665 / 1,164
25.怯える君
661.やっと気付いた君の痛み
しおりを挟む
「僕は……本当に……そんな価値があるの?」
酷く暗い、今の今まで熱を孕んでいたとは思えない、凍えたようなアキラの言葉に目を剥きながら顔をあげる
アキラは何を言ってるの?
「だって……僕の価値なんて、アイツに比べたら……
それに…うっ…ジョンは嫌だって、受け入れたら、他の人を受け入れたらっ嫌だって!」
ポロポロっと涙を流しているアキラは口元を引きつらせている。そんなアキラを体を起こして見下ろしていきながら……
あぁ…そうかっやっと理解した。僕が言った言葉がアキラを苦しめていたんだ。
僕が自分以外は受け入れないで欲しいって言ったから……
「もうっ、僕のこと抱きたくないって思われたら……
僕はどうしようって…
だって僕っ…アイツに中に、中に!!
僕は………」
「そんなわけないじゃない!
あの時アキラは僕を助けてくれてたんでしょ?
アキラにはどうすることもできなかったんでしょ?
僕はそんなことにアキラの価値は見出さない!!
アキラは何も悪くないし、何も変わってない」
どんどん語尾が荒くなっていってしまう。
違う…アキラを怒りたいわけじゃないんだ
自分が情けなくてっ…
なんで気づかなかったんだよ!
アキラにとってはアレは僕に抱かれたんじゃなくて
カズマさんに抱かれたって思ってるってシノダ教授にも言われてたじゃないか!
「だって……僕は……アイツに抱かれたんだよ?
僕はジョンに触れられていいの?
僕なんかがジョンに…
もうジョンだけのモノじゃなくなった僕なんかが…」
か細い声で呟くように、自分を責めるようにアキラの言葉が部屋に溢れていく。
「……もういいいよ」
僕の呟いた言葉にアキラが真っ青な顔で見上げてくる。
唇はフルフル可哀想なほど震えていて、見開かれた瞳からはホロホロっと涙が流れていく。
「もうっ………僕がアキラを、ひどく犯したでいいじゃん
アキラが、そんなに苦しむなら…
僕以外に抱かれたってことが、耐えられないくらい辛いなら…
アレは僕だったでいいじゃん!
もうそれでいいよ!!
お願いだから、それ以上自分を傷つけないでよ、自分を責めないでよ……」
アキラは責めなかった。カズマさんも、僕も……
誰も責めないで、自分を責めてたんだ。
自分が非力だったと、カズマさんを受け入れてしまったと…
そして、僕に捨てられるって、僕に抱かれる価値なんか自分にはなくなったんだって、ずっと怯えていたんだ。
「違う……アレはジョンじゃない、ジョンじゃなかった!」
「僕だよ!僕がやったでいいから
なんでアキラはすぐに自分を責めるの!
なんですぐに自分を傷つけるの?
僕を責たらいいじゃん!カズマさんを責たらいいじゃん!!
アキラは完全に被害者だったでしょ?
なんであんなに傷つけられたのに…あんなに苦しめられたのに…
なんで更に自分で責めるの?」
守りたい…アキラを守りたい……
「違うっ!アレはジョンじゃなかった!!
僕が受け入れたんだ、犯されるのがわかってたのに抵抗もしなかった。
僕がカズマをっっ……
受け入れたんだよ!もうっ、僕には……」
「違うっ、アキラは拒否してたよ!
絶対に受入れたりしてなかったよ!
いいから、もういいから……
アレは僕だった、そうしよう?
ごめんね、助けてあげられなくて…
ありがとう、助けてくれて……
苦しかったんでしょ?痛かったんでしょ?気持ち悪かったんでしょ?
ぶつけていいから、僕に全部ぶつけていいから……
だからお願いだよ、自分を責めないでよ」
なおもポロポロっと涙を流すアキラを抱きしめて、放さないっとばかりにきつくきつく抱きしめて
「愛してるよ、アキラ……愛してるから、お願いだよ……」
酷く暗い、今の今まで熱を孕んでいたとは思えない、凍えたようなアキラの言葉に目を剥きながら顔をあげる
アキラは何を言ってるの?
「だって……僕の価値なんて、アイツに比べたら……
それに…うっ…ジョンは嫌だって、受け入れたら、他の人を受け入れたらっ嫌だって!」
ポロポロっと涙を流しているアキラは口元を引きつらせている。そんなアキラを体を起こして見下ろしていきながら……
あぁ…そうかっやっと理解した。僕が言った言葉がアキラを苦しめていたんだ。
