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30.新たな番
879.ダーク様なら (sideシバ)
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ダーク様の話を聞いて声もなく立ち尽くすしかできなかった。
『ずっと親友』っといいきったアキラさんの言葉にはこんな経緯があったなんて
今日は今後の定期報告の打ち合わせのために、ダーク様の本部ビルを訪れてダーク様の執務室に通されている。
ビルの立派さにビビり、ダーク様の執務室に直接通されたことにもビビり…
それでも、どうしてもアキラさんのことが気になって、なんで想い合っていたのに番わなかったのかが気になって…
おずおずとした質問にダーク様は昔の話をしてくださった。
「アキラはあの時に私の恋心を知りながら、私を想ってくれながら私を突き放したんです。
思い上がりでなければ…あのとき確実に私達は強く想い合っていましたよ
でもその想いを突き通せば、今の私はいません、皮肉にもアキラがやはり正しかった。
私の現在のパートナーの後ろ盾は私をここまで押し上げてくれました。」
ダーク様の話はたぶん数年前の話だろう、まだそのころはダーク様の改革派はまったく人狼社会に理解されず、人狼は人狼と番うのが正しいという純血主義が主流だった。
ダーク様が唱える他種族との共存共栄、他種族愛同性愛は異論が多くて、特に重鎮たちにはまったく受け入れられていなかったのだ
「アキラさんは…ダーク様を族長にするために自分の気持ちをを封じて、身を引いて、ダーク様が族長になれるような、後ろ盾になる相手を薦めて…」
「そうですよ、あいつが全て揃えたレールに私は乗るしかなかった。
あいつだって…私の相手なんて探したくなかったろうに、どんな思いで私にあんなはなむけを贈ったのかを考えれば
私は抗うことなんかできなかった。本当にあの時の私は情けない雄でしたよ!」
吐き捨てるようにダーク様は言い切って、ぎりっと音が出そうなくらいに歯を食いしばっている。
ダーク様が族長候補として抜きに出たのも、ダーク様が狂ったように族長活動に性を出し始めたのも、その時期に合致する。
「シバさん、私には貴方が必要なんですよ、貴方は言いましたね、私の手足となり目となると、あの思いに偽りはありませんか?」
「はい、俺はダーク様のために働きたいです。ダーク様の役に立つことが、これからの人狼社会をよくすることだと思うから…」
そんな想い合っていたのに、番うことだってできた未来もあっただろうに…それでも二人は苦しい別れを選んだ
そしてそんな苦しみを経て、族長になる道を選んだダーク様なら、きっと素晴らしい生きやすい人狼社会を作ってくれるから
俺が望むような、番制度から漏れてしまった人狼も、強くなれきれない雄も、同性愛者も、他種族愛者も、俺がずっと囚われている人狼の雄ならこう在るべきというこだわりがない生きやすい人狼社会を…
ダーク様なら!
きっと自ら番わずしても子を作り家族をもち、周りに改革派のロールモデルを見せつけたダーク様なら!
でもそれは茨の道で、きっと身を切るように苦しいことで、それでもその道を進むことを選んだダーク様なら!!
「私は二度とあんな情けない雄にはなりません、アキラを自ら諦めるようなことは二度とありません
あの時に諦めるざる負えなかった情けない私には二度と戻りませんよ!親友などで終わってなるものですか!」
ん?あれ?ダーク様の様子がおかしいぞ?
俺の決心を置いておかれ、ダーク様が椅子から立ち上がり、俺を見つめていた目は何もない空を向いていく
さっきまでの切なげで辛そうな表情が、ギラギラとした野生の飢えた狼のような目つきになっていく、ダーク様はシェパードのような見た目だからめちゃくちゃその顔怖いです…
『ずっと親友』っといいきったアキラさんの言葉にはこんな経緯があったなんて
今日は今後の定期報告の打ち合わせのために、ダーク様の本部ビルを訪れてダーク様の執務室に通されている。
ビルの立派さにビビり、ダーク様の執務室に直接通されたことにもビビり…
それでも、どうしてもアキラさんのことが気になって、なんで想い合っていたのに番わなかったのかが気になって…
おずおずとした質問にダーク様は昔の話をしてくださった。
「アキラはあの時に私の恋心を知りながら、私を想ってくれながら私を突き放したんです。
思い上がりでなければ…あのとき確実に私達は強く想い合っていましたよ
でもその想いを突き通せば、今の私はいません、皮肉にもアキラがやはり正しかった。
私の現在のパートナーの後ろ盾は私をここまで押し上げてくれました。」
ダーク様の話はたぶん数年前の話だろう、まだそのころはダーク様の改革派はまったく人狼社会に理解されず、人狼は人狼と番うのが正しいという純血主義が主流だった。
ダーク様が唱える他種族との共存共栄、他種族愛同性愛は異論が多くて、特に重鎮たちにはまったく受け入れられていなかったのだ
「アキラさんは…ダーク様を族長にするために自分の気持ちをを封じて、身を引いて、ダーク様が族長になれるような、後ろ盾になる相手を薦めて…」
「そうですよ、あいつが全て揃えたレールに私は乗るしかなかった。
あいつだって…私の相手なんて探したくなかったろうに、どんな思いで私にあんなはなむけを贈ったのかを考えれば
私は抗うことなんかできなかった。本当にあの時の私は情けない雄でしたよ!」
吐き捨てるようにダーク様は言い切って、ぎりっと音が出そうなくらいに歯を食いしばっている。
ダーク様が族長候補として抜きに出たのも、ダーク様が狂ったように族長活動に性を出し始めたのも、その時期に合致する。
「シバさん、私には貴方が必要なんですよ、貴方は言いましたね、私の手足となり目となると、あの思いに偽りはありませんか?」
「はい、俺はダーク様のために働きたいです。ダーク様の役に立つことが、これからの人狼社会をよくすることだと思うから…」
そんな想い合っていたのに、番うことだってできた未来もあっただろうに…それでも二人は苦しい別れを選んだ
そしてそんな苦しみを経て、族長になる道を選んだダーク様なら、きっと素晴らしい生きやすい人狼社会を作ってくれるから
俺が望むような、番制度から漏れてしまった人狼も、強くなれきれない雄も、同性愛者も、他種族愛者も、俺がずっと囚われている人狼の雄ならこう在るべきというこだわりがない生きやすい人狼社会を…
ダーク様なら!
きっと自ら番わずしても子を作り家族をもち、周りに改革派のロールモデルを見せつけたダーク様なら!
でもそれは茨の道で、きっと身を切るように苦しいことで、それでもその道を進むことを選んだダーク様なら!!
「私は二度とあんな情けない雄にはなりません、アキラを自ら諦めるようなことは二度とありません
あの時に諦めるざる負えなかった情けない私には二度と戻りませんよ!親友などで終わってなるものですか!」
ん?あれ?ダーク様の様子がおかしいぞ?
俺の決心を置いておかれ、ダーク様が椅子から立ち上がり、俺を見つめていた目は何もない空を向いていく
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