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26.そして共に
679.なんで君が悩んでるの?
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尻尾をパタパタ振りながらケーキのケースを見るジョンに頬が緩む
やっぱり、ジョンはこうやって嬉しそうにいて欲しい
「アキラ、アキラはどれがいい?
いろいろ味があるみたいだよ?
アキラの好きなピスタチオ味もあるよ?これにする?」
「あぁ…本当だ、でも僕はピスタチオは好きだけどピスタチオ味はそれほどだから…
せっかくだから大きいの頼んで半分こしようよ?ジョンはノーマルのがいいでしょ?」
「えっ?ピスタチオ味はそれほどなの?僕…知らなかった……」
あれっ?またジョンの耳と尻尾が垂れてしまった。折角ご機嫌でパタパタ可愛かったのに…
「でも、僕はジョンと一緒に食べたいんだよ、ほらっ?このケーキ可愛いけど、僕は食べきれないでしょ?
大きいやつの方がフワフワで可愛いだろ?駄目かな?」
僕のおねだりに、ガバリっと顔をあげてすぐに注文してくれた。
よかった、耳も尻尾も元気に戻ってくれている
コーヒーを飲みながらチーズケーキを食べるのは最高に美味しいし
ジョンはパタパタと尻尾を振りながら口元にチーズケーキを付けてて
嬉しそうに食べてるし
はぁ…なんだか幸せだなぁ
獲物として見られなくなっと気づいたとき、本当に悲しくて寂しかった
前は食欲からの愛情なのかっと悲しく思えたこともあったけど
愛情ゆえの食欲だと気づいてからは…本当にこのまま食べられたいって
それが最高の僕の最後だって思っていた。
そんな本能のまま求められて、最高の最後を迎えられることは、もうないのだろうけど……
こんな穏やかな関係が続いていくなら、それはそれでいいのかもしれない
そしていつかは……僕のこの不安は埋まるのだろうか
我ながら面倒くさい思考に、小さくため息をつけば
いつの間にか目を剥いているジョンにバッチリと目があって……何?また何か気になるのかな?
「食べた?アキラはちゃんと食べた?
ごめんね、ほとんど僕が食べちゃってない?お腹空いてたんだよね?」
「えっ?別に大丈夫だよ
ちゃんと食べたよ、美味しかったよ
耳のところは食べたの僕でしょ?
血糖値もしっかりとあがったし
それに、ジョンの食べてるところ見てると凄く幸せになるから
いっぱい食べてよ、ふふっ…チーズケーキ好きでしょ?」
「違うんだよ……そういうのがしたいんじゃなくて、うぅ…いつまでもこれじゃ親子じゃん!」
またもやショボンな尻尾と耳になってしまった。どうやら親子は嫌なのかな?恋人っぽくしたいのかな?
「今日はどうしたの?なんだか、いろいろと気にしてるね?
ロンさんに何が言われた?昨日僕がポーション作りに行ってからだよね、なんだか変なのは…」
チーズケーキ屋さんを出てからジョンが俯いたまま、ショボンな尻尾と耳のまま僕の手を引いていく。
拗ねたように唇を尖らせて、とぼとぼと歩く姿はいつものジョンとは全く違って
「どうしたの?心配事?
あの……獲物から外れたのは、もういいんだよ
どうしようもないことなんだから、
ジョンが悪いわけじゃないからね?
僕が弱いから……しかたないことなんだよ、僕が悪いんだからね?」
そう僕が弱いから……
何度これで、苦汁を嘗めて来ただろう
でも、仕方ないことだから
ジョンは牙狼で魔獣だ…、魔力が多い獲物に惹かれるのはどうしようもないことで
僕なんて…きっとそこらへんのグールと同じくらいに魅力のない獲物なんだろう
それをジョンは今まで他の魅力的な獲物を知らずに、僕だけを求めてくれていたから
その状況が当たり前だと思っていた僕が悪いんだ…
「違う…違うんだよ!
アキラは悪くないし、僕が変わっちゃったんだ!
