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28.シバという人
759.馬鹿と紳士
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「アハハハ…
やっぱり弱いやつは駄目だよな?
まさかこんなウォーターボールも防げれないなんて、恥ずかしぃ!
副所長だぜ?訓練施設の副所長が!!アヒャヒャヒャ……」
何が起きたかわからなかった。
午後からの施設内での役員会議のために、谷口さんと打ち合わせをしながら廊下を足早に歩いていると
右斜前からウォーターボールが放たれたのだ……
目をやれば、休憩所で三人の冒険者達が馬鹿のように笑い転げている。
僕と谷口さんはびしょ濡れで、しかも谷口さんが抱えていた役員会議のための資料まで濡れている。
あいつらは見たことがあるぞ?
転売をやらかしてシバさんに扱きまくられていた連中と一緒に開所式に出ていた連中だな
はぁ…っとため息を漏らして、谷口さんを見れば明らかにキレている様子だ!
そりゃそうですよね…これはありえないですよね?
「あんたら、わかっているんですか?
こんなことして、どうなるかくらいその軽そうな頭でも考えられますよね?
学生じゃないんだから、自分の責任はご自身でとっていただきますよ?」
「アキラさん、いけません…貴方は前に出ないでください!
貴方に目の前で怪我でもされたら、私が堪りませんからね?とりあえず私の後ろに…」
谷口さんが庇うように僕の前にでてくれるけど、谷口さんだって僕と一緒くらい強くないはずですよね?
同じG級冒険者ですよね?
だったらまだ、防御力の強い僕の方が殴られた方がいいと思うけど…
谷口さんが梃子でも動かないみたいに、前から退いてくれない!
「とりあえず、貴方達は…
こんなことを、ただじゃ済みませんよ……」
「はぁ?おっさんが何か言ってるよ?冒険者ってのは強ければ正義なんだよ!
だいたいお前みたいな、弱っちくて頭だけがでかいやつが上にいること自体がおかしい訳?早くやめてくれないかなぁ…
次はファイヤーでも喰らってみる?火傷しちゃうよ?ヒャヒャヒャ!!」
「静寂!」
「………??!!………?!」
廊下を走ってくる音と後ろから囁かれた演唱に、張り詰めていた空気が治まっていく。
口をパクパクとして大変に無様に慌てている馬鹿達を尻目に、振り向いて最高の笑顔を向けていく
「アキラ君、大丈夫かい?
谷口さんも遅れてすいません、まさか本当にこんな馬鹿がでるなんて…
信じられないな、今の冒険者の質ってこんなんなのかい?」
「えぇ…びちゃびちゃになってしまっただけで、大したことはありませんよ?
ただ書類が駄目になってしまいました。プリントアウトし直しだ…参りましたね」
ロンさんが僕の頬に引っ付いた髪をかき上げて、どこも怪我がないか確かめるように体の上から下までを心配そうに見てくる。
一通り見終わると、安心したようにため息を付くと……
「束縛」
僕達に襲いかかる勢いで、突進してきた馬鹿に演唱を一つ唱えて、目も向けずに束縛魔法で縛り上げていった。
こんなかっこいい姿を見せられると、やはりドキリってしちゃうから困ってしまう!
あの馬鹿達と比べたら、使える魔法の質も早さも段違いに素晴らしい
スピードと構成力はきっとカズマですら敵わないと思う!
そんな僕の気もしらないて、優しく僕を安心をさせるように笑いかけてくる
この紳士には、本当に困ってしまう!
やっぱり弱いやつは駄目だよな?
まさかこんなウォーターボールも防げれないなんて、恥ずかしぃ!
副所長だぜ?訓練施設の副所長が!!アヒャヒャヒャ……」
何が起きたかわからなかった。
午後からの施設内での役員会議のために、谷口さんと打ち合わせをしながら廊下を足早に歩いていると
右斜前からウォーターボールが放たれたのだ……
目をやれば、休憩所で三人の冒険者達が馬鹿のように笑い転げている。
僕と谷口さんはびしょ濡れで、しかも谷口さんが抱えていた役員会議のための資料まで濡れている。
あいつらは見たことがあるぞ?
転売をやらかしてシバさんに扱きまくられていた連中と一緒に開所式に出ていた連中だな
はぁ…っとため息を漏らして、谷口さんを見れば明らかにキレている様子だ!
そりゃそうですよね…これはありえないですよね?
「あんたら、わかっているんですか?
こんなことして、どうなるかくらいその軽そうな頭でも考えられますよね?
学生じゃないんだから、自分の責任はご自身でとっていただきますよ?」
「アキラさん、いけません…貴方は前に出ないでください!
貴方に目の前で怪我でもされたら、私が堪りませんからね?とりあえず私の後ろに…」
谷口さんが庇うように僕の前にでてくれるけど、谷口さんだって僕と一緒くらい強くないはずですよね?
同じG級冒険者ですよね?
だったらまだ、防御力の強い僕の方が殴られた方がいいと思うけど…
谷口さんが梃子でも動かないみたいに、前から退いてくれない!
「とりあえず、貴方達は…
こんなことを、ただじゃ済みませんよ……」
「はぁ?おっさんが何か言ってるよ?冒険者ってのは強ければ正義なんだよ!
だいたいお前みたいな、弱っちくて頭だけがでかいやつが上にいること自体がおかしい訳?早くやめてくれないかなぁ…
次はファイヤーでも喰らってみる?火傷しちゃうよ?ヒャヒャヒャ!!」
「静寂!」
「………??!!………?!」
廊下を走ってくる音と後ろから囁かれた演唱に、張り詰めていた空気が治まっていく。
口をパクパクとして大変に無様に慌てている馬鹿達を尻目に、振り向いて最高の笑顔を向けていく
「アキラ君、大丈夫かい?
谷口さんも遅れてすいません、まさか本当にこんな馬鹿がでるなんて…
信じられないな、今の冒険者の質ってこんなんなのかい?」
「えぇ…びちゃびちゃになってしまっただけで、大したことはありませんよ?
ただ書類が駄目になってしまいました。プリントアウトし直しだ…参りましたね」
ロンさんが僕の頬に引っ付いた髪をかき上げて、どこも怪我がないか確かめるように体の上から下までを心配そうに見てくる。
一通り見終わると、安心したようにため息を付くと……
「束縛」
僕達に襲いかかる勢いで、突進してきた馬鹿に演唱を一つ唱えて、目も向けずに束縛魔法で縛り上げていった。
こんなかっこいい姿を見せられると、やはりドキリってしちゃうから困ってしまう!
あの馬鹿達と比べたら、使える魔法の質も早さも段違いに素晴らしい
スピードと構成力はきっとカズマですら敵わないと思う!
そんな僕の気もしらないて、優しく僕を安心をさせるように笑いかけてくる
この紳士には、本当に困ってしまう!
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