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✿❀✿ 番外編 ❀✿❀
§§ 甘さ想いを隠して バレンタイン記念 §§
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一日遅れのバレンタインSSです。
固定CPでもなく、最近はまり中のシバ✕バスターです。
興味のない方はスルーしてください
==============
「今日は重要なご相談がありますからね!僕の研究室に15時にお願いします。」
なんてアキラさんに朝一番で言われたので、ぴったり15時に研究室に入れば……
研究室には甘くて香ばしい匂いが漂っていて、そういえば今日は……
「バスターさんいらっしゃい!
とりあえずチョコフォンデュ食べながら話しましょうか?
ロンさん、カズマ、出すお菓子はこれで全部ですか?」
「そうだね…あとはコーヒーと口直しのポテチかな?結構このポテチをフォンデュしても美味しいんだよ?
柿の○は上からかけてみてね、これもいけるんだよ!」
机には色とりどりのマシュマロや一口ドーナツ、ポテチに柿の○に、イチゴにパイナップルなどフルーツも盛り沢山で……
これはもう…ホテルのバイキング並ですね!
しかもフルーツなんて飾り切りして目にも鮮やか…
更にトッピングシュガーもキレイにガラスの器に盛られて、キラキラと光ったその光景は………
あぁぁ!!!
こんなん、私の可愛いセンサーが反応してしまう
悶えて、カワイィ!!!っと叫びたくなってしまう
もうなんとかこらえて、フゥ~っと鼻息荒く勧められた席に座っていけば…
素敵なお茶会がすぐに始まって
「うわっ本当だ、ポテチにチョコってめちゃくちゃ美味しい!
そういえば、ロイ○もそんな商品ありますもんね?○の種も意外に合う」
「でしょ?アキラはあんまり甘いの沢山食べられないから、師匠といろいろ試したんだよ…
マシュマロも食べてみてよ、これも手作りだからね?師匠は流石だよ?
なんでも作っちゃう」
「私なんかマシュマロとか作り方すら想像できませんよ…、すごいですね、ハート形や星形なんかもありますね
本当に……カワイィ……」
「マシュマロは結構、簡単だよ?
本当はチョコレートも作りたかったんだけどね………
何回か挑戦してるんだけど、なかなか納得いく物ができないんだよね
やっぱり買った方が美味しくてさ…」
「そういえは、このフォンデュのチョコもめちゃくちゃ美味しいですね?
どこのなんですか?絶対にこだわったメーカーな気がする……
ロンさんは本当にすごいなぁ」
ひとしきりチョコフォンデュを楽しんで、後半はトッピングシュガーでいかに可愛くデコれるかに夢中になってしまったが……
とりあえず大変に美味しいおやつをご馳走になってしまったので
やはりお礼はしないといけないよなぁ…
「ご相談って…たぶん……それですよね?服を選んで欲しいとかですか?
これは…また…可愛らしいぃ」
「そうなんです!
今日は仕事帰りにジョンとデートなんですけどね、バレンタインだしチョコレート色にって茶色のチェックワイドパンツを選んだらどうしても大人しめになっちゃって……
ジョンは可愛い感じがすきなんですけどね?」
さっきからラックにかけてある茶色のチェックで深い青地のスカートか?ってほどのワイドパンツが気になっていたが…
確かに落ち着いた色合いだから、これにパステルカラーは合わないだろう
「これ下色がブルー系だからモコモコの深い青色のセーターとかどうかな?
それを差し色にして、あとは黒か紺色のベレー帽とカバンで…
ちょっと大人し目ですが、こんな感じでどうですか?」
ラックにおいてあるアキラさんの服や小物で簡単にコーディネートしていけば……
「おぉ…さすがバスターさん、めちゃくちゃお洒落で垢抜けましたね!
ありがとうございます。
なんか自分のコーデに納得いかなくて、助かりました!」
「おぉ…これは可愛いねぇ
アキラ君、後で写真とらせてね?
バスターさんのコーデはやっぱり一味違うんだよね……カワイイ……」
シノダ教授がニヤニヤ顔でアキラさんを見つめている…
この人もかなり変な人だとは思う
アキラさんとの関係はよくわからないが、甲斐甲斐しく面倒は見ていて、たぶんアキラさんが呼んでいるのはこの人の真名で、別にジョン君からアキラさんを取ろうとはしてなくて…
そこに感じるのはアキラさんへのひたすらな執着と狂気地味た愛情で…
「へぇ…また可愛らしい服だね?