僕が……本当はもっと……ごめんね」
やっぱり、ジョンはこうやって嬉しそうにいて欲しい
「アキラ、アキラはどれがいい?
いろいろ味があるみたいだよ?
アキラの好きなピスタチオ味もあるよ?これにする?」
「あぁ…本当だ、でも僕はピスタチオは好きだけどピスタチオ味はそれほどだから…
せっかくだから大きいの頼んで半分こしようよ?ジョンはノーマルのがいいでしょ?」
「えっ?ピスタチオ味はそれほどなの?僕…知らなかった……」
あれっ?またジョンの耳と尻尾が垂れてしまった。折角ご機嫌でパタパタ可愛かったのに…
「でも、僕はジョンと一緒に食べたいんだよ、ほらっ?このケーキ可愛いけど、僕は食べきれないでしょ?
大きいやつの方がフワフワで可愛いだろ?駄目かな?」
僕のおねだりに、ガバリっと顔をあげてすぐに注文してくれた。
よかった、耳も尻尾も元気に戻ってくれている
コーヒーを飲みながらチーズケーキを食べるのは最高に美味しいし
ジョンはパタパタと尻尾を振りながら口元にチーズケーキを付けてて
嬉しそうに食べてるし
はぁ…なんだか幸せだなぁ
獲物として見られなくなっと気づいたとき、本当に悲しくて寂しかった
前は食欲からの愛情なのかっと悲しく思えたこともあったけど
愛情ゆえの食欲だと気づいてからは…本当にこのまま食べられたいって
それが最高の僕の最後だって思っていた。
そんな本能のまま求められて、最高の最後を迎えられることは、もうないのだろうけど……
こんな穏やかな関係が続いていくなら、それはそれでいいのかもしれない
そしていつかは……僕のこの不安は埋まるのだろうか
我ながら面倒くさい思考に、小さくため息をつけば
いつの間にか目を剥いているジョンにバッチリと目があって……何?また何か気になるのかな?
「食べた?アキラはちゃんと食べた?
ごめんね、ほとんど僕が食べちゃってない?お腹空いてたんだよね?」
「えっ?別に大丈夫だよ
ちゃんと食べたよ、美味しかったよ
耳のところは食べたの僕でしょ?
血糖値もしっかりとあがったし
それに、ジョンの食べてるところ見てると凄く幸せになるから
いっぱい食べてよ、ふふっ…チーズケーキ好きでしょ?」
「違うんだよ……そういうのがしたいんじゃなくて、うぅ…いつまでもこれじゃ親子じゃん!」
またもやショボンな尻尾と耳になってしまった。どうやら親子は嫌なのかな?恋人っぽくしたいのかな?
「今日はどうしたの?なんだか、いろいろと気にしてるね?
ロンさんに何が言われた?昨日僕がポーション作りに行ってからだよね、なんだか変なのは…」
チーズケーキ屋さんを出てからジョンが俯いたまま、ショボンな尻尾と耳のまま僕の手を引いていく。
拗ねたように唇を尖らせて、とぼとぼと歩く姿はいつものジョンとは全く違って
「どうしたの?心配事?
あの……獲物から外れたのは、もういいんだよ
どうしようもないことなんだから、
ジョンが悪いわけじゃないからね?
僕が弱いから……しかたないことなんだよ、僕が悪いんだからね?」
そう僕が弱いから……
何度これで、苦汁を嘗めて来ただろう
でも、仕方ないことだから
ジョンは牙狼で魔獣だ…、魔力が多い獲物に惹かれるのはどうしようもないことで
僕なんて…きっとそこらへんのグールと同じくらいに魅力のない獲物なんだろう
それをジョンは今まで他の魅力的な獲物を知らずに、僕だけを求めてくれていたから
その状況が当たり前だと思っていた僕が悪いんだ…
「違う…違うんだよ!
アキラは悪くないし、僕が変わっちゃったんだ!
僕が……本当はもっと……ごめんね」
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