夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

20.胸のホールを埋めてください 3

522.ベッドに行こう （sideシノダ教授）

「嫌です！まだ飲みたいぃぃ
とことん付き合ってくれるって行ったもん！」


「ハイハイ、もう君は自分で立てないくらいまで飲んだからね？
終わりにしようね？」

アキラ君がグズグズ泣きながら僕に抱きかかえられてサミダブルのベッドに運ばれる





アキラ君は酔いだすと、接待の癖が出るらしい…
せっせと料理をとりわけ、僕のグラスが空けばウィスキーのおかわりを作り、ほどよいところでチェイサーを用意し
これが…変なホステスよりも気が回る


しかし、アキラ君が飲んでるのがもう炭酸水！
本人はグズグズと号泣で俺の世話をやきながら愚痴を溢すのに、飲んでるのが炭酸水って…



もう早く寝なさい！
ふらふらで足元すら覚束無いのに、作る酒は絶対に溢さないって、社会人の鏡かい？
どんだけ接待の場を熟してきたの…君は？


俺は元々酒はかなり強いから、これくらいの量では酔うことはない
それこそ調子が良ければウィスキーを一本くらいは開けてしまう


どうやら僕に合わせて飲みたいみたいだけど…
たぶん飲める量が違いすぎるよ？






日中に着た服のままベッドに寝るのは嫌だと言うので、俺の長袖Ｔシャツと短パンを寝間着替わりに貸せば………


やってしまった！
短パンがいらないくらい長いからっと返されてしまったのがいけない…
これは男なら一度は憧れる彼シャツ状態だ！


しかも下は？何を履いてるの？
さっきの洗濯物にボクサーパンツあったよね？
えぇ………えええぇぇぇ？？




クソっ渡すのワイシャツにするべきだったか？そしたら完璧だったのに
いや、でもワイシャツは寝にくいか……
もういい、これは十分に彼シャツだし！うわっ、テンションやばい！！


もう二度とないだろう、ベッドの彼シャツアキラ君を、脳に焼き付けておこう凝視しまくっていると
口が尖って不満そうな顔になっていく




「シノダ教授も一緒に寝てほしい……
今日、僕は寂しく一人寝なの？」


はいっ！喜んで！！
もう居酒屋の店員並にいい返事をしてしまうよ？


据え膳だ！もうこれは確実に据え膳だ！！
鴨がネギに鍋に鍋つゆ背負ってやってきた！？なんなら火まで起こしてるかもしれない……




ばばっと怒涛の勢いで寝間着に着替えて、アキラ君の横に滑り込む
セミダブルのベッドでは俺の体が大きいから少し狭くて、体同士がいい感じに密着する


アキラ君の細い腰を引いて、腕枕をして抱きしめれば
素直に体重を預けてくれる

　


「なんか…シノダ教授、慣れてません？けっこう経験豊富ですか？」

「ははっ…そんなことないよ？
まぁでも君達よりは、年くってるからね？
でも今すごくドキドキしてるよ…

僕が君をそういう対象として見るのは嫌かい？
もう君からはおじさん過ぎて、見れないかな？」


気弱な俺の言葉に、少し驚いた顔をして視線を反らすが……頬は少し赤い



「今までは君がずっと幸せそうだったから、こんな気持ちは必要ないって蓋をしてきたんだ……
さっきの話、俺は本気だよ？
君の中ではありえない話なのかな？」

「あの……シノダ教授はずっと尊敬してて、この気持ちが好意にかわることがあるなら……その…うっ……僕的には有りです

でもまだ僕はジョン君を……忘れれなくて、すいません……全然言葉がまとまらない」


必死に俺の言葉に答えようとしてくれるアキラ君が愛しい


要は、俺はそういう対象としては有りだけど、今はまだ傷心中でそんな気持ちなれないってことだろう
俺を喜ばせるには十分な返事だった


「あぁ…ありがとう…
君が僕を受け入れてくれる可能性があるってだけで、天にも昇る心地だよ？
もちろん、僕は待つつもりだよ？無理に忘れろなんて言わないし、急かしたりもしないさ！　

でも……今日は、これくらいはしてもいいかな？」




俺の言葉に、アキラ君が体を固まらせて緊張してるのが伝わってきた