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16.聖なる夜が二人を包む

332.ヤバイ扉が開くとき

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ジョンは苛立ち紛れにドカドカと少し大股で歩いてしまっていた…


「あっ!ひゃぁっ!」


アキラの足ではついていけず、繋がれた手で引っ貼られるようにコケてしまった。


「あっ!ごめん、大丈夫?…」

ジョンはすぐにかけよって助け起こし、ついた膝の土を払うが
ズボンの裾をまくっていくと少し血が出ていた。


「本当にごめんね、僕が…アキラ引っ張っちゃったから…」


オロオロするジョンを尻目に、背負っていた黒の小さめのリュックから絆創膏を探り出す


「大丈夫だよ、対して痛くないし、服に血がつくと嫌だから…これ貼るね
靴ずれとかしたときように絆創膏も持ってきてるんだ」


軽い口調でアキラは答え、取り出した絆創膏を片手に膝に目をやると固まった。
ジョンが膝をつきアキラの怪我をした膝を持ち上げていた。


優しく長い舌で傷口を舐めていく。
それはひどくゆっくりとした動きに見えて、アキラの体温は一気に上がった。
まるで服從を誓うような行為に感じて…アキラの背中にいつになくゾワゾワしたものが走る。


「あの…ジョン………ちょっと…やばっ」
「あまりひどい怪我じゃないけど、血もほとんど止まってるし…
本当にごめんね…………えっ?どうしたの?」


顔を真っ赤にして、前かがみになってる見下ろしているアキラに違和感を感じる。
微妙に恍惚そうな顔をしてる?
目があってはっと体を強張らせて、バツが悪そうに目を反らした。


「………やばい扉を開けかけた気がする」
「え!何が?」


ジョンに絆創膏を貼ってもらって、また手を繋ぎ今度はゆっくりと歩き出す。


「わかった、この格好、あまりしないようにするよ…なんだろう?
やばい扉が……本当に…やばい…」

やばいやばいとアキラは繰り返して、とりあえず普段はあまり可愛い格好はしないと約束してくれた。
ジョンはほっと胸を撫で下ろした


「…でも、僕の前ではして欲しい
僕がいないところでは絶対にしないでね!
二人のときはいっぱいしてね
あと、デートのときとか、おじいちゃん達の前とかもしてほしい

ちょっとだけ、可愛いアキラを見せびらかしたい…」

たぶん無意識なのだろうが、ジョンにも優越感とかあるんだなっと以外に思った。独占欲が強いのは知っていたが…
その対象が共にいる自分が可愛いということなのが、すごく嬉しい
ニマニマ顔にならないようにキュッと口を閉じる




目の端にちょっと気になるお店を見つけた。
少し入るのを悩むお店だが、たぶんジョンが喜んでくれそうなものが売っている。
ふふっと笑みを漏らして歩みを止めた。
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