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30.新たな番
878.ずっと親友
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鳴り止まない雨音がザーザーと煩くて、今日は直に嵐がくるらしい…
ダークはこんな日にアキラ呼び出されて、アキラのマンションのソファに引きつるような表情で座っている。
「なんで…こんな情報をアキラが…
はぁ…まぁそれはいいですよ、それでなんですか?このご婦人と私に番えと…そんなん」
「なんで?すごくいい条件じゃない?
前前族長の曾孫さんに当たる方だし、直系だからかなりいい血筋だよね?
ふわふわモコモコで可愛いし…ふふっダークとお似合いだと思うけどな?」
ダークは渡された重厚な台紙に貼られた写真に目をやり、品の良さそうな笑顔の長毛種で少しふくよかな人好きのしそうな顔立ち、たぶん年はダークよりも少し上だろう、一緒にそえられた釣書にも目を通す。確かに十分過ぎる経歴に血筋が並んでいるが…
「未亡人ですね…だからこんな素晴らしい経歴でこんなに可愛らしいのに、ふぅ…嫌ですよ、私は誰とも…」
「なんで?ダークは結婚しなきゃ、族長が結婚してないなんて人狼社会ではありえないんだろ?ダークはなるんでしょ、族長に」
ダークの隣に座り、だらりとソファに体を預けていたアキラが、ゆっくりと体を立てて表情がふわりと人を食ったような笑顔から真剣な顔になっていく
「だったら結婚しなきゃ、この方なら番えなくても結婚はできるよね?
婚前検査の結果だっとて良好だよ、子供だってできるさ…ねぇ?ダーク、僕はダークの子供を見てみたいよ、きっと可愛いよね?」
「そんな…アキラっ、私は一生、誰とも結婚も番うこともする気はありませんよ!私はそんな事しなくても族長になりま…」
「なれないよ!ダーク、結婚しなきゃ族長にはなれない…ダークは頭もいいし人望もある、決闘だって負けなしだけど血筋ぬるいんだよ、後ろ盾だって弱い!
このままだとダークは改革派の族長候補止まりなんだよ、それを補うためのこの結婚だ!」
アキラの声が少しずつ低く、なっていく…
ダークな体に冷たい緊張が走っていく。こういうときのアキラは。決して引かないのを昔からの付き合いで知っている。
ダークだってわかってはいるのだ、確かにアキラの言うことは正しい、このまま行っても自分が族長になれる可能性は低い
どんなに人狼社会のために尽くしても、決闘で勝って名を上げても、組織票の多い二世候補が抜きに出ている。
ダークは族長候補で二番手にすらなれていない、よくて五番手六番手だ
「この方のバックがダークに付いてくれたらお前は抜きでれるんだよ、この方なら子供だって産めるし重鎮達だってお前の改革派の考えを受け入れる布石なる。
なるんだろう族長に!
だったら周りに見せなきゃ、ダーク自身がその改革の成功例にならなきゃ!」
「それを…あなたが、アキラがいいますか?
私に…他の人と番えと、あなたが!」
アキラの声が荒れるに呼応するようにダークの声も荒れていく
今にも泣き出してしまいそうなほど震えた声で、絞り出すようにでた言葉はアキラを責める言葉で
「そうだよ、僕が言わなきゃお前は絶対に受け入れないじゃないか…
ねぇ、ダーク…この人は番えないんだよ、未亡人だから、絶対に報われない想い人がいるんだよ、お前と同じだね…
これが僕にできるお前への最大のはなむけだよ?受け取ってよ」
「アキラ、私は…あなたがっ、あなたを…」
二人の声が震えていく、ダークの手がアキラを求めるように伸ばされて、その腕に吸い込まれるようにアキラの体はダークに抱きしめられていく
「ダーク!僕達は親友だろう?
ずっとずっと親友だから…だから…ダークの子供を見せてよ、きっとすごく可愛いだろうなぁ…ははっ、僕は子供は作れない体だろうから、絶対に絶対に抱かせてね?」
「アキラ…あなたはっ、なんでそんな…アキラっ!」
抱きしめられてもなお小さく震えているのは、アキラが泣いているからか、ダークが泣いているからか二人にはもうわからなかった。
「ずっと僕達は親友だから…ずっとずっと…」
ダークはこんな日にアキラ呼び出されて、アキラのマンションのソファに引きつるような表情で座っている。
「なんで…こんな情報をアキラが…
はぁ…まぁそれはいいですよ、それでなんですか?このご婦人と私に番えと…そんなん」
「なんで?すごくいい条件じゃない?
