいに座るバスタはションボリしていて、バスターさんは番式をすごく楽しみにしていたから
ずっと番式の細やかな準備をしていたのを知っている。式場もピックアップしてたし、テーブルコーディネートとか招待状のデザインとか選んでは俺に見せてくれていた。
それは母ちゃんに反対されている時の不安を紛らわすように、ずっと俺と番う未来を夢見るように続けられてきた行為で…


「断りましょう!バスターさん、組のバックアップは結構ですって…俺は俺達の番式をしたいです。だってずっと用意してきたんだから…」

「そうもいかないだろう?シバはもう組の筆頭幹部だし、私は会社の役員だ…たぶんそのバックアップには会社も絡んでいるだろうから…はぁ~でもそうなると呼べない人出てくるなぁ…」


バスターさんが俯いて悲しそうなため息を漏らしていく、でもバスターさんを悲しませてまで俺は番式をしたくないし…それなら…


「ならっ…二回やるのはダメですか?一回は組の番式をして、そっちはもう完全にビジネスとしての番式としてやって…俺達の番式はそれはそれで本当に番式としてやるのは?俺は絶対にバスターさんと考えてた番式をやりたい!」

「えっ?…いいのか?そんな…でも確かにそれなら親しい友人だけを呼べるし、ずっと夢見てた番式もできる。ビジネスと割り切るなら二回きてもらうのも許されるか…
ふふっ、シバ、ありがとう…私のためにだよな?」


よかった!バスターさんが顔を上げて嬉しそうに微笑んでくれる。あとは…俺が交渉して組がどれくらいバックアップしてくれるか引き出せないと!
少なくともビジネスの方の番式の費用は持ってもらおう、あとこれっ組長クラスくらいにバックアップするならかなりのビジネスになるな!
それならちょっとくらい無茶言ってもいいよなぁ…ずっと欲しかったものをねだってもいいだろうか?

もうちょっとワクワクしながらダーク様へのメールの内容を考えながら、バスターさんの朝ご飯のお味噌汁を注いでいった。
しおりを挟む
感想 237

あなたにおすすめの小説

騙されて快楽地獄

てけてとん
BL
友人におすすめされたマッサージ店で快楽地獄に落とされる話です。長すぎたので2話に分けています。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

BL団地妻-恥じらい新妻、絶頂淫具の罠-

おととななな
BL
タイトル通りです。 楽しんでいただけたら幸いです。

イケメン彼氏は年上消防士!鍛え上げられた体は、夜の体力まで別物!?

すずなり。
恋愛
私が働く食堂にやってくる消防士さんたち。 翔馬「俺、チャーハン。」 宏斗「俺もー。」 航平「俺、から揚げつけてー。」 優弥「俺はスープ付き。」 みんなガタイがよく、男前。 ひなた「はーいっ。ちょっと待ってくださいねーっ。」 慌ただしい昼時を過ぎると、私の仕事は終わる。 終わった後、私は行かなきゃいけないところがある。 ひなた「すみませーん、子供のお迎えにきましたー。」 保育園に迎えに行かなきゃいけない子、『太陽』。 私は子供と一緒に・・・暮らしてる。 ーーーーーーーーーーーーーーーー 翔馬「おいおい嘘だろ?」 宏斗「子供・・・いたんだ・・。」 航平「いくつん時の子だよ・・・・。」 優弥「マジか・・・。」 消防署で開かれたお祭りに連れて行った太陽。 太陽の存在を知った一人の消防士さんが・・・私に言った。 「俺は太陽がいてもいい。・・・太陽の『パパ』になる。」 「俺はひなたが好きだ。・・・絶対振り向かせるから覚悟しとけよ?」 ※お話に出てくる内容は、全て想像の世界です。現実世界とは何ら関係ありません。 ※感想やコメントは受け付けることができません。 メンタルが薄氷なもので・・・すみません。 言葉も足りませんが読んでいただけたら幸いです。 楽しんでいただけたら嬉しく思います。

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…

しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。 高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。 数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。 そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…

真・身体検査

RIKUTO
BL
とある男子高校生の身体検査。 特別に選出されたS君は保健室でどんな検査を受けるのだろうか?

小さなことから〜露出〜えみ〜

サイコロ
恋愛
私の露出… 毎日更新していこうと思います よろしくおねがいします 感想等お待ちしております 取り入れて欲しい内容なども 書いてくださいね よりみなさんにお近く 考えやすく

ヤンデレだらけの短編集

BL
ヤンデレだらけの1話(+おまけ)読切短編集です。 全8話。1日1話更新(20時)。 □ホオズキ:寡黙執着年上とノンケ平凡 □ゲッケイジュ:真面目サイコパスとただ可哀想な同級生 □アジサイ:不良の頭と臆病泣き虫 □ラベンダー:希死念慮不良とおバカ □デルフィニウム:執着傲慢幼馴染と地味ぼっち ムーンライトノベル様に別名義で投稿しています。 かなり昔に書いたもので、最近の作品と書き方やテーマが違うと思いますが、楽しんでいただければ嬉しいです。

処理中です...