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1012.疑惑の裏 決闘6 流血表現あり (sideアキラ)

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「はぁ、残念ですが…もう終わりのようだ、炎に雷に物理系、更に珍しい毒効果のある魔法まで使えたのに、惜しいですね、貴方はこんなところで死ぬような人じゃない…
貴方はもっと真っ当に生きる道もあっただろうに、その才能も友人も貴方は持っている。」


俺の全力の攻撃を受けても、その体には傷一つなく、これ以上ないほどの絶対的な力の差を見せつけられた。もう俺は全てを出し尽くして、膝をついて見上げるしかできない

その堂々とした立ち姿は美しく、神々しささへ感じる。透けて通るような薄い色合いの金髪は短く刈り上げられている。
ムキムキな胸筋はせり出し腹筋、見事に割れているが締まっていてそれは美しいトライアングル体系、そして鍛え上げられ下半身と相まって、まるでいつぞやに見た正義の女神像シルエットのように見える。

そんな私が理想とした美しい姿で、慈愛に満ちた表情で私に手を差し伸べてくださっている。その表情はどこまでも穏やかで…そこには欠片も、憎しみも怒りもなく
許されるとのか?私はこの方に許されて…


「あっ…すみませんでした…俺がっ、間違ってた。本当にすいませんでした!!」


差し出される手は優しくて、慈悲深く、全てを包んでくれそうなほど大きい…
俺は心底に後悔をした、間違っていた、俺は全てを間違えていた。
自分の今までの行いを恥、悔いていく

これからはこの方のために精一杯生きよう、この身をかけて、この慈悲深い完璧に美しいこの方のために…この命すら捧げるように生きよう。


「そうですね…しっかりと反省してください!
貴方が手放したのですよ?最後までヌキさんは貴方達のためと身を粉にして働いていましたし、貴方の魔法は本当に有能なモノだった・・・。そうやって反省して、後悔をして…」


その手が慈しむように、頬を撫でて首筋を通っていく、俺の口からはほぅっと吐息が漏れてしまう。目からはホロホロと感動と感謝と喜びの涙が溢れ出して止まらない…
俺は見つけたんだ、この最悪の境地で人生の崇拝者を見つけれたのだ!


「後悔をして…後悔をして…死んで下さい!!」


女神の手がガツリッと俺の首を掴み、そのまま締め上げていく、俺は突然のことで理解ができなくて掴まれた腕に爪を立てて引き剥がそうとするがビクともしない


「なっ?はっ、たすけっ?はっっ!」

「あぁ?もしかして許されると思いました?そんな訳がない…貴方は私のシバを雌化しようとしたんですよ?シバを私から奪おうとした方を私が生かしておく訳がない!
何よりシバに触れた貴方がこの世に存在していることが私は許せない…」


やせ細ったとわいえ、成人男性の俺の体を軽々と腕一本で持ち上げる。息ができない、苦しい…じわじわと首を締める腕には力が込められていく


「それにしても、シバが雌化しなかったのは貴方が弱かったせいでしょうね?貴方の全ての攻撃を受けたがシバには遠く及ばない…シバの噛みつきや切り裂きは私に楽しみ痛みを与え、血を流させる…ふふっ、それともココが貧弱過ぎたせいかな?」

「——あっぁ、はぁ!!」


股間に突然の衝撃が走る。脳天をつく激痛に視界が暗転しそうだが、首を更に締められて意識が飛ばせれない、ビチャビチャと水温が遠くに聞こえる。


「ははっ、失礼しました。コレがシバの中を荒らしたと思ったら憎くなってしまいました。
本当に、シバの初めてをこんな貧素モノが奪うなんて…
はぁ…貴方は私にこのような感情を自覚させてしまった。こんな醜い、ドロドロした、醜悪な感情を…だから貴方が消えてくれれば、この感情も消せると思うのですよ」


わからない、もう耳がぼぅっとして何を言っているのかわからない…こめかみが痛い、目の奥が痛い、頭が割れそうに痛い…
目の前には今にも泣き出しそうに、瞳を潤ませて苦しそうに笑う女神様がいる。


「そうっ…どうか、シバを傷つけてでも、シバを独占したくて、シバに愛されたくて、シバの側にいたい、醜い私も一緒に、貴方と一緒に逝かせてください…このまま一緒に…」


女神様、女神様が切なげな表情で俺を見つめている…どうかっ、あぁどうか俺に赦しを…

ゴキョッッッ!!!
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