俺はあんまり興味無いけど……
アキラはもう食べないの?フルーツとかなら食べられない?
カロリーはエネルギーだよ!食べなきゃ体力つかないよ?」
そしてこっちのカズマさんもよくわからない人だ…
一発でB級冒険者試験を合格するほどの魔力と魔法を使えるのに、ひたすらアキラさんのポーション作りの助手をしている
一度その姿を見たら、本当にジョン君と付き合ってるんだよね?カズマさんが本命だったかな??
って感じるくらいの親密な距離感で!
ただ普段のアキラさんの対応は女王様みたいだけど……
この前も何かやらかしたらしくて、顔面を土足で踏みつけてたし、それをこの人は喜んで喘いでいたし…
そして一番、理解ができないのは
そんな二人の気が狂いそうな執着と愛情を一身に受けながら、飄々とコーヒーを飲んでいるこの人で……
「バスターさんはシバさんとデートとか行かないんですか?
バレンタインですよ?何か用意とかしましたか?」
「はっ?!いや……私達はそんな関係じゃないですし、デートとか…バレンタインとか……それに私はこんな見た目で、そんな私からなんて貰っても、ははっ……気を使わせるだけでしょう?」
「えっ?まだ付き合ってなかったの?もうとっくに……
え~と、シバさんはさっき冒険者の女の子からチョコをめちゃくちゃ貰ってましたよ?いいんですか?」
アキラさんの言葉に、胸にモヤモヤしたものが生まれる。
シバのことは…確かに……でもこれは隠しておかないといけない気持ちで……
「ふふっ…その顔、人狼はチョコレートで中毒を起こす人がいるから
あげるならホワイトチョコか、違うお菓子の方がいいですよ?
バスターさん、ちょっとコレを郵便に出してきてくれませんか?
貴方の足ならすぐに出してこれるでしょ?」
普段だったらアキラさんは私に、こんなパシリのようなことを絶対に頼むわけもない
いつもは所長として、しっかりと私を立てて接してくれている。
要は、街に行って何か用意してきたらいいですよ?ってことだろうか……
仕方なく、自前のロードバイクで街まで出れば…そこは……
可愛ぃ!!
この時期のお菓子売り場は私のような見た目の者は、近づいてはいけないっと思っていたが
色とりどりに可愛らしくラッピングされたチョコにマカロンにクッキーに……
どうしよう!!遠目で見てても可愛いが溢れているて…
ふらふらっと吸い寄せられるままに、まだ空いていそうな小さなお菓子屋さんに入ってきてしまった!
色とりどりのお菓子達を見ていると、メイドのような可愛らしい店員さんがにこやかにこちらをみている……
「あのっ…、部下にあげたいのですが…、ただ人狼で……チョコが大丈夫かわからなくてっ」
「でしたらこちらのクッキーやマカロン、あとはグミなどなら大丈夫かと…
お菓子の意味などを気にされるなら、お仕事関係でしたらクッキーがよろしいかと…」
意味?お菓子に意味なんてあるのか?
そういえば可愛らしい商品POPにお菓子の意味が一つずつ書いてある…
バレンタイン商戦というものか…そんものがあるとは知らなかった。
グミは『嫌い』という意味があるのか、少し怖いなぁ…だれにあげるのだろうか
クッキーは『貴方は友達』か確かに仕事関係ならいい意味だろうが……
マカロンは……これは……
小さな可愛らしいショッパーにいれてもらった。きっと喜んでもらえるだろう…
少し蒸気して頬が熱いが、たぶんロードバイクをこいでいけばすぐにこの寒さなら冷えるし…
購入したものを横目で確認しながら、足を動かして帰路を急いだ
「あのっ…これを、クッキーですが」
「えっ?あぁ…そんな、僕にはよかったのに、すいません気を使ってもらっちゃって…アハハ、可愛ぃ!めちゃくちゃお洒落なショッパーだ!
ふふっ……僕もバスターさんとは末永く仲良くしたいですよ?」
執務室に書類を渡しに来てくれたアキラさんにショッパーに入れたクッキーを渡せば、笑顔で喜んでくれた。
その言い方はクッキーの意味を知っているようで、さすがだな…
「失礼します。
あの…所長、ご相談がありましっ
えっ?……なんですか?貴方もいたんですね……それって!」
シバが両手にでかい紙袋を下げて入ってきた。中はかなりの量の色とりどりのラッピングされた箱で…
他にも専用のショッパーのまま下げているものが数個ある。
専用のショッパーのものは大きさからもメーカーからも本命に間違いなくて
私の胸のもやもやがなぜが痛みを発しだしたようで……
「シバさんすごい量ですね?
