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20.胸のホールを埋めてください 3

529.短い春をあなたと  (sideシノダ教授)

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「シノダ教授…、すごく勝手なお願いなのですが、僕を……恋人にしてもらえませんか?」



コーヒーを飲み終わるころ、アキラ君がひどく辛そうな申し訳なさそうな顔で俺にお願いしてきた





その後のされた話は、俺の心は締め付けられるように、苦しくさせるものだった…
君はそれほどまでに………



「つまり…一週間だけの恋人に…俺になって欲しいってことなんだね?」

「本当に、本当にすいません…
こんな自分勝手なお願いしてしまって
あなたの気持ちを無視するような…」



そうだね、俺は本当は君の全部が欲しいよ
でも、それでも…



「何言ってるの?俺にとって、すごく光栄なことじゃないか…
君の、もしかしたら一番最後になるかもしれない恋人に、俺を選んでくれたんだろう?

もちろん、そうならないことを願っているけどね?」



俺は席を立つと、アキラ君の後ろに周りその肩を包み込むように抱きしめた



「でもそのお願いをきくのに、俺も条件だしていいかな?

その一週間だけは、俺をちゃんと愛してくれよ?
恋人ごっこだったらごめんだよ
俺も全力でアキラ君の恋人になるからね?」


耳元で呟けば、サッと耳の色が赤くなったのが可愛らしい
一週間とはいえ、アキラ君が手に入るんだ…本当に短い晩年の春だけど
逃すような手はないんだよ


ついその可愛らしい耳に唇を寄せて、チュッと音をたてれば、ピクリっと体が跳ねる



「ふふっ、ほらっこっちを向いて…
恋人ならキスぐらいしてもいいでしょ?」




少し躊躇したような間の後に、ゆっくりとアキラ君がこちらを向いてくれる
思ったとおりの少し上気して赤く染まった頬に、困ったように垂れた眉




「……付き合って数秒でキスするのは、どうかと思いますよ?」



そんな可愛くないことを言う唇は、俺の唇で触れるだけのキスで黙らせる



「そりゃ普通のお付き合いならもっとゆっくりとコトを進めるよ?
俺はもういい大人だからね!
でも今回は、時間がないから…
短い間にできるだけ、アキラ君を感じたいんだよ、悪いけど急がせていただくよ…」



喋むようなキスをくる返せば、観念したように体の強張りを解いていく
頃合いを見計らって、腰に手を回し首に手を添えてキスを深くしていく
頭の芯が久しぶりの熱にぼんやりとしだした



ゆっくりと離したときの、クチュリっとなる音がひどく官能的に聞こえてしかたなかった


「はぁ…このままベッドに連れて行って押し倒してしまいたいけど
さすがにそこまでしたら余裕がなさすぎるから

お出かけの準備をしようか?
はぁ…俺は今バカみたいに浮かれているよ?」



「はは…それされたらさすがに引いちゃいますよ?
それにしても…やっぱり…シノダ教授慣れてるでしょ?
はぁ~どういうキスしてくるんですか…」



ん?別にそこまで激しいキスはしてなかったと思うけど…舌も入れてないし
少し唇を吸ったり舐めたり…まぁ軽いキスではなかったけど…


「……なんで強引なのに、あんなに優しいんだよ……ちょっとズルい」


アキラ君の可愛らしい小さな愚痴に、気を良くして頬にキスを落とす



「ふふっ、今日は可愛い恋人にいっぱい服を買っわせてくれよ?
僕好みになってよ!」

「あぁ、それならシノダ教授もなってくださいね
そちらはもちろん、僕がだしますからね?」



ふぉっっ??俺も変わらないといけなかったか!!
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