夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

24.捕まえる僕

629.訪問そして対面 (side会長)

「でかっ！何？ここは……おじいちゃんの屋敷もかなり大きい造りだけど、ここの扉って…なんでこんなにでかくっ造ってあるんですか？
誰がくるんだ？客にケンタウロスでもくるの？」


マサトの言うとおり、かなり大きな作りの洋館のような屋敷が立っている。
周りは鬱蒼とした森に囲まれて、まだ日は高い夕方じゃというのに薄暗く不気味な雰囲気をだしておる
辺境とはよく言ったものじゃ…


「はぁ…、あいかわらず酷い磁場だな、魔力ごっそりいかれました。
会長さんくらいならご存知ですよね？
あっちらが魔界に繋がっています。

ふふっ…この屋敷で無礼をはたらくとと、殺されてあっち側に放り込まれるらしいです。
死体はいつの間にかなくなるとか、俺の行末でしょうか……」


エルフが少し青い顔色で、引きつった笑みを浮かべている。
どうじゃろうなっ…ワシにもわからんよ！
ここで立っていても埒が明かないので、呼び鈴はなさそうなので扉を叩こうとすると
ギギギッっと音を立てて扉が開いていった。


そこにはダークスーツに蝶ネクタイ、かなりのガタイのいいが、茶色の毛並みに頭の上には大きな声耳があり比較的大きな鼻、張り付いたような笑みの猫科の獣人が立っていた。
感じる威圧感に毛穴が開くのがわかる
この獣人は只者じゃない


「いらっしゃいませ、本日はありがとうございます。ご予約のお客様でいらっしゃいますね
さぁ…奥へ、まずはお酒と食事を…」

「この度はご訪問させていただき、ありがとうございます。
申し訳ありませんが、こちらの総責任者のママ様に会わせていただきたい所存です。
まずはお詫びから申し上げたい」


ワシが最敬礼で捲し立てるように言い切れば、ワシに合わせて他の３人も最敬礼で頭を下げる。
そのまましばらくの沈黙の後、獣人は小さくため息を吐いて


「それでは、こちらへ…Queenクイーンからも通すようにっと言われておりますので…」


憎々しげに吐き捨てるような呟きをもらして歩を進めていった。


薄暗いが広くて、しっかりとした絨毯がひかれている廊下を進めば
廊下に続く部屋から次々ときらびやかな服装をした女性が出てくる。


スラリとスレンダーで和服テイストのドレスの女性
童顔で小さな体によく似合う黒のミニスカートドレスの女性
豊満なボディに狐耳に狐の尻尾でキツイスリットの入ったチャイナ風のドレスの女性３人が、ワシらの後について黙って歩いてくる。


また廊下の部屋の前には女性達が立ち、こちらを睨むような視線を送ってくる……これは完全にアウェイっと言うことなんじゃろうな


そのまま一言も話さずに進み、また一層にでかい扉の前に止まった。
廊下の途中の部屋の扉は普通サイズじゃったが、ここの扉は倍以上の大きさがある


「失礼いたします。Queenクイーン
お客様達がお付きです。」

「バロンありがとう、お通しして頂戴」


美しいが低めの通る声がして、扉が開かれれば
目に入ったQueenクイーンの姿に、ワシの血は一気に足元へと下がっていくようじゃった。
敵わない…、万が一この方が本気を出されたらワシ等は一緒にして命を落とすじゃろう