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32.亀裂
972.誰がための救い 7 (sideバスター)
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「やめてくれ!シバ…頼むからそれ以上は言わないでくれ!!頼むよ…」
「えっ?何?どうしたんですか?えっ!!ちょっと…バスターさん??わっ!何?」
シバの思いもよらない不意な言葉に、気持ちの対処が間に合わずに、ボロボロと溢れる涙が止められなかった。
ここは病院の待合室で、周りには少なくない患者もいて、その注目を集めているのが感じる。シバの声も明らかに狼狽えていて、しかし、もう耐えられなかった…
「大丈夫、大丈夫ですから!どうしたんですか?俺って何かしちゃいました?
ごめんなさい、俺っ、わからなくて…どこか痛いんですか?辛いんですか?」
「違っ…シバは悪くなくて…私がっ、すまないっ…もうっ、なんか耐えられなっ…」
言葉にしてしまえば、簡単に崩れてしまった…こんなにシバは変わらず優しいのに、周りはもう無理なのだと、愛されはしないのだと詰めてくる。
溢れる涙が止められなくて、抑えられない嗚咽すら漏れてしまって、みっともなくてしかたがいのに…
自分の中の正解がわからない、シバを傷つけたくないのに、手放したくもない
諦めたくもないのに、憎まれたくもない
どれかを選ばなければならないのに、全てが辛くて、辛くて、もう…耐えられそうにない
ひたすらに自分への不甲斐なさと、嫌悪感が膨れてしまって…
そんなどうしようもない状態の私を、シバはいつものような慰めてくれる
「違うんだ!私がっ…弱くて、醜くて、こんな私などシバに愛される価値なんて、最初から無かったんだ…」
「何が?何で!!バスターさんは最高に美しいし、強いし、優しいし、完璧な俺の雌でしょ?何があったの?何でそんなに辛そうなの?
教えてください、俺がなんとでもするから!!」
「えっ…俺の雌って、あの…とりあえず目立つので、こちらの部屋にお願いできますか?」
ダークさんが私の後ろから、オズオズとした様子で移動を促してくれる。
確かに私達は待合の視線を集めていて、私のようなデカい図体のおっさんがメソメソ泣いていたら、そりゃ滑稽だろう、しかもシバが私を包み込むように抱きしめて慰めてくれていて…
はたと気付いて、一気に恥ずかしくなってしまって、下を向いたまま促されるままに移動していった。
「さてとっ…バスターさん、すいません、やはりかなりキツかったんですね?
とりあえず睡眠薬は使ってください!あとは弱い精神安定剤をだしますね?
しかし…まさかっなっ、バスターさんすいませんが、少し荒いことをさせていただきます。」
私達を診察室に招き入れ、私の向かいに座るダークさんがシバの方に向き直る。
シバは私のことを心配そうに見つめながら、手をずっと握っていてくれている。
「シバさん…貴方はもし、あのクソ野郎と今出会ったらどうされますか?」
「なっ!やめてください!なんでそんな…ダークさんが言ったんじゃないですか!
シバには優男の話はしちゃいけないって!!」
「バスターさん落ち着いてください、シバさんに確認を取りたいんですよ…シバさん、どうされますか?」
シバの握りしめてくれている手が可笑しいほどに震えている。聞きたくない、シバの優男への想いなんて、聞きたくもない…私はもう自分の耳を塞いでしまいたかった。
「えっ…そんなの、やることなんて一つしかないですよね?」
「えっ?何?どうしたんですか?えっ!!ちょっと…バスターさん??わっ!何?」
シバの思いもよらない不意な言葉に、気持ちの対処が間に合わずに、ボロボロと溢れる涙が止められなかった。
ここは病院の待合室で、周りには少なくない患者もいて、その注目を集めているのが感じる。シバの声も明らかに狼狽えていて、しかし、もう耐えられなかった…
「大丈夫、大丈夫ですから!どうしたんですか?俺って何かしちゃいました?
ごめんなさい、俺っ、わからなくて…どこか痛いんですか?辛いんですか?」
「違っ…シバは悪くなくて…私がっ、すまないっ…もうっ、なんか耐えられなっ…」
言葉にしてしまえば、簡単に崩れてしまった…こんなにシバは変わらず優しいのに、周りはもう無理なのだと、愛されはしないのだと詰めてくる。
溢れる涙が止められなくて、抑えられない嗚咽すら漏れてしまって、みっともなくてしかたがいのに…
自分の中の正解がわからない、シバを傷つけたくないのに、手放したくもない
諦めたくもないのに、憎まれたくもない
どれかを選ばなければならないのに、全てが辛くて、辛くて、もう…耐えられそうにない
ひたすらに自分への不甲斐なさと、嫌悪感が膨れてしまって…
そんなどうしようもない状態の私を、シバはいつものような慰めてくれる
「違うんだ!私がっ…弱くて、醜くて、こんな私などシバに愛される価値なんて、最初から無かったんだ…」
「何が?何で!!バスターさんは最高に美しいし、強いし、優しいし、完璧な俺の雌でしょ?何があったの?何でそんなに辛そうなの?
教えてください、俺がなんとでもするから!!」
「えっ…俺の雌って、あの…とりあえず目立つので、こちらの部屋にお願いできますか?」
ダークさんが私の後ろから、オズオズとした様子で移動を促してくれる。
確かに私達は待合の視線を集めていて、私のようなデカい図体のおっさんがメソメソ泣いていたら、そりゃ滑稽だろう、しかもシバが私を包み込むように抱きしめて慰めてくれていて…
はたと気付いて、一気に恥ずかしくなってしまって、下を向いたまま促されるままに移動していった。
「さてとっ…バスターさん、すいません、やはりかなりキツかったんですね?
とりあえず睡眠薬は使ってください!あとは弱い精神安定剤をだしますね?
しかし…まさかっなっ、バスターさんすいませんが、少し荒いことをさせていただきます。」
私達を診察室に招き入れ、私の向かいに座るダークさんがシバの方に向き直る。
シバは私のことを心配そうに見つめながら、手をずっと握っていてくれている。
「シバさん…貴方はもし、あのクソ野郎と今出会ったらどうされますか?」
「なっ!やめてください!なんでそんな…ダークさんが言ったんじゃないですか!
シバには優男の話はしちゃいけないって!!」
「バスターさん落ち着いてください、シバさんに確認を取りたいんですよ…シバさん、どうされますか?」
シバの握りしめてくれている手が可笑しいほどに震えている。聞きたくない、シバの優男への想いなんて、聞きたくもない…私はもう自分の耳を塞いでしまいたかった。
「えっ…そんなの、やることなんて一つしかないですよね?」
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