夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの?

モスマンの娘

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27.強くなるよ

748.貴方の側に (sideシバ)

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「すまかった、シバ……
私が間違っていたんだ、お前は必死に自分のできることをやろうとしてたから、本当に頑張ってくれていたから、そこに甘えてしまったんだ…
教えもしないで、間違えたら叱るだけなど…ひどい上司だ!」


バスターさんが俺の背中を撫でながら謝ってくれる。
でも違うんだ……俺が悪いんだ!俺ができなかったから…


「お前はよくやってくれていたのに…
私は私の仕事でいっぱいいっぱいになってしまっていたよ、情けない
できていなかったのは私だったんだ!
すまないがしばらくは私の手伝いをしてくれないか?
どうも私はシバが側にいてくれないと駄目らしい、一日に一時間くらいでもいはいから」


しかもこれからはバスターさんの側で働けるの?
俺は満足に自分の仕事もできないのに、こんな俺を選んでくれるの?


「あと本社の新人研修を受けてきてくれ、きっと役に立つと思うから、これからは研修や講習も受けていってほしいんだ
事務作業がしっかりとできるようになったら、行く行くは俺の執務室に机を移して俺の補佐役をしてほしいのだが……
お前は訓練生に訓練を付けながらだから、かなり大変になるだろうが……
嫌だろうか?」


嫌なわけがない!もうどんどん受けるし、そこでしっかりと覚えてきたら
バスターさんの本当に右腕みたいに、一緒に仕事ができるってことでしょ?
俺は頭は悪いけど…


「俺は頑張ります!
今度こそ、バスターさんの期待に応えるように……俺はしっかりできるように……」

「シバはずっと頑張ってくれていたよ?私が見えていなかったんだ…
しっかりなんてしなくていいから…
間違えたら一緒に直していけばいいからな…だから私に必ずわからなかったら話してくれな?」


もう、俺の不安をここに来てからの苦しさをバスターさんがどんどん取り除いてくれる。
止まっていた涙がまた溢れてきそうでカッコ悪い……


「本当にすまなかった。私はお前にこそ、この指導者という職が天職だと思ったから
だから私はこの役職を受けたのに、そんなお前をこんなに傷つけるなんて…
一番大事に思っていた、お前を不安にさせているなんて…
私は本当に馬鹿だ!
シバはこんな私を許してくれるか?」

「そんなっ…許すもなにもっ
俺のために?俺のためにバスターさんは……
俺はずっとバスターさんの側にいたい!できるなら一番側にいたい!
好きだから、バスターさんのことがすごくすごく好きだから!!」


もうあんなに嫌そうだったこの内勤の仕事を受ける理由が、俺のためだったってことも嬉しいし…
一番大事なんて言われたら、もう泣けてきてしかたないし…

そんな俺の涙をゴツゴツの太い指で拭いながら、優しく笑いかけてくれる。
もうその笑顔がカッコ良すぎて、ドキドキしてしかたなくて
これって…やっぱり俺ってバスターさんのことを?


「ありがとう、シバ…
私もお前が一番大事で、特別なんだよ…これからは二人で頑張っていこうな?」


もう、これは!俺の告白を受けてくれたってことでいいんだよね?
だって…さっき俺はしっかり好きだって言ったもん二回も言ったもん!バスターさんも俺のことを……


「はぁ…本当に、よかったよ…
お前に許してもらえなかったら、どうしようかと思った。
ははっ…それにしても、アキラさんにお前があいつらに渡した書類をラブレターと揶揄されてしまったよ?
本当にあの人は…冗談が過ぎるだろう?
まったく…お前からラブレターなんてありえないだろう?」


ピシリッと俺の幸せな気持ちにヒビが入った音がした。
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