前前族長の曾孫さんに当たる方だし、直系だからかなりいい血筋だよね?
ふわふわモコモコで可愛いし…ふふっダークとお似合いだと思うけどな?」
ダークは渡された重厚な台紙に貼られた写真に目をやり、品の良さそうな笑顔の長毛種で少しふくよかな人好きのしそうな顔立ち、たぶん年はダークよりも少し上だろう、一緒にそえられた釣書にも目を通す。確かに十分過ぎる経歴に血筋が並んでいるが…
「未亡人ですね…だからこんな素晴らしい経歴でこんなに可愛らしいのに、ふぅ…嫌ですよ、私は誰とも…」
「なんで?ダークは結婚しなきゃ、族長が結婚してないなんて人狼社会ではありえないんだろ?ダークはなるんでしょ、族長に」
ダークの隣に座り、だらりとソファに体を預けていたアキラが、ゆっくりと体を立てて表情がふわりと人を食ったような笑顔から真剣な顔になっていく
「だったら結婚しなきゃ、この方なら番えなくても結婚はできるよね?
婚前検査の結果だっとて良好だよ、子供だってできるさ…ねぇ?ダーク、僕はダークの子供を見てみたいよ、きっと可愛いよね?」
「そんな…アキラっ、私は一生、誰とも結婚も番うこともする気はありませんよ!私はそんな事しなくても族長になりま…」
「なれないよ!ダーク、結婚しなきゃ族長にはなれない…ダークは頭もいいし人望もある、決闘だって負けなしだけど血筋ぬるいんだよ、後ろ盾だって弱い!
このままだとダークは改革派の族長候補止まりなんだよ、それを補うためのこの結婚だ!」
アキラの声が少しずつ低く、なっていく…
ダークな体に冷たい緊張が走っていく。こういうときのアキラは。決して引かないのを昔からの付き合いで知っている。
ダークだってわかってはいるのだ、確かにアキラの言うことは正しい、このまま行っても自分が族長になれる可能性は低い
どんなに人狼社会のために尽くしても、決闘で勝って名を上げても、組織票の多い二世候補が抜きに出ている。
ダークは族長候補で二番手にすらなれていない、よくて五番手六番手だ
「この方のバックがダークに付いてくれたらお前は抜きでれるんだよ、この方なら子供だって産めるし重鎮達だってお前の改革派の考えを受け入れる布石なる。
なるんだろう族長に!
だったら周りに見せなきゃ、ダーク自身がその改革の成功例にならなきゃ!」
「それを…あなたが、アキラがいいますか?
私に…他の人と番えと、あなたが!」
アキラの声が荒れるに呼応するようにダークの声も荒れていく
今にも泣き出してしまいそうなほど震えた声で、絞り出すようにでた言葉はアキラを責める言葉で
「そうだよ、僕が言わなきゃお前は絶対に受け入れないじゃないか…
ねぇ、ダーク…この人は番えないんだよ、未亡人だから、絶対に報われない想い人がいるんだよ、お前と同じだね…
これが僕にできるお前への最大のはなむけだよ?受け取ってよ」
「アキラ、私は…あなたがっ、あなたを…」
二人の声が震えていく、ダークの手がアキラを求めるように伸ばされて、その腕に吸い込まれるようにアキラの体はダークに抱きしめられていく
「ダーク!僕達は親友だろう?
ずっとずっと親友だから…だから…ダークの子供を見せてよ、きっとすごく可愛いだろうなぁ…ははっ、僕は子供は作れない体だろうから、絶対に絶対に抱かせてね?」
「アキラ…あなたはっ、なんでそんな…アキラっ!」
抱きしめられてもなお小さく震えているのは、アキラが泣いているからか、ダークが泣いているからか二人にはもうわからなかった。
「ずっと僕達は親友だから…ずっとずっと…」
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