さすが我が訓練所で一番人気のコーチなだけあるなぁ…」
「えっ?あぁ…義理でしょ?
それに俺はチョコは中毒があって、あと甘いのもあまり好きじゃないし……
これらの処理が困ってるんですけど、どうしたらいいかって相談に……アキラさんこそ、それって……」
「あぁ、今バスターさんからいただきました。クッキーだそうです。
もし、よかったら僕の貰ったチョコとかと一緒に孤児院に寄付しましょうか?」
「うっ…………よろしくお願いします。」
シバの対応に、あんなにシクシクと痛んでいた胸の痛みが嘘のように消えていった。
自分の正直すぎる反応に頬が熱くなるが……甘いのは苦手だったか、知らなかった。
「わかりました。後で谷口さんに取りに来てもらうので、こちらに少し置かせてください。
それでは……バスターさん!クッキーありがとうございますねぇ」
アキラさんめ……絶対に私の反応をみて楽しんでいるような目をして、足取り軽く退室していった。
ただせっかく買ったが……きっとシバには食べてもらえないだろう
なら自分で食べるか、それかあの大量の菓子達の中に入れればいいかっと
シバがローテーブルに置いた袋を見れば、色とりどりリボンや包装紙……
その中に自分の想いも埋もれてしまうのは、なせが酷く悲しく思えて……
やはり自分で食べてしまおうっと決めたのだが
顔を上げれば、俯いたままジッと固まっていてなかなか退室していかないシバがいて……
何をしているんだ?コイツは……
「シバ?どうし……
「俺のは………ないんですか?」
小さく拗ねたように呟かれだ言葉が、私の動きを止める。
シバはギュッと拳を握りしめて、直立したまま俯いていて……
これはっ、少しは期待してもいいのだろうか?
「あぁ…実はお前にも買ってあるんだが…、かなり甘いものなんだよ…
貰ってもらえるか?無理しなくてもいいが……」
「貰いますよ!バスターさんがくれるんだったら、砂糖の塊でも、チョコレートでも喜んで食べるし!!」
「いやっ、チョコレートは中毒起こすんだろう?マカロンなんだが……」
ポケットから先程買った、5個入りのマカロンを取り出す。
どうしても恥ずかしくて、包装を頼めなかったのだが……シンプルな透明な容器に色とりどりのマカロンが透けて見える。
シバは絶対に菓子の意味なんて知らないだろうと、それでもこれを選んでしまったさっきの自分に苦笑いを浮かべながら顔を上げれば……
「マカロンって……嘘でしょ?
本当に?えっ……マカロンは…えっ?」
真っ赤な顔をして目をこれでもかっと開いて、毛を立たせまくっているシバがいて………
まさかっ!知っていたのか?あのシバが??
「いやっ…あのっ、全然受けとってもらわなくてもいいんだが…気持ち悪いとかなら……」
「悪いわけないでしょ!
絶対に貰うし、ああぁ…でもどうしよう、食べたらなくなっちゃう!
取っておきたい、ううぅ…どうしましょう?」
「そこは食べなさい、もったいないだろう?」
普段は感情を隠すために動かさない尻尾が、今はブンブンっと振られている。
よかった…喜んではもらえたらしい
私があげたマカロンを大事に大事に抱きしめるようにして、シバはご機嫌な足取りで退出していく
「そっか……へへっ、俺はバスターさんの『特別な存在』なのか……
だからあの人はクッキーなわけか……」
なおも止まらない尻尾と嬉しそうに小さく呟かれた言葉に、私ばもう沸騰しそうなくらい恥ずかしくて
それでも、胸の中の痛みもモヤモヤもすっかり消えてしまって
あるのは期待とくすぐったいような疼きで
どうかこの期待が暴走してしまわないように、あの可愛いシバに私の想いがバレてしまわないように…
目を閉じて、溜め息をついて
胸の込み上げてくる高鳴りを収めていった
================
まだシバに踏み込めないバスターが好きです。
新しく一本にシバ✕バスターで書こうか悩んでいます。
顎割れ女装癖のおじさん受でなかなか濃ゆい一本になるかもしれませんが
ご要望、ご感想いただけたら跳び跳ねて喜びます!