僕が自分以外は受け入れないで欲しいって言ったから……
「もうっ、僕のこと抱きたくないって思われたら……
僕はどうしようって…
だって僕っ…アイツに中に、中に!!
僕は………」
「そんなわけないじゃない!
あの時アキラは僕を助けてくれてたんでしょ?
アキラにはどうすることもできなかったんでしょ?
僕はそんなことにアキラの価値は見出さない!!
アキラは何も悪くないし、何も変わってない」
どんどん語尾が荒くなっていってしまう。
違う…アキラを怒りたいわけじゃないんだ
自分が情けなくてっ…
なんで気づかなかったんだよ!
アキラにとってはアレは僕に抱かれたんじゃなくて
カズマさんに抱かれたって思ってるってシノダ教授にも言われてたじゃないか!
「だって……僕は……アイツに抱かれたんだよ?
僕はジョンに触れられていいの?
僕なんかがジョンに…
もうジョンだけのモノじゃなくなった僕なんかが…」
か細い声で呟くように、自分を責めるようにアキラの言葉が部屋に溢れていく。
「……もういいいよ」
僕の呟いた言葉にアキラが真っ青な顔で見上げてくる。
唇はフルフル可哀想なほど震えていて、見開かれた瞳からはホロホロっと涙が流れていく。
「もうっ………僕がアキラを、ひどく犯したでいいじゃん
アキラが、そんなに苦しむなら…
僕以外に抱かれたってことが、耐えられないくらい辛いなら…
アレは僕だったでいいじゃん!
もうそれでいいよ!!
お願いだから、それ以上自分を傷つけないでよ、自分を責めないでよ……」
アキラは責めなかった。カズマさんも、僕も……
誰も責めないで、自分を責めてたんだ。
自分が非力だったと、カズマさんを受け入れてしまったと…
そして、僕に捨てられるって、僕に抱かれる価値なんか自分にはなくなったんだって、ずっと怯えていたんだ。
「違う……アレはジョンじゃない、ジョンじゃなかった!」
「僕だよ!僕がやったでいいから
なんでアキラはすぐに自分を責めるの!
なんですぐに自分を傷つけるの?
僕を責たらいいじゃん!カズマさんを責たらいいじゃん!!
アキラは完全に被害者だったでしょ?
なんであんなに傷つけられたのに…あんなに苦しめられたのに…
なんで更に自分で責めるの?」
守りたい…アキラを守りたい……
「違うっ!アレはジョンじゃなかった!!
僕が受け入れたんだ、犯されるのがわかってたのに抵抗もしなかった。
僕がカズマをっっ……
受け入れたんだよ!もうっ、僕には……」
「違うっ、アキラは拒否してたよ!
絶対に受入れたりしてなかったよ!
いいから、もういいから……
アレは僕だった、そうしよう?
ごめんね、助けてあげられなくて…
ありがとう、助けてくれて……
苦しかったんでしょ?痛かったんでしょ?気持ち悪かったんでしょ?
ぶつけていいから、僕に全部ぶつけていいから……
だからお願いだよ、自分を責めないでよ」
なおもポロポロっと涙を流すアキラを抱きしめて、放さないっとばかりにきつくきつく抱きしめて
「愛してるよ、アキラ……愛してるから、お願いだよ……」
0
お気に入りに追加
368
あなたにおすすめの小説

久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…


言い逃げしたら5年後捕まった件について。
なるせ
BL
「ずっと、好きだよ。」
…長年ずっと一緒にいた幼馴染に告白をした。
もちろん、アイツがオレをそういう目で見てないのは百も承知だし、返事なんて求めてない。
ただ、これからはもう一緒にいないから…想いを伝えるぐらい、許してくれ。
そう思って告白したのが高校三年生の最後の登校日。……あれから5年経ったんだけど…
なんでアイツに馬乗りにされてるわけ!?
ーーーーー
美形×平凡っていいですよね、、、、


学園の卒業パーティーで卒業生全員の筆下ろしを終わらせるまで帰れない保険医
ミクリ21
BL
学園の卒業パーティーで、卒業生達の筆下ろしをすることになった保険医の話。
筆下ろしが終わるまで、保険医は帰れません。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。

ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる