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1017.貴方の手で終わらせて裏 (sideバスター)
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インタビュアーに囲まれて、同じ様な質問を何度もされて本当にげんなりしてしまった。
将来の展望を聞かれたときは、思わず今の心境が漏れてしまって…チグハグなことを話してしまった気がする。
あと、私なんかの休日の過ごし方や好きな食べ物を聞いてどうするのだろうか?
強くなる参考にでもするのだろうか?
疲れている私を気遣い、残っている手続きなんかはアキラさんが代わりにしてくださって
「あとはやっておきますから、バスターさんは早くシバさんのところに帰ってください!顔に早く会いたいって書いてありますよ?」
なんて茶化されてしまった。
確かに今はすごく甘えたい、シバのふわふわの毛とむにっとした筋肉に顔を埋めたい、いつから私はこんなにシバに依存しだしたのだろうか…
しかしタクシーに乗って家に着く頃には、やはりいつもの寝る時間は過ぎてしまっていて
きっとシバは寝てしまっただろう、謝るのは明日にして、それでも寝ているシバにくっついて寝れば癒やされるだろうと玄関のドアに手を掛けるが…
自分からひどく血生臭い気する。
決闘が終わってから、すぐにシャワーを浴びさせてもらったが…
『あんたも俺と変わらないじゃないか!』
ラダの言葉がどうしても頭から離れない、消せると思ったのに、アイツを消せばシバへの酷い執着もこのずっと付きまとう不安感も消せると思ったのに…
それはやはり黒いドロドロのタールのように体にへばりつき、消えなくて…今の私は血生臭くて、醜くて、弱くて…この二人の穏やかな家にはどうしても相応しいとは思えなくて
もう玄関を開けるなり鞄を放りだして、脱衣所に服を脱ぎ籠に散らし入れて、頭からシャワーを浴びていった。
なんでこんなに不安なのだろう、アイツは消えたのだ私が完膚なきまでに消したのだ!
もうシバを奪われることはないし、周りも牽制もした。インタビューでもしっかりと話した…
それでも…今の私はシバに相応しいのかわからない、シバの幸せも願えず自分の欲求を優先しようとした私が、シバの側にいていいのだろうかわからない、可愛いシバの横にこんなに醜い感情の私がいていいのかわからない
『あんたも俺と変わらないじゃないか!』
消したアイツの言葉が頭から離れない…
不安で不安でしかたがなくて、以前のあの安心感が、ずっと一緒だと、ずっと愛されていると、離れることなどありえないという安心感がどうしても持てなくて
苦しくて、淋しくて、仕方がない
ガタッガタッ…ガチャ!!!
ガタガタとした音がしたかと思い振り返るとほ、扉が開き、そこにはギラギラとした目で歯をむき出しにしたシバが立っていて
今まで向けられたことのない表情に体が固まってしまう。これは…シバは本気だ…
「ぐわああぁうぅぅ!!!!」
「うわっ!………シバっ?アッ……シバ……」
ガツンと首元への衝撃に息が詰まる。歯が刺さる痛みに体が硬直する。
ポタリと赤い水滴が床に落ちて広がっていく。
頸動脈を食いちぎる勢いに体が押されて、壁に当たりずるずると無様に尻餅をつく、完全に首元をいかれた。
やはり、シバは強い…場違いに、シバの素早い動きに惚れ惚れしてしまう…
「ゔぅ…ゔぅ…!ばしたぁしゃんの、ばかぁ!
なんで?なんでこんなっ…うわぁぁ!!」
私に齧りついたまま、シバを強く抱きしめれば、耐えられないとばかりにシバが泣き声を上げていく、やはりシバは気づいていたんだ…私の裏切りを…
「シバっ…すまない、勝手なことをして…シバを怒らせるのはわかってたのに、自分を止められなかった。…本当にごめんなっ」
「うわぁぁ!俺っ…俺は嫌だから、絶対に嫌だから!なんでっ?俺っ…でもっ!わああぁぁ!!」
酷く泣き崩れるシバに、今更ながら申し訳無さが溢れていく、私がやったことは、やはり人狼の雄の面子を酷く潰したのだろう
わかっていたのだ、それでも…
「シバっ…ごめんなっ…申し訳ないって、悪いことだってわかっていたけど、本当に、ごめんっ…それでも私は耐えられなかったんだよ!」
「ゔぅぅえぇ!!…でもっ、嫌だ!バスターさんは…俺の雌でなきゃ嫌だぁ!俺だけのっ…嫌なんだよぅ!!」
そうっ…私は耐えられなかったんだ、シバがラダに会うことが、あり得ないとはわかっているのに、また奪われるかもと、恐ろしくてしかたがなかった。
もう言葉もうまく繋げないほど、泣きながら怒るシバを抱きしめて謝るしかできなくて…
私にできるのは許しを請うことだけで、でもそんなに怒っているのに、シバは私の体にひどく体を密着させてくれる。それがすごく私の気持を落ち着かせてくれて…
「ごめんなっ…勝手なことをしたのは重々承知なんだ、シバが怒るのも無理はないから、でも…耐えられなかったんだ…どうしたら許してくれるだろうか?」
何度目かの謝罪の言葉に、突然ガバリっと私の胸からシバが顔を上げた。その顔は潤んだ瞳で鼻水は垂れていてくちゃくちゃな泣き顔ではあるが、目を見開いて、口を結んでいて…これは、混乱している?
「えっ??ちょっと待ってください…バスターさん、何をしてきたの?俺が怒ることって何?」
「はっ?わかってたんじゃないのか?