固定CPでもなく、最近はまり中のシバ✕バスターです。
興味のない方はスルーしてください
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「今日は重要なご相談がありますからね!僕の研究室に15時にお願いします。」
なんてアキラさんに朝一番で言われたので、ぴったり15時に研究室に入れば……
研究室には甘くて香ばしい匂いが漂っていて、そういえば今日は……
「バスターさんいらっしゃい!
とりあえずチョコフォンデュ食べながら話しましょうか?
ロンさん、カズマ、出すお菓子はこれで全部ですか?」
「そうだね…あとはコーヒーと口直しのポテチかな?結構このポテチをフォンデュしても美味しいんだよ?
柿の○は上からかけてみてね、これもいけるんだよ!」
机には色とりどりのマシュマロや一口ドーナツ、ポテチに柿の○に、イチゴにパイナップルなどフルーツも盛り沢山で……
これはもう…ホテルのバイキング並ですね!
しかもフルーツなんて飾り切りして目にも鮮やか…
更にトッピングシュガーもキレイにガラスの器に盛られて、キラキラと光ったその光景は………
あぁぁ!!!
こんなん、私の可愛いセンサーが反応してしまう
悶えて、カワイィ!!!っと叫びたくなってしまう
もうなんとかこらえて、フゥ~っと鼻息荒く勧められた席に座っていけば…
素敵なお茶会がすぐに始まって
「うわっ本当だ、ポテチにチョコってめちゃくちゃ美味しい!
そういえば、ロイ○もそんな商品ありますもんね?○の種も意外に合う」
「でしょ?アキラはあんまり甘いの沢山食べられないから、師匠といろいろ試したんだよ…
マシュマロも食べてみてよ、これも手作りだからね?師匠は流石だよ?
なんでも作っちゃう」
「私なんかマシュマロとか作り方すら想像できませんよ…、すごいですね、ハート形や星形なんかもありますね
本当に……カワイィ……」
「マシュマロは結構、簡単だよ?
本当はチョコレートも作りたかったんだけどね………
何回か挑戦してるんだけど、なかなか納得いく物ができないんだよね
やっぱり買った方が美味しくてさ…」
「そういえは、このフォンデュのチョコもめちゃくちゃ美味しいですね?
どこのなんですか?絶対にこだわったメーカーな気がする……
ロンさんは本当にすごいなぁ」
ひとしきりチョコフォンデュを楽しんで、後半はトッピングシュガーでいかに可愛くデコれるかに夢中になってしまったが……
とりあえず大変に美味しいおやつをご馳走になってしまったので
やはりお礼はしないといけないよなぁ…
「ご相談って…たぶん……それですよね?服を選んで欲しいとかですか?
これは…また…可愛らしいぃ」
「そうなんです!
今日は仕事帰りにジョンとデートなんですけどね、バレンタインだしチョコレート色にって茶色のチェックワイドパンツを選んだらどうしても大人しめになっちゃって……
ジョンは可愛い感じがすきなんですけどね?」
さっきからラックにかけてある茶色のチェックで深い青地のスカートか?ってほどのワイドパンツが気になっていたが…
確かに落ち着いた色合いだから、これにパステルカラーは合わないだろう
「これ下色がブルー系だからモコモコの深い青色のセーターとかどうかな?
それを差し色にして、あとは黒か紺色のベレー帽とカバンで…
ちょっと大人し目ですが、こんな感じでどうですか?」
ラックにおいてあるアキラさんの服や小物で簡単にコーディネートしていけば……
「おぉ…さすがバスターさん、めちゃくちゃお洒落で垢抜けましたね!
ありがとうございます。
なんか自分のコーデに納得いかなくて、助かりました!」
「おぉ…これは可愛いねぇ
アキラ君、後で写真とらせてね?
バスターさんのコーデはやっぱり一味違うんだよね……カワイイ……」
シノダ教授がニヤニヤ顔でアキラさんを見つめている…
この人もかなり変な人だとは思う
アキラさんとの関係はよくわからないが、甲斐甲斐しく面倒は見ていて、たぶんアキラさんが呼んでいるのはこの人の真名で、別にジョン君からアキラさんを取ろうとはしてなくて…
そこに感じるのはアキラさんへのひたすらな執着と狂気地味た愛情で…
「へぇ…また可愛らしい服だね?
