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27.強くなるよ
734.波風のど真ん中 9 (sideバスター)
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「あと、すいませんでした。
シバが余計なことをしたばかりに、あんな書類を持ってこなければ、貴方は研究室まであいつらに差し出すこともなかっただろうに…
申し訳ない、あの素材だけでも…私が弁済を…」
「あぁ、気にしないでくださいよ!
あの素材は万が一の時用に用意しておいた物だから、僕にとって普通に買える素材なんてレアじゃないですよ?
それよりも奥の部屋に入られたのが腹が立ちましたよね
私用の部屋だって言ってんのに…はぁ…
コスメとか触るとか…腹立つなぁ!
でもシバさんをあまり叱らないであげてくださいね?
あの書類はバスターさんへのラブレターみたいな感じでしたよ?」
アキラさんの言葉に一気に頭が真っ白になる…ラブレターって
シバ…お前は一体、何を出してきたんだよ?
「あはは…顔が真っ赤だ!
バスターさんのこれまでの実績といかに素晴らしい人で、有能で優しくて、教育上手で勇敢かってことがびっちり書いてありました。
たぶんバスターさんを助けたかったんじゃないかな?
それでも、そんなの渡したら貴方やシバさんが標的になってしまうでしょ
ふふっ…シバさんも可愛らしい方ですね?
全身から大好きが漏れ出てる…」
そんなことを悪戯そうな笑顔で言ってくるから…
もう、私は顔が熱いし…耳までジンジンしてくるし…
でも明日からのことを考えたら、やっぱりため息しか出なかった。
「シバ、あのような書類は不要だ!
あのときアキラさんが止めてくれなかったらどうなってたことか…
いいな、お前はあいつらの相手はもう一切しなくていい!わかったな?」
アキラさんは怒っていなかったが、それでも私はシバに憤りを感じていた。
シバはどんなに私のことを思っての行動だとしても、こんな単独行動は許せなかったのだ。
冒険者が単独で勝手なことをすれば、最悪チームごと全滅しかねない!
シバには何回も教え込んだことだし、シバは教えた以上にチームメンバーを大事にするヤツだった
それが訓練所に来てからはどうだ…
シバは泣きそうな顔で頭を垂れて、耳も尻尾も垂れきっている。
握りしめられた拳はフルフルっと震えていて、可哀想になってくるが……
「これ以上アキラさんに迷惑はかけられないからな?
いいな、お前は指導者のリスト作りと入所する冒険者の選定をしてくれ
あと、この牙狼は特別枠で入所が決まっているらしい
この子にはお前に付いてもらう
初めての魔獣枠だからな…いろいろな配慮もいるだろうからな!頼んだぞ」
「……はい、わかりました。すいませんでした。」
ボソリっと涙声混じりの返事を聞けば、ズキリっと胸の痛みを感じるが…
ここで絆されるわけにはいかないのだ!
それでも、あの三人組からシバを遠ざけられたことに安堵しているあたりは
まだまだ私も甘いままなのだろうが…
ジョン君の資料をシバに渡して、部屋を退室していけば
「………」
小さくシバが何かを呟いたように思えたが、進める歩を止めることはなかった。
シバが余計なことをしたばかりに、あんな書類を持ってこなければ、貴方は研究室まであいつらに差し出すこともなかっただろうに…
申し訳ない、あの素材だけでも…私が弁済を…」
「あぁ、気にしないでくださいよ!
あの素材は万が一の時用に用意しておいた物だから、僕にとって普通に買える素材なんてレアじゃないですよ?
それよりも奥の部屋に入られたのが腹が立ちましたよね
私用の部屋だって言ってんのに…はぁ…
コスメとか触るとか…腹立つなぁ!
でもシバさんをあまり叱らないであげてくださいね?
あの書類はバスターさんへのラブレターみたいな感じでしたよ?」
アキラさんの言葉に一気に頭が真っ白になる…ラブレターって
シバ…お前は一体、何を出してきたんだよ?
「あはは…顔が真っ赤だ!
バスターさんのこれまでの実績といかに素晴らしい人で、有能で優しくて、教育上手で勇敢かってことがびっちり書いてありました。
たぶんバスターさんを助けたかったんじゃないかな?
それでも、そんなの渡したら貴方やシバさんが標的になってしまうでしょ
ふふっ…シバさんも可愛らしい方ですね?
全身から大好きが漏れ出てる…」
そんなことを悪戯そうな笑顔で言ってくるから…
もう、私は顔が熱いし…耳までジンジンしてくるし…
でも明日からのことを考えたら、やっぱりため息しか出なかった。
「シバ、あのような書類は不要だ!
あのときアキラさんが止めてくれなかったらどうなってたことか…
いいな、お前はあいつらの相手はもう一切しなくていい!わかったな?」
アキラさんは怒っていなかったが、それでも私はシバに憤りを感じていた。
シバはどんなに私のことを思っての行動だとしても、こんな単独行動は許せなかったのだ。
冒険者が単独で勝手なことをすれば、最悪チームごと全滅しかねない!
シバには何回も教え込んだことだし、シバは教えた以上にチームメンバーを大事にするヤツだった
それが訓練所に来てからはどうだ…
シバは泣きそうな顔で頭を垂れて、耳も尻尾も垂れきっている。
握りしめられた拳はフルフルっと震えていて、可哀想になってくるが……
「これ以上アキラさんに迷惑はかけられないからな?
いいな、お前は指導者のリスト作りと入所する冒険者の選定をしてくれ
あと、この牙狼は特別枠で入所が決まっているらしい
この子にはお前に付いてもらう
初めての魔獣枠だからな…いろいろな配慮もいるだろうからな!頼んだぞ」
「……はい、わかりました。すいませんでした。」
ボソリっと涙声混じりの返事を聞けば、ズキリっと胸の痛みを感じるが…
ここで絆されるわけにはいかないのだ!
それでも、あの三人組からシバを遠ざけられたことに安堵しているあたりは
まだまだ私も甘いままなのだろうが…
ジョン君の資料をシバに渡して、部屋を退室していけば
「………」
小さくシバが何かを呟いたように思えたが、進める歩を止めることはなかった。
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