夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

16.聖なる夜が二人を包む

322.ハッスル壁会

「それじゃあ、そろそろ行こうか？」


アキラがいつもの笑顔で言うと、少し緊張が解けた気がした。


「あっあのさ…僕はこのままでいいの？アキラの隣にいておかしくない？」


ジョンは普段通りのジーパンに白いシャツ、ファーのフード付ダウンジャケットを着ている。


「ん？ジョンもお洒落したい？
じゃあジョンの服を今日買おうか？

あとジョンの新しいシャツも欲しいね
最近冬毛になったせいかキツイよね？」


「えっと変じゃないなら別にいらないけど…でもシャツは確かにほしい…」


アキラはクスクスとおかしそうに笑う。


「変じゃないよ！
ジョンはいつもかっこよくて可愛いよ
ほらっこれ着たらジョンとお揃いみいじゃない？」


アキラは毛足の長めのフワフワフリースジャケットを着ると、確かにジョンの背中の毛とよく似ている


クスクスと二人で笑う姿を、会長は目を細めて嬉しそうに見る



「……眼福じゃぁ」
「駄目ですよ！ギルマス…
俺だって我慢してるんですからね！」

シノダ教授に小突かれて、会長はバツが悪そうに目をそらしてため息をつく


「じゃあ、すいません、いってきますね！
また今週末におじゃましますね、よろしくお願いします。」


アキラとジョンは幸せそうな笑顔で退室していった。
会長とシノダ教授はお互い目が合わないように、しばらく沈黙をしている。




「…そろそろいいじゃろうか？」

「………クッソ可愛かった！
何なのアキラ君めちゃ可愛いよぅ
見た？あの腰見た？細っ
まじそこらへんの女のコより可愛いよ！

しかも女装じゃなくて、ギリギリ中性を狙うセンスのよさ！まぁタマラン

しかも最後にオソロイ！オソロイ！
もうねえ？あれやられたジョン君堪らんだろうよ、あぁ可愛いよぅ」

「同意じゃ！
確かにアキラ君は可愛かった、しかしジョン君の反応も可愛かったのう…
アキラ君の可愛さにドギマギしとったのう、最初は緊張しとった反応は可愛かったわい

しかもお揃いで二人が幸せそうに笑う姿は眼福じゃ！眼福じゃ！
はぁ楽しくデートできるといいのう」

二人がワイワイと暫く騒いでいると、二人を送ってきた田中が静かに扉を開けて入ってきた。

ゆらりっと椅子に座り、深いため息をつくと

「まぁあの二人は…
素晴らしすぎますよ！
見ましたよ…
ふふふっ私はしっかりと見てしまいましたからね！
んぅぅ～…エモい」