俺はあんまり興味無いけど……
アキラはもう食べないの?フルーツとかなら食べられない?
カロリーはエネルギーだよ!食べなきゃ体力つかないよ?」
そしてこっちのカズマさんもよくわからない人だ…
一発でB級冒険者試験を合格するほどの魔力と魔法を使えるのに、ひたすらアキラさんのポーション作りの助手をしている
一度その姿を見たら、本当にジョン君と付き合ってるんだよね?カズマさんが本命だったかな??
って感じるくらいの親密な距離感で!
ただ普段のアキラさんの対応は女王様みたいだけど……
この前も何かやらかしたらしくて、顔面を土足で踏みつけてたし、それをこの人は喜んで喘いでいたし…
そして一番、理解ができないのは
そんな二人の気が狂いそうな執着と愛情を一身に受けながら、飄々とコーヒーを飲んでいるこの人で……
「バスターさんはシバさんとデートとか行かないんですか?
バレンタインですよ?何か用意とかしましたか?」
「はっ?!いや……私達はそんな関係じゃないですし、デートとか…バレンタインとか……それに私はこんな見た目で、そんな私からなんて貰っても、ははっ……気を使わせるだけでしょう?」
「えっ?まだ付き合ってなかったの?もうとっくに……
え~と、シバさんはさっき冒険者の女の子からチョコをめちゃくちゃ貰ってましたよ?いいんですか?」
アキラさんの言葉に、胸にモヤモヤしたものが生まれる。
シバのことは…確かに……でもこれは隠しておかないといけない気持ちで……
「ふふっ…その顔、人狼はチョコレートで中毒を起こす人がいるから
あげるならホワイトチョコか、違うお菓子の方がいいですよ?
バスターさん、ちょっとコレを郵便に出してきてくれませんか?
貴方の足ならすぐに出してこれるでしょ?」
普段だったらアキラさんは私に、こんなパシリのようなことを絶対に頼むわけもない
いつもは所長として、しっかりと私を立てて接してくれている。
要は、街に行って何か用意してきたらいいですよ?ってことだろうか……
仕方なく、自前のロードバイクで街まで出れば…そこは……
可愛ぃ!!
この時期のお菓子売り場は私のような見た目の者は、近づいてはいけないっと思っていたが
色とりどりに可愛らしくラッピングされたチョコにマカロンにクッキーに……
どうしよう!!遠目で見てても可愛いが溢れているて…
ふらふらっと吸い寄せられるままに、まだ空いていそうな小さなお菓子屋さんに入ってきてしまった!
色とりどりのお菓子達を見ていると、メイドのような可愛らしい店員さんがにこやかにこちらをみている……
「あのっ…、部下にあげたいのですが…、ただ人狼で……チョコが大丈夫かわからなくてっ」
「でしたらこちらのクッキーやマカロン、あとはグミなどなら大丈夫かと…
お菓子の意味などを気にされるなら、お仕事関係でしたらクッキーがよろしいかと…」
意味?お菓子に意味なんてあるのか?
そういえば可愛らしい商品POPにお菓子の意味が一つずつ書いてある…
バレンタイン商戦というものか…そんものがあるとは知らなかった。
グミは『嫌い』という意味があるのか、少し怖いなぁ…だれにあげるのだろうか
クッキーは『貴方は友達』か確かに仕事関係ならいい意味だろうが……
マカロンは……これは……
小さな可愛らしいショッパーにいれてもらった。きっと喜んでもらえるだろう…
少し蒸気して頬が熱いが、たぶんロードバイクをこいでいけばすぐにこの寒さなら冷えるし…
購入したものを横目で確認しながら、足を動かして帰路を急いだ
「あのっ…これを、クッキーですが」
「えっ?あぁ…そんな、僕にはよかったのに、すいません気を使ってもらっちゃって…アハハ、可愛ぃ!めちゃくちゃお洒落なショッパーだ!
ふふっ……僕もバスターさんとは末永く仲良くしたいですよ?」
執務室に書類を渡しに来てくれたアキラさんにショッパーに入れたクッキーを渡せば、笑顔で喜んでくれた。
その言い方はクッキーの意味を知っているようで、さすがだな…
「失礼します。
あの…所長、ご相談がありましっ
えっ?……なんですか?貴方もいたんですね……それって!」
シバが両手にでかい紙袋を下げて入ってきた。中はかなりの量の色とりどりのラッピングされた箱で…
他にも専用のショッパーのまま下げているものが数個ある。
専用のショッパーのものは大きさからもメーカーからも本命に間違いなくて
私の胸のもやもやがなぜが痛みを発しだしたようで……
「シバさんすごい量ですね?
