夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

27.強くなるよ

710.序章

なんでこうなった？
まったく理解ができない……
ホールに集められて、僕の周りにはたくさんの冒険者達が一つ高い壇上にいる三人を睨んでいる。

アキラ、カズマさん、シノダ教授の三人、僕の周りの冒険者達いわく、クソ研究者トリオだ！

口々に冒険者達がアキラ達を貶めるような怒号をあげていく
でも壇上の三人はどこ吹く風とばかりに薄ら笑いを浮かべている。

そしてアキラが一歩踏み出すと、よく通るようなボーイソプラノの声で


「黙れよ！うるさい羽虫どもが…君達は本当に自分の立場がわかってないみたいだね？
冒険者資格を持ってるだけのならず者たちじゃないか？
君達の頭の中には何が入ってるんだい？糞でも敷き詰めてるんじゃないかな？」


アキラがめちゃくちゃ悪い顔で、僕の周りの冒険者達を挑発してくる…
これは…たぶん…


「君達は僕のモルモットなんだよ？
僕にただ体を差し出せばいいんだよ…
僕に反感を持つことなんか許されないし、考えることすら必要ない！
その糞の詰まった頭じゃ、ロクな考えも思いつかないだろう？」


アキラの言葉に更に怒号が響いていく、もうホールが揺れんばかりの大きさになってきている。


「あんなクソ科学者に好きなようにされてたまるか！」

「なんなんだ、あのクソがぶっ殺してやる…」

「なめやがって、強くもないガキが何ができるってんだ」

「あそこから引きずり降ろして、犯してやろうぜ！よく見りゃ、可愛い顔してんじゃないか？」


今めちゃくちゃ聞き捨てならない言葉が聞こえたけど、今から起きるかもしれないことに備えて、僕は唇を噛み締めて行った。