じゃあ、なんでそんなに怒って……えっ???」
お互いがもう呆けた顔で見つめ合ってしまった。
将来の展望を聞かれたときは、思わず今の心境が漏れてしまって…チグハグなことを話してしまった気がする。
あと、私なんかの休日の過ごし方や好きな食べ物を聞いてどうするのだろうか?
強くなる参考にでもするのだろうか?
疲れている私を気遣い、残っている手続きなんかはアキラさんが代わりにしてくださって
「あとはやっておきますから、バスターさんは早くシバさんのところに帰ってください!顔に早く会いたいって書いてありますよ?」
なんて茶化されてしまった。
確かに今はすごく甘えたい、シバのふわふわの毛とむにっとした筋肉に顔を埋めたい、いつから私はこんなにシバに依存しだしたのだろうか…
しかしタクシーに乗って家に着く頃には、やはりいつもの寝る時間は過ぎてしまっていて
きっとシバは寝てしまっただろう、謝るのは明日にして、それでも寝ているシバにくっついて寝れば癒やされるだろうと玄関のドアに手を掛けるが…
自分からひどく血生臭い気する。
決闘が終わってから、すぐにシャワーを浴びさせてもらったが…
『あんたも俺と変わらないじゃないか!』
ラダの言葉がどうしても頭から離れない、消せると思ったのに、アイツを消せばシバへの酷い執着もこのずっと付きまとう不安感も消せると思ったのに…
それはやはり黒いドロドロのタールのように体にへばりつき、消えなくて…今の私は血生臭くて、醜くて、弱くて…この二人の穏やかな家にはどうしても相応しいとは思えなくて
もう玄関を開けるなり鞄を放りだして、脱衣所に服を脱ぎ籠に散らし入れて、頭からシャワーを浴びていった。
なんでこんなに不安なのだろう、アイツは消えたのだ私が完膚なきまでに消したのだ!
もうシバを奪われることはないし、周りも牽制もした。インタビューでもしっかりと話した…
それでも…今の私はシバに相応しいのかわからない、シバの幸せも願えず自分の欲求を優先しようとした私が、シバの側にいていいのだろうかわからない、可愛いシバの横にこんなに醜い感情の私がいていいのかわからない
『あんたも俺と変わらないじゃないか!』
消したアイツの言葉が頭から離れない…
不安で不安でしかたがなくて、以前のあの安心感が、ずっと一緒だと、ずっと愛されていると、離れることなどありえないという安心感がどうしても持てなくて
苦しくて、淋しくて、仕方がない
ガタッガタッ…ガチャ!!!
ガタガタとした音がしたかと思い振り返るとほ、扉が開き、そこにはギラギラとした目で歯をむき出しにしたシバが立っていて
今まで向けられたことのない表情に体が固まってしまう。これは…シバは本気だ…
「ぐわああぁうぅぅ!!!!」
「うわっ!………シバっ?アッ……シバ……」
ガツンと首元への衝撃に息が詰まる。歯が刺さる痛みに体が硬直する。
ポタリと赤い水滴が床に落ちて広がっていく。
頸動脈を食いちぎる勢いに体が押されて、壁に当たりずるずると無様に尻餅をつく、完全に首元をいかれた。
やはり、シバは強い…場違いに、シバの素早い動きに惚れ惚れしてしまう…
「ゔぅ…ゔぅ…!ばしたぁしゃんの、ばかぁ!
なんで?なんでこんなっ…うわぁぁ!!」
私に齧りついたまま、シバを強く抱きしめれば、耐えられないとばかりにシバが泣き声を上げていく、やはりシバは気づいていたんだ…私の裏切りを…
「シバっ…すまない、勝手なことをして…シバを怒らせるのはわかってたのに、自分を止められなかった。…本当にごめんなっ」
「うわぁぁ!俺っ…俺は嫌だから、絶対に嫌だから!なんでっ?俺っ…でもっ!わああぁぁ!!」
酷く泣き崩れるシバに、今更ながら申し訳無さが溢れていく、私がやったことは、やはり人狼の雄の面子を酷く潰したのだろう
わかっていたのだ、それでも…
「シバっ…ごめんなっ…申し訳ないって、悪いことだってわかっていたけど、本当に、ごめんっ…それでも私は耐えられなかったんだよ!」
「ゔぅぅえぇ!!…でもっ、嫌だ!バスターさんは…俺の雌でなきゃ嫌だぁ!俺だけのっ…嫌なんだよぅ!!」
そうっ…私は耐えられなかったんだ、シバがラダに会うことが、あり得ないとはわかっているのに、また奪われるかもと、恐ろしくてしかたがなかった。
もう言葉もうまく繋げないほど、泣きながら怒るシバを抱きしめて謝るしかできなくて…
私にできるのは許しを請うことだけで、でもそんなに怒っているのに、シバは私の体にひどく体を密着させてくれる。それがすごく私の気持を落ち着かせてくれて…
「ごめんなっ…勝手なことをしたのは重々承知なんだ、シバが怒るのも無理はないから、でも…耐えられなかったんだ…どうしたら許してくれるだろうか?」
何度目かの謝罪の言葉に、突然ガバリっと私の胸からシバが顔を上げた。その顔は潤んだ瞳で鼻水は垂れていてくちゃくちゃな泣き顔ではあるが、目を見開いて、口を結んでいて…これは、混乱している?
「えっ??ちょっと待ってください…バスターさん、何をしてきたの?俺が怒ることって何?」
「はっ?わかってたんじゃないのか?
じゃあ、なんでそんなに怒って……えっ???」
お互いがもう呆けた顔で見つめ合ってしまった。
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