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18.胸のホールを埋めてください
387.崩壊は止められず… (sideシノダ教授)
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元冒険者の二人の力にアキラ君が抗えるわけもなく、あっさり抑え込まれる。
注射器を差し込めばびっくりっと体が反応した。
「シノダ教授……ねぇお願いだよ……ねぇ?」
急に泣き叫んでいた声ではなく、つぶやくような甘ったるい懇願する声に手が止まった
「嫌なんだ……もう生きていたくない……シノダ教授ならできるでしょ?」
それはまるで娼婦のように、ベッドでの甘いささやきのような響きに聞こえ…
あのアキラ君の声かと思うと…
まるでサキュバスのように魅了されてしまう
アキラ君の顔を恐る恐る見ると、涙でくしゃくしゃになった顔のままだが…見惚れそうな艶っぽい笑顔を向けてくる…
「ねぇ?シノダ教授…僕を殺して……」
あまりの言葉にその場にいた全員が目を剥く、注射器を持つ手が震えてピストンが押せない
こんなアキラ君は知らない…
「ねぇ?お願いだよ…このまま幸せなまま終わらせ…」「何言ってんだよ!ふざけないで!!」
ジョン君の怒号に我に返らされた。
「アキラだけが作れるポーション作るんでしょ?
毎年一緒にイベント行ってキスするんでしょ?
僕のことずっと虜にして離さないって言ったじゃん!
………なんで?そんなこと…そんなこと言うんだよ!」
ジョン君の涙声の怒鳴り声に背を押されて、ピストンにしっかりと指をかけて押していった。
「……消える…消える…イヤだ、ジョンが……あんまりだ」
「消えないよ、僕はアキラの側にいるよ、ずっとずっといる、離れないから大丈夫だよ」
薬の効果はすぐに表れ、アキラ君の力は抜けてぼんやりと夢を見ているようにうわ言をつぶやいている。
頭の出血を抑えるために心臓より高くなるように、後ろからジョン君がアキラ君を抱きしめて上体を起こしている。
傷口を押さえるタオルはみるみる赤く色を変えていく。
「イヤだ……………死にたい、もう無理だ………ジョンが……ジョンが……」
「死ぬなんていわないでよ…僕はいるよ?
お願いだから僕を見てよ、なんでわからないの?側にいるのに…消えたりしないよ」
ジョン君に優しく頬をなでられても、アキラ君の流れる涙は止まることはなく…
「……ジョンが消える」
悪夢のうわ言のように同じ言葉を繰り返していた。
ピストンを押すときに向けられた、憎しみすら込められた眼差しが、胸をジクジク蝕むようにザワツカせた…
注射器を差し込めばびっくりっと体が反応した。
「シノダ教授……ねぇお願いだよ……ねぇ?」
急に泣き叫んでいた声ではなく、つぶやくような甘ったるい懇願する声に手が止まった
「嫌なんだ……もう生きていたくない……シノダ教授ならできるでしょ?」
それはまるで娼婦のように、ベッドでの甘いささやきのような響きに聞こえ…
あのアキラ君の声かと思うと…
まるでサキュバスのように魅了されてしまう
アキラ君の顔を恐る恐る見ると、涙でくしゃくしゃになった顔のままだが…見惚れそうな艶っぽい笑顔を向けてくる…
「ねぇ?シノダ教授…僕を殺して……」
あまりの言葉にその場にいた全員が目を剥く、注射器を持つ手が震えてピストンが押せない
こんなアキラ君は知らない…
「ねぇ?お願いだよ…このまま幸せなまま終わらせ…」「何言ってんだよ!ふざけないで!!」
ジョン君の怒号に我に返らされた。
「アキラだけが作れるポーション作るんでしょ?
毎年一緒にイベント行ってキスするんでしょ?
僕のことずっと虜にして離さないって言ったじゃん!
………なんで?そんなこと…そんなこと言うんだよ!」
ジョン君の涙声の怒鳴り声に背を押されて、ピストンにしっかりと指をかけて押していった。
「……消える…消える…イヤだ、ジョンが……あんまりだ」
「消えないよ、僕はアキラの側にいるよ、ずっとずっといる、離れないから大丈夫だよ」
薬の効果はすぐに表れ、アキラ君の力は抜けてぼんやりと夢を見ているようにうわ言をつぶやいている。
頭の出血を抑えるために心臓より高くなるように、後ろからジョン君がアキラ君を抱きしめて上体を起こしている。
傷口を押さえるタオルはみるみる赤く色を変えていく。
「イヤだ……………死にたい、もう無理だ………ジョンが……ジョンが……」
「死ぬなんていわないでよ…僕はいるよ?
お願いだから僕を見てよ、なんでわからないの?側にいるのに…消えたりしないよ」
ジョン君に優しく頬をなでられても、アキラ君の流れる涙は止まることはなく…
「……ジョンが消える」
悪夢のうわ言のように同じ言葉を繰り返していた。
ピストンを押すときに向けられた、憎しみすら込められた眼差しが、胸をジクジク蝕むようにザワツカせた…
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