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27.強くなるよ
730.波風のど真ん中 5 (sideシバ)
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バスターさんから怒られた。
すごくすごく怒られた。
「シバッ!お前は…あいつらを怒鳴りつけようとしていたらしいな?
あいつらはなぁ、役員なんだよ!
しかも古株で、会社の中では重鎮って言われる立場なんだよ!
中身はクソみたいな連中だが…お前がそんなことしたら、一発で追い出されるぞ!!」
そんなこと言われても…
俺は知らなかったし…
バスターさんは頭をぶっ叩いたら首が折れそうな分厚い本をバンッと机に置くと
「これは役員名簿だ!
どこの所属からどうやって役員に選出されたかとかも書いてある。
しっかり頭に叩き込んでおけ!
顔写真もついてるから、顔も覚えろよ、もう二度とこんな失態は許されないからな
シバ、頼むから身の振り方に気をつけろ!」
そう言い捨てて部屋を出て言ってしまった。
俺は昔から運動は得意だけど頭はあまり良くない
昔はそれで馬鹿にされたりしていたけど……
バスターさんはそんな俺を絶対に馬鹿になんかしなかったし、冒険者に誘ってくれた。
『お前は馬鹿なんかじゃないぞ?
素直なだけだ、それは長所だぞ?
お前はそのままでいい…』
『お前は直ぐに喧嘩を売っちまうな…
でもお前は間違えたことは言ってないよ、お前のその真っ直ぐなところが素敵だよ』
そうやって、いつも褒めてくれてたのに…
訓練施設に来てからは僕はバスターさんに怒られてばかりだ
この前だってアイツに反論したら、めちゃくちゃ怒られたし!
『あの人にはとりあえず逆らうな!
研究関係のことにお前は口をだすな!お前は冒険者の指導だけを考えろ
いいか?あの人は俺には底が見えない、絶対にお前は逆らうなよ!!』
そんな風に言ってたのに、あんなに薬品の臭いを身体中からさせるくらいにアイツと一緒にいて…
昨日だって俺は置いていかれて、あの嫌な冒険者とアイツと飲みにも行っちゃうし…
今朝だって真っ青な顔で出社してきたら、アイツに何かポーションもらって笑い合ってたし!
なんなんだよ!
俺は…俺は…ずっとバスターさんの後を追ってきたのに…
なんで訓練施設に来た途端、俺への扱いがこんなんなんだよ!
バスターさんはずっと俺に気を掛けてくれていた。
俺もそれに報いたくて、頑張って強くなって、チームでも副リーダーとかできるようになってた。
バスターさんが訓練施設の所長になるってなったとき、副所長をやって欲しいって言われたときは、すごくすごく嬉しかった。
バスターさんは俺を選んでくれたって、右腕として俺を連れて行ってくれるんだって……
なのに、バスターさんは俺よりもソイツがいいの?俺はもういらなくなっちゃったの?
滲む視界のまま、渡された名簿のページをめくっていた。少しでもバスターさんに褒められたかった。
すごくすごく怒られた。
「シバッ!お前は…あいつらを怒鳴りつけようとしていたらしいな?
あいつらはなぁ、役員なんだよ!
しかも古株で、会社の中では重鎮って言われる立場なんだよ!
中身はクソみたいな連中だが…お前がそんなことしたら、一発で追い出されるぞ!!」
そんなこと言われても…
俺は知らなかったし…
バスターさんは頭をぶっ叩いたら首が折れそうな分厚い本をバンッと机に置くと
「これは役員名簿だ!
どこの所属からどうやって役員に選出されたかとかも書いてある。
しっかり頭に叩き込んでおけ!
顔写真もついてるから、顔も覚えろよ、もう二度とこんな失態は許されないからな
シバ、頼むから身の振り方に気をつけろ!」
そう言い捨てて部屋を出て言ってしまった。
俺は昔から運動は得意だけど頭はあまり良くない
昔はそれで馬鹿にされたりしていたけど……
バスターさんはそんな俺を絶対に馬鹿になんかしなかったし、冒険者に誘ってくれた。
『お前は馬鹿なんかじゃないぞ?
素直なだけだ、それは長所だぞ?
お前はそのままでいい…』
『お前は直ぐに喧嘩を売っちまうな…
でもお前は間違えたことは言ってないよ、お前のその真っ直ぐなところが素敵だよ』
そうやって、いつも褒めてくれてたのに…
訓練施設に来てからは僕はバスターさんに怒られてばかりだ
この前だってアイツに反論したら、めちゃくちゃ怒られたし!
『あの人にはとりあえず逆らうな!
研究関係のことにお前は口をだすな!お前は冒険者の指導だけを考えろ
いいか?あの人は俺には底が見えない、絶対にお前は逆らうなよ!!』
そんな風に言ってたのに、あんなに薬品の臭いを身体中からさせるくらいにアイツと一緒にいて…
昨日だって俺は置いていかれて、あの嫌な冒険者とアイツと飲みにも行っちゃうし…
今朝だって真っ青な顔で出社してきたら、アイツに何かポーションもらって笑い合ってたし!
なんなんだよ!
俺は…俺は…ずっとバスターさんの後を追ってきたのに…
なんで訓練施設に来た途端、俺への扱いがこんなんなんだよ!
バスターさんはずっと俺に気を掛けてくれていた。
俺もそれに報いたくて、頑張って強くなって、チームでも副リーダーとかできるようになってた。
バスターさんが訓練施設の所長になるってなったとき、副所長をやって欲しいって言われたときは、すごくすごく嬉しかった。
バスターさんは俺を選んでくれたって、右腕として俺を連れて行ってくれるんだって……
なのに、バスターさんは俺よりもソイツがいいの?俺はもういらなくなっちゃったの?
滲む視界のまま、渡された名簿のページをめくっていた。少しでもバスターさんに褒められたかった。
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