さすが我が訓練所で一番人気のコーチなだけあるなぁ…」
「えっ?あぁ…義理でしょ?
それに俺はチョコは中毒があって、あと甘いのもあまり好きじゃないし……
これらの処理が困ってるんですけど、どうしたらいいかって相談に……アキラさんこそ、それって……」
「あぁ、今バスターさんからいただきました。クッキーだそうです。
もし、よかったら僕の貰ったチョコとかと一緒に孤児院に寄付しましょうか?」
「うっ…………よろしくお願いします。」
シバの対応に、あんなにシクシクと痛んでいた胸の痛みが嘘のように消えていった。
自分の正直すぎる反応に頬が熱くなるが……甘いのは苦手だったか、知らなかった。
「わかりました。後で谷口さんに取りに来てもらうので、こちらに少し置かせてください。
それでは……バスターさん!クッキーありがとうございますねぇ」
アキラさんめ……絶対に私の反応をみて楽しんでいるような目をして、足取り軽く退室していった。
ただせっかく買ったが……きっとシバには食べてもらえないだろう
なら自分で食べるか、それかあの大量の菓子達の中に入れればいいかっと
シバがローテーブルに置いた袋を見れば、色とりどりリボンや包装紙……
その中に自分の想いも埋もれてしまうのは、なせが酷く悲しく思えて……
やはり自分で食べてしまおうっと決めたのだが
顔を上げれば、俯いたままジッと固まっていてなかなか退室していかないシバがいて……
何をしているんだ?コイツは……
「シバ?どうし……
「俺のは………ないんですか?」
小さく拗ねたように呟かれだ言葉が、私の動きを止める。
シバはギュッと拳を握りしめて、直立したまま俯いていて……
これはっ、少しは期待してもいいのだろうか?
「あぁ…実はお前にも買ってあるんだが…、かなり甘いものなんだよ…
貰ってもらえるか?無理しなくてもいいが……」
「貰いますよ!バスターさんがくれるんだったら、砂糖の塊でも、チョコレートでも喜んで食べるし!!」
「いやっ、チョコレートは中毒起こすんだろう?マカロンなんだが……」
ポケットから先程買った、5個入りのマカロンを取り出す。
どうしても恥ずかしくて、包装を頼めなかったのだが……シンプルな透明な容器に色とりどりのマカロンが透けて見える。
シバは絶対に菓子の意味なんて知らないだろうと、それでもこれを選んでしまったさっきの自分に苦笑いを浮かべながら顔を上げれば……
「マカロンって……嘘でしょ?
本当に?えっ……マカロンは…えっ?」
真っ赤な顔をして目をこれでもかっと開いて、毛を立たせまくっているシバがいて………
まさかっ!知っていたのか?あのシバが??
「いやっ…あのっ、全然受けとってもらわなくてもいいんだが…気持ち悪いとかなら……」
「悪いわけないでしょ!
絶対に貰うし、ああぁ…でもどうしよう、食べたらなくなっちゃう!
取っておきたい、ううぅ…どうしましょう?」
「そこは食べなさい、もったいないだろう?」
普段は感情を隠すために動かさない尻尾が、今はブンブンっと振られている。
よかった…喜んではもらえたらしい
私があげたマカロンを大事に大事に抱きしめるようにして、シバはご機嫌な足取りで退出していく
「そっか……へへっ、俺はバスターさんの『特別な存在』なのか……
だからあの人はクッキーなわけか……」
なおも止まらない尻尾と嬉しそうに小さく呟かれた言葉に、私ばもう沸騰しそうなくらい恥ずかしくて
それでも、胸の中の痛みもモヤモヤもすっかり消えてしまって
あるのは期待とくすぐったいような疼きで
どうかこの期待が暴走してしまわないように、あの可愛いシバに私の想いがバレてしまわないように…
目を閉じて、溜め息をついて
胸の込み上げてくる高鳴りを収めていった
================
まだシバに踏み込めないバスターが好きです。
新しく一本にシバ✕バスターで書こうか悩んでいます。
顎割れ女装癖のおじさん受でなかなか濃ゆい一本になるかもしれませんが
ご要望、ご感想いただけたら跳び跳ねて喜びます!
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