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32.亀裂
946.捕らえられる (sideシバ)
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キティさんが走ってきた道を全力で駆け出していけば、しばらく走れば少し開けたところに出て、そこには白い何が見えてきた。
それはキティさんの言葉通りに、二人の白衣の人物が倒れてて、一人は白衣が半分以上も赤黒く染まっていて、それは見慣れた銀髪で…
「カズマさん!何があったんですか?そっちはアキラさんですよね、無事ですか?出血が多い…カズマさんは動かないで、アキラさん大丈夫ですか?!!」
「ぁあ゛あ゛…ダメだぁ…」
駆け寄って、血だらけのカズマさんに声をかけ、もう一人を見れば、頭の先からすっぽりと白衣をかけられて横たわっていて…ピクリともしなくて、嘘っ、アキラさん?
最悪の想像に体が震えだすのを叱咤して、白衣を思いっきり掴みめくり上げれば…
その瞬間に、腹部に息が止まるような熱を感じた……
「えっ?あっ…あっ…えっ??」
体が水平に保てなくなっていく、眼の前に地面が迫っているのに力がまったく入らなくて…
受け身も取れずに地面に倒れた衝撃に、呻き声が漏れていく
「ハハッ!可愛いワンコが釣れたか、残念だねぇ、本当はかわい子ちゃん狙いだったのに、まぁあの人はこんな所には一人では来ないかぁ…」
「だなっ?とりあえずそっちのエルフとワンコを連れて帰って、お楽しみといくかな?
まぁいいんじゃないか、お前の狙ってたワンコじゃないか?そいつは…以前に可愛い顔してるって言ってただろう?」
近くに誰か隠れていたらしく、白衣の下から出てきた男と話している。白衣の下にいた男は見覚えが…あの白髪交じりの金髪は、見た目がかなり変わってるけど…
平衡感覚が馬鹿になり崩れて動かなくなってくる体を、なんとか藻掻くようにカズマさんに這い寄っていく
「カズマさ…ん、大っ…夫っ?はぁ…アイツら…」
「あぁ…シバさっ…グボフゥ!!」
カズマさんはしゃべるのもキツイのか何か吐き戻す音がしてる、かなり酷く痛めつけられている。どうすればいい…せめて、キティさんが呼んだ応援がくるまで持ち堪えれば…
「あぁ~よかったです。シバさんも大人しく捕まえられたんですね、私の可愛い顔を殴られるのも我慢したんだから!はぁ~痛かったぁ」
そんな俺の希望を打ち壊すような声がする。とても顔を上げる余裕もなんてなくて、カズマさんに寄り添いながらうずくまったまま声だけを伺っている。
「はぁ、本当に、私のアプローチを素直に受けてれば…こんな頭の悪そうな駄犬なんかのせいで!エリートの私がっ!失敗するなんて!あんな無様な姿を!!許せない!!」
「ゔあぁっ!ぐぁぅ…
ガンッ!ガンッ!!
肋に響くような下からの蹴り上げを受ける。腹筋に力を入れれないせいで、内蔵にモロにダメージを感じる。
普通の女性とは思えない蹴りに、声が漏れてしまう…強く蹴り上げらた衝撃で体が飛び、木にそのまた激突した。キティさん…この人は…
「おい、人狼の姉ちゃんやめてくれないか?そのワンコは俺が後で遊ぶ予定なんだから、傷物にしないでくれよぅ!ほらっ…しっかりと俺の奴隷にしてやるからなぁ?人狼を奴隷にできる機会なんて、もうそうそうないだろう?楽しみだなぁ…」
「はぁ~、もの好きですね、こんな雄を奴隷にしたいなんて、それにバレたら大変なのに…、まぁ好きにしてください、私はシバさんが酷い目にあって、私の組での地位が上がればなんでもいいですから!」
不穏な言葉に鳥肌が立ったが、自分で立ち上がることさへできない、体を弄られるのがひたすらに気持ちが悪い、ジャケットの胸ポケットからスマホを抜き取られてへし折られる音がする。
首元を掴まれてズルズルとされるがままに、引きずられるように運ばれていった。
それはキティさんの言葉通りに、二人の白衣の人物が倒れてて、一人は白衣が半分以上も赤黒く染まっていて、それは見慣れた銀髪で…
「カズマさん!何があったんですか?そっちはアキラさんですよね、無事ですか?出血が多い…カズマさんは動かないで、アキラさん大丈夫ですか?!!」
「ぁあ゛あ゛…ダメだぁ…」
駆け寄って、血だらけのカズマさんに声をかけ、もう一人を見れば、頭の先からすっぽりと白衣をかけられて横たわっていて…ピクリともしなくて、嘘っ、アキラさん?
最悪の想像に体が震えだすのを叱咤して、白衣を思いっきり掴みめくり上げれば…
その瞬間に、腹部に息が止まるような熱を感じた……
「えっ?あっ…あっ…えっ??」
体が水平に保てなくなっていく、眼の前に地面が迫っているのに力がまったく入らなくて…
受け身も取れずに地面に倒れた衝撃に、呻き声が漏れていく
「ハハッ!可愛いワンコが釣れたか、残念だねぇ、本当はかわい子ちゃん狙いだったのに、まぁあの人はこんな所には一人では来ないかぁ…」
「だなっ?とりあえずそっちのエルフとワンコを連れて帰って、お楽しみといくかな?
まぁいいんじゃないか、お前の狙ってたワンコじゃないか?そいつは…以前に可愛い顔してるって言ってただろう?」
近くに誰か隠れていたらしく、白衣の下から出てきた男と話している。白衣の下にいた男は見覚えが…あの白髪交じりの金髪は、見た目がかなり変わってるけど…
平衡感覚が馬鹿になり崩れて動かなくなってくる体を、なんとか藻掻くようにカズマさんに這い寄っていく
「カズマさ…ん、大っ…夫っ?はぁ…アイツら…」
「あぁ…シバさっ…グボフゥ!!」
カズマさんはしゃべるのもキツイのか何か吐き戻す音がしてる、かなり酷く痛めつけられている。どうすればいい…せめて、キティさんが呼んだ応援がくるまで持ち堪えれば…
「あぁ~よかったです。シバさんも大人しく捕まえられたんですね、私の可愛い顔を殴られるのも我慢したんだから!はぁ~痛かったぁ」
そんな俺の希望を打ち壊すような声がする。とても顔を上げる余裕もなんてなくて、カズマさんに寄り添いながらうずくまったまま声だけを伺っている。
「はぁ、本当に、私のアプローチを素直に受けてれば…こんな頭の悪そうな駄犬なんかのせいで!エリートの私がっ!失敗するなんて!あんな無様な姿を!!許せない!!」
「ゔあぁっ!ぐぁぅ…
ガンッ!ガンッ!!
肋に響くような下からの蹴り上げを受ける。腹筋に力を入れれないせいで、内蔵にモロにダメージを感じる。
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「おい、人狼の姉ちゃんやめてくれないか?そのワンコは俺が後で遊ぶ予定なんだから、傷物にしないでくれよぅ!ほらっ…しっかりと俺の奴隷にしてやるからなぁ?人狼を奴隷にできる機会なんて、もうそうそうないだろう?楽しみだなぁ…」
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不穏な言葉に鳥肌が立ったが、自分で立ち上がることさへできない、体を弄られるのがひたすらに気持ちが悪い、ジャケットの胸ポケットからスマホを抜き取られてへし折られる音がする。
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