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999.決闘 2 (sideシバ)

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俺が思いっきり突っ込んで行くのを、トサカツさんは仁王立ちのままで睨んでいる、そのまま地面を蹴って頭に向かって上段回し蹴りくらわせる。慌てた顔で腕組みを解いて腕でガードをするが、遅いよ!

首筋に俺の回し蹴りがクリーンヒットして、トサカツさんの大きな体が崩れていく、それでも攻撃の手など緩めずにそのまま反対の足で鼻っ面に蹴りを入れれば、おもしろいほど簡単に後方に倒れていった。


「はぁ…決闘はプロレスじゃないんだ…真剣勝負なんですよ?何をカッコつけて腕組みなんかしてるんですか?」

「あっ?……はっ、はやっ…クソっ!!」


捕まえられないように距離を一度取って、トサカツさんの動きを伺う
トサジさんの戦法を倣っているならホールドをキメられたら厄介だ、深追いはしないほうがいい、体のデカさからいっても俺よりは力がをありそうだから抜け出せなくなってしまう

上体を低くしてまだふらつくように立ち上がるトサカツさんに突っ込んで行く、立ち上がるのも体制を立て直すのも遅いよ!
俺は待ってあげるほど優しくないんですよ!!

慌てて身構えて、ガードのポーズをとるトサカツさんの直前で滑るようにしゃがみ、足をはらえば無駄にでかい体が倒れ込むのを下から脇腹を蹴り上げてやる

ゴキュッッ!!

っとした衝撃が蹴り上げた足に伝わるから、肋を二本はいったかな?
蹴り上げられた勢いで、巨体が軽く浮いてゴロゴロと回転して倒れ伏している。


「ぐああ!!っっっヒィ………うぅぅ…」

「ほらっ、どうしたのですか?まったくトサカツさんからの攻撃はありませんが?
俺の雌を奪うつもりなんでしょ?俺に麗しの雌はもったいないって言ってましたもんね?トサカツさんのような屈強な雄が似合うって…貴方は屈強じゃない!ただデカイだけで、更に全てが遅すぎるんですよ!!」


倒れ伏したまま脇腹を抑えて痛がっているが、まったくこちらの状況を確認していない!
攻撃を受けても次の攻撃に備えなきゃ、虚勢でもいいから体を起こせよ!相手を睨みつけて全然きいてないからなって顔してみせろよ!!


「まさかあんなに大口叩いていたのに、これで終わりじゃないですよね?トサカツさん?
ほらっ、さっさと立って攻撃に転じろよ!痛がってないで相手の動きを伺え!
俺がお前にトドメを刺しにいったらどうするんだよ?どこもかしこてま急所ががら空きなんだよ!!」


俺の言葉に歯を食いしばった顔でよたよたと立ち上がる…
ただ微妙に涙目になってるのが、ズビズビと鼻詰まりのような音がするのが、俺に嫌な予感をさせる。このクソガキってまさか…初決闘なんじゃないか?

さっきからあまりにも戦い慣れていない様子がする。最初っから油断しまくりだし、防御ががら空きなのだ、もしかしたら組の特訓で組手をしていたくらいの経験値しかないんじゃないか?


「うわあぁぁ!もうっ…うわあぁ!!!」


もう闇雲に拳を振り上げて突っ込んでくる、まず初動の時点で遅すぎるし動きがわかり易すぎる!


「はっ!当たるわけないだろ?そんな鈍いパンチが…ほらっ!!」


安々と鈍いパンチを片手で流して、トサカツさんの勢いのままにカウンターで膝を腹に入れてやれば…


「ヴゴボォォ…!!?」


綺麗に入って、トサカツさんがその場で嘔吐してしまった。あぁ…これはしまったかもしれない、ゲロはさすがに動画放送的にはまずかったんじゃないかな?
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