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20.胸のホールを埋めてください 3

561.別居?

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「ん~、会長のことだから冒険者協会に手を回して、ジョンが牙狼でも登録できるようにしたのかな?
確かにもうすぐ1年経つし、アイツの関係者の処分も済んで会社の体制も大丈夫なのか…

そうだね、いい時期なのかもしれないね……
すごく寂しいけど…ジョン、僕は応援するよ!」


「ありがとう、僕も寂しい
でも僕…ひとり立ちしたいんだ!
僕一人で生きてけないのに、アキラを守るなんて無理だって…だから、アキラに甘えてばかりいられないから!

僕、アキラ離れをしようと思うの!」


アキラの目を見て真剣に宣言する。
寂しいけど、僕はまだアキラに守られて愛されて育ててもらってる状態のままなんだ…
このままじゃ、いけない!このままじゃ、僕はいつまでもアキラに頼ってなんかもらえない


「ははっ、そっか…そうだね、僕はジョンの保護者をやめたんだった…
パートナーになるんだった…
ありがとう、いっぱい真剣に考えてくれたんだね?

そうだね、僕もそろそろジョン離れしないといけないのかもしれないね、わかったよ
でも休日には帰ってきてね?
じゃないと、僕…寂しくて、泣いちゃうよ?」


本当に苦しそうに、今にも泣いてしまいそうな笑顔でアキラが僕に手を伸ばすけど………





「えっ?帰ってくるよ…っていうか、毎日帰るけど……えっ?」


「んっ?あれっ?訓練施設って全寮制じゃなかったっけ?
寮入らないの?えっ…通いなの?」


 
アキラの目が大きくなって、びっくりしてる…
あぁそうか、だいたい冒険者育成枠の人は全員寮に入る。だからアキラは勘違いしたんだ!




「今度できる施設は冒険者の人がランクアップを目指すための施設みたいで、寮はないみたいなんだ
アキラは…僕と離れて暮らす覚悟までしてたの?あの一瞬で?」


「だって、なんかジョンがすごく深刻な様子で話し出すから!
つまりジョンも会社に所属して働き出すってことなんだね?
うん…反対する理由もないし…どうぞ…
あぁビックリした、少なくとも一年は別居を覚悟したぁ…」



アキラがソファにさっきより力なく、ぐでんぐでんに倒れていった。


「アキラは僕と離れて暮らしてもいいって思ったの?
ご飯もお風呂も寝るとき別々でいいって覚悟したってこと?」


「ん~、僕はジョンが決めたことなら受け入れるよ?
まぁしばらくはお風呂では大号泣だろうし、ジョンがいないベッドが嫌で、徹夜で研究とかしだしちゃうかもしれないけど…」


なんてそんなに嫌なのに受け入れるんだよ!前なんかそれで倒れたじゃん!!
すぐアキラは僕の気持ちを優先してくれる、自分をおざなりにして…


「ジョンがしたいことはドンドンしていきなよ!
僕のことなんか気にしなくていいし、言ってくれたらできるかぎりのバックアップはするからね?」


その言葉はきっと保護者のアキラのままの言葉で…
でもそれが心地良い自分が、ちょっと嫌だった
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