夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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32.亀裂

975.疑惑 (sideシバ)

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バスターさんが俺への態度がどこか前とは違っていて、いつも通りに優しくて、いつも通りに甘やかされて、いつも通りに甘えてくれるけど…どこかよそよそしくて、距離を感じる。

原因もわかってる。しかも問題は完全に俺の方で…もうどうしようもなく情けなくなってしまう、一過性のモノだろうってダーク様は言ってくれるし、今はゆっくりすればいいって気にすることはないってバスターさんは言ってくれるけど…でも本当に男として悲しくて、申し訳なくて…

俺達は今、完全にセックスレス状態にある。
原因は俺の勃起不全!!


なんで?この前までバスターさん見たら、めちゃくちゃ勃ちまくってたじゃん!お風呂上がりのバスターさん見ただけで反応してたし、膝枕してくすぐり合いっこしてたらもうすぐにガッチガチだったよ!すぐ勃っちゃうから、困っちゃうくらいだったじゃん!

なのに、今はいい雰囲気になってもフニャってしてて、焦って必死にバスターさんの体をまさぐるけど、フニャっとは変わらなくて…
あの気まずい雰囲気といったら…バスターさんには申し訳ないし、バスターさんが気付かないフリをして気遣ってくれるのもわかるし、もうめちゃくちゃ情けないし!!


「きっと一時的な強いストレスが原因ですから…あと薬の副作用かもしれませんし、どちらにしろ一過性ですからね?
一か月もすればきっと治りますから、そう気を落とさなくても大丈夫ですよ?」

「ゔゔぅ~、ありがとうございます。それでもやっぱり落ち込みます。雄として…雌を満足させれないとか、ゔぅ~」


今日は人狼のリクルート部署について、ダーク様と打ち合わせをしに来ている。
訓練所は俺とカズマさんの拉致監禁暴行事件を受けて、警察の捜査や安全体制の見直しなんかで一時休所になっている。
俺は休職は開けたけど、まだ労災扱いの時短勤務で、仕事の内容は人狼族のリクルート部署立ち上げを任されているから、もっぱり自宅勤務とダーク様の執務室を行ったり来たりしている。
そしてただいま、打ち合わせが終った後の、雑談中?これはもはやカウンセリングかな?


「そうですか、でもバスターさんはそんなこと気にしないんじゃないですか?
バスターさんの方がシバさんよりかなり年上ですよね?そういうことは落ち着いているイメージですが…」

「かなりってほどじゃないですが、年上なので確かにそんなに積極的ではないですね…
でももしこのままなら、俺達は番えないじゃないですか…雄のが勃たなくて番えないとか…あぁぁ!悲しすぎる!!」


ダーク様が苦笑いをして、大丈夫ですよって慰めてくださる。優しいぃ…


「それにしても、シバさんを見てると…
まだ番ってないんですよね?なんか番てるも同然ですよね?番になるのは拒否はされてないでしょ?あんなに積極的に人狼族に溶け込もうとしてくださってるし…」

「そうですね、一緒に住んでるますし、もう絶対に愛し合ってるので、もちろん番うことは受け入れてもらえてますが!
ただ俺の母親が反対してて…俺はすぐにでも番いたいけど…番えてません」

「なるほど…お母様が原因ですか、それはバスターさんは性格的に気にしそうですね?それを踏まえても……」


コンッコンッ

ダーク様の言葉はちょっと強めなノックで遮られた。来客が到着したらしい、今日は来客を交えてのミーティングなのだ!気持ち切り替えなければ!!
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