夢から覚めるなら殺して〜虐待を受けてきた白狼、天才科学者はなんとか助け出すが、歪んだ性知識と無知な性知識、いつになったら幸せになれるの？

15.二人が一緒に歩むため

313、優しい空気が二人を包む

アキラは向き直すとジョンを優しく抱きしめた、慰めるように

「大丈夫だよ、僕は消えないし、ジョンは昔になんて戻らないよ…
思い出しちゃったんでしょ？
ここは何も怖くないよ」



「うぅう…あぎらぁ…ごめん、ごめんなざぃ…あああぁぁ…何でボグがぁ
うぅあぁぁ…」

ジョンは堰が壊れたように泣き出した。
昔の忌々しい記憶と、自分のしたことの嫌悪感と罪悪感で頭の中がぐちゃぐちゃだった
そんなジョンをアキラはどこまでも優しく優しく抱きしめる…




グズグズと鼻をすすりながらジョンがアキラの肩から顔をあげる
バツが悪そうにアキラの顔を覗き込む


「ん？少し落ち着いた？
ふふっ可哀想に、目が真っ赤だよ、後で冷やそうね」


アキラがジョンの瞼にキスをする。
気持ちよさそうにゆっくりとまばたきをすれば、優しく目元をなぞる様に指で撫でてくれる


「アキラ…僕もう大丈夫だと思ってたんだ。
ずっと昔のことで泣いてなかったから。
僕…恥ずかしい」

「別に恥ずかしがることないよ？
トラウマなんてそうそうなくならないし、その度に癒やしていけばいいんだよ。
それに泣くのが恥ずかしいなら、僕なんてどうなるのよ…
ついさっきジョンに頻繁に泣いてるのバレたところじゃない！」


アキラがムッとした顔が可笑しくて、ジョンは頬が緩む

「ふふっそうだったね、僕アキラはもっと大人だと思ってたよ、谷口さんに叱られるちゃうこともあるんだね？」

「えぇ大人ですよ、ですから今回の叱咤激励をしっかりと糧にして、今後に活かしていく所存ですよ！

でもしかたないじゃん、僕ジョンが初めて付き合った人なんだよ？
初心者だよ？
だからこれくらいの失敗許してよぅ
これからは、ちゃんと伝えるように頑張るからさ…」

アキラはジョンの胸の毛に顔を埋めてウリウリとこすりつける
さっきまでの態度とは違い、子供みたいにじゃれてくる

「アキラくすぐったいよ、僕もちゃんと考えるよ、アキラのして欲しいことも嫌なことも…」

アキラの頭をジョンは優しく抱きしめてにすっぽりと手の中に包みこんでしまうが、ジタバタとアキラが頭を外そうとしている

「ちょっとさぁ、なら僕すごく気になってることあるんだよ！聞いていい？」

？マークの顔で真剣な顔のアキラと目線をあわせる

「僕ってエッチなの？」

「ブッハァっヒッブゥ
何？あの言葉気にしてたの？」

ジョンは吹き出して、笑いが止められない。口を抑えてベッドに顔を押しつける

「気にするよ！
逝くだけじゃ満足しないのは事実だし
ほしがりな体とか言われたら、そうなのかな？って不安になるよ！」


まだ笑いの発作から回復できないが、なんとかつくろってアキラと向き直ると


「おじいちゃんはアキラは女脳って言ってたよ？性行為と感情がくっついてるんだって
僕とするオナニーはもう抱き合ってると同じように感じちゃうから、逝くだけじゃ悲しくなっちゃうんだね

もっと優しく、愛しながらしないと行けなかったんだね…ごめんね」


「谷口さんもなんかマサトさんに女心がわからないとか言ってたな…
なんでみんな僕を女扱いするんだ？
僕は一応男なんだけど…

えっ何？もしかして勘違いされてる？
今度しっかりと見せた方がいい？」

「…アキラって時々すごくバカなこと言い出すよね？」

昨日とは違い
優しい空気が二人